Amazon Route 53 の地理的近接性ルーティングとは
地理的近接性ルーティング - Amazon Route 53
地理的近接性ルーティングでは、Amazon Route 53 はユーザーとリソースの地理的場所に基づいてリソースのトラフィックをルーティングします。利用可能な最も近いリソースにトラフィックをルーティングします。
ユーザーから物理的に近いリソースにルーティングするポリシーです。
機能概要
- ユーザーを最も近いリソースにルーティング
- バイアスで地理的なサイズを定義する
- サイズを拡大する場合は 1 ~ 99 の値を指定する
- サイズを縮小する場合は -1 ~ -99 の値を指定する
- バイアスを指定できる唯一のポリシー
- プライベートホストゾーンのレコードには使用できない
詳細については以下の資料もご参照ください。
位置情報ルーティングとの違い
位置情報ルーティングでは、ユーザーの地理的場所、つまり DNS クエリの送信元の場所に基づいて、トラフィックを処理するリソースを選択できます。
ユーザーの地理的場所に基づくという観点では地理的近接性ルーティングと類似していますが、位置情報ルーティングには以下の特徴があります。
- 指定粒度は大陸別、国別、米国の州別
- プライベートホストゾーンでも利用可能
- バイアスでの指定はできない
試してみた
地理的近接性ルーティングと位置情報ルーティングを試してみました。
前提
- Route 53 のホストゾーンにドメイン登録済み
01. EC2 インスタンスの作成
東京リージョンとバージニア北部リージョンに以下の設定で EC2 インスタンスを作成しました。
- AMI: Amazon Linux 2023
- VPC: デフォルト
- サブネット: デフォルト
- セキュリティグループ: インバウンド、アウトバンド全開放
- ユーザーデータ: リージョンごとに以下のスクリプトを設定
#!/bin/bash
yum update -y
yum install -y httpd
systemctl start httpd
systemctl enable httpd
echo "<h1>Tokyo Server - ap-northeast-1</h1>" > /var/www/html/index.html
#!/bin/bash
yum update -y
yum install -y httpd
systemctl start httpd
systemctl enable httpd
echo "<h1>Virginia Server - us-east-1</h1>" > /var/www/html/index.html
EC2 インスタンスの起動後、パブリック IPv4 アドレスにアクセスして以下の画面が表示されることを確認します。


02. 位置情報ルーティングレコードの作成
以下の内容で設定しました。
なお、example.com はダミー値のため、ドメイン名は実際の名前に置換してください。
- レコード 1
- レコード名: geo.example.com
- レコードタイプ: A
- 値: 東京リージョンの EC2 インスタンスのパブリック IPv4 アドレス
- ルーティングポリシー: 位置情報
- 場所: アジア
- レコード ID: Asia-Tokyo
- レコード 2
- レコード名: geo.example.com
- レコードタイプ: A
- 値: バージニア北部リージョンの EC2 インスタンスのパブリック IPv4 アドレス
- ルーティングポリシー: 位置情報
- 場所: 北米
- レコード ID: NorthAmerica-Virginia
- レコード 3
- レコード名: geo.example.com
- レコードタイプ: A
- 値: バージニア北部リージョンの EC2 インスタンスのパブリック IPv4 アドレス
- ルーティングポリシー: 位置情報
- 場所: デフォルト
- レコード ID: Default



03. 位置情報ルーティングの動作確認
https://www.whatsmydns.net/ にアクセスして手順 02 で作成したレコード名にアクセスします。


以下のような結果になっていることを確認します。
- アジアからのアクセス: 東京リージョンにルーティング
- 北米からのアクセス: バージニア北部リージョンにルーティング
- その他: バージニア北部リージョンにルーティング
04. 地理的近接性ルーティングの作成
Route 53 コンソールのトラフィックポリシーで作成します。

以下のように設定しました。
- 名前: geoproximity-test
- DNS レコードタイプ: A: IPv4 形式の IP アドレス
- ルーティングルール: 地理的近接性
- リージョン 1
- エンドポイントのロケーションタイプ: カスタム
- 緯度: 35.6762
- 経度: 139.6503
- バイアス: 0
- エンドポイント: 東京リージョンの EC2 インスタンスのパブリック IPv4 アドレス
- リージョン 2
- エンドポイントのロケーションタイプ: カスタム
- 緯度: 39.0438
- 経度: -77.4874
- バイアス: 0
- エンドポイント: バージニア北部リージョンの EC2 インスタンスのパブリック IPv4 アドレス





ポリシーの作成後、ポリシーをホストゾーンに関連付けます。

ステータスが Applied になったことを確認します。

ホストゾーンにもレコードが追加されていることを確認します。

05. 地理的近接性ルーティングの動作確認
https://www.whatsmydns.net/ にアクセスして手順 04 で作成されたレコード名にアクセスします。


以下のような結果になっていることを確認します。
- 東京に近い場所からのアクセス: 東京リージョンにルーティング
- バージニア北部に近い場所からのアクセス: バージニア北部リージョンにルーティング
06. 両ルーティングポリシーの結果の違い
例えば、トルコからのアクセスでは各ルーティングで結果が異なっていました。
- 位置情報ルーティング: 東京リージョンにルーティング
- アジアからのアクセスとしてルーティングされている
- 地理的近接性ルーティング: バージニア北部リージョンにルーティング
- 物理的な距離をもとにルーティングされている
以上より、位置情報ルーティングは国レベルなどをもとにルーティング、地理的近接性ルーティングは物理的な距離をもとにルーティングしていることがわかりました。
まとめ
今回は Route 53 の地理的近接性ルーティングについて紹介しました。
どなたかの参考になれば幸いです。
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