AWS CLF, SAA, SOA, DVA 4 冠までの道のり
先日 DVA に合格したことで、今年の目標であった 4 冠を達成することができました。
そこで、今回は振り返りとして、4 冠までの勉強法などをまとめてみました。
※受験規約により、出題された問題の詳細は記載できませんので、ご注意ください。
概要
- AWS 使用歴: 約 2 年 (業務 + プライベート)
- 4 冠までの期間: 約 1 年
- 受験順: CLF → SAA → SOA → DVA
- 2020.10.2 CLF: 869点
- 2021.2.22 SAA: 802点
- 2021.6.28 SOA: 872点
- 2021.9.17 DVA: 937点
- 受験方法: ピアソンVUEオンライン試験で自宅受験
- OS: Windows10
基本的な勉強方法
- 公式の無料デジタルコースを視聴
- Udemy の問題集を解く
- 不明点などをドキュメントや Black Belt で勉強
- ハンズオン
- サンプル問題や模試で仕上げ
1. 公式の無料デジタルコースを視聴
まずは試験の範囲や問題がどのような内容かを把握するために、公式の動画を視聴しました。
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SAA
Exam Readiness: AWS Certified Solutions Architect – Associate (Digital) (Japanese) (日本語実写版) -
SOA
Exam Readiness: AWS Certified SysOps Administrator - Associate (Japanese) -
DVA
Exam Readiness: AWS Certified Developer – Associate (Digital) (Japanese)
動画の中でもサンプル問題が出題されるので、最初に視聴することで、各試験の概要をつかむことができ、その後の勉強範囲もある程度分かりました。
無料で視聴できるので、最初の勉強資料としてはおすすめです。
もちろん各認定の紹介ページから、試験ガイドを確認しておくことも大切なので、どちらもチェックしておくと良いと思います。
2. Udemy の問題集を解く
試験の概要をつかんだら、Udemy の問題集を解きました。
問題はやや本試験より難易度が高めに設定されているそうなので、細かい部分を問う問題もありますが、基本的な問題も多いので、基本 ~ 中級までの範囲はおさえられると思います。
先述の公式の動画を視聴しただけでは合格ラインには届かず、最初の挑戦ではだいたい 50% 前後のスコアでした。
流れとしては、問題集を解き、不正解の問題や不明点を後述のドキュメントなどで確認ということを繰り返しました。
問題集は最低でも 3 周以上は繰り返し、最終的にはすべての問題でスコアが9割を超える状態まで仕上げました。
なお、まれに解答が誤っているケースもあったので正解、不正解にかかわらずドキュメントを確認することをお勧めします
3. 不明点などをドキュメントや Black Belt で勉強
先述の Udemy の問題集で、不正解だった問題や気になる部分について、より詳しい内容を知るために、以下の資料を活用しました。
主な活用方法として、より詳しく知りたいサービスについて、YouTube で Black Belt を視聴したり、問題集の解説がドキュメントに記載されているかの確認をしていました。
Black Belt の良いところとして、ボリュームのあるドキュメントから重要な部分をわかりやすく説明してくれている点があると思います。
最初にドキュメントを呼んでも、独自の用語などが多かったり、翻訳が曖昧で意味が分かりづらいところがあるので、Black Belt から入門するというのも 1 つの方法としていました。
また、各サービスのトップページから、よくある質問についても確認していました。
サービスの概要や用語、類似サービスとの比較などが説明されており、サービスの全体像をつかむにはよいと思います。
4. ハンズオン
DVA の勉強時には、触ったことのないサービスが多かったため、積極的にハンズオンも行いました。
ハンズオンでは以下の資料を活用しました。
- AWS Hands-on for Beginners
- 各サービスのチュートリアル
- 「ECS ハンズオン」などでヒットした公式のハンズオン資料
Hands-on for Beginners
まず、Hands-on for Beginners ですが、2021 年 9 月時点で、18 個のハンズオンがあります。
初歩的な AWS の利用開始方法から、サーバーやネットワーク構築、モニタリング、サーバーレス環境構築、オンプレミスとの連携など、内容は幅広いです。
私はハンズオンが楽しくなってしまい、18 個すべてのハンズオンを実施しました。
既に知っている内容もありましたが、触ったことのあるサービスでも実は知らない機能があったり、難しそうに見える構成でも以外と簡単に構築できたりと、発見も多く、非常に勉強になりました。
ハンズオンの強みとして、やはり手を動かして覚えられるということがあると思います。
実際にコンソールを見ながら作業したり、CLI で作業したりするので、DVA で問われる設定項目などを体験しながら覚えることができます。認定のための勉強以外でもとてもよい資料だと思います。
各サービスのチュートリアル
各サービスのドキュメントに記載されているチュートリアルも行いました。
特に、DVA の出題範囲である以下のサービスの基本的なチュートリアルを行いました。
- ECS
- Kinesis
- Step Functions
- Elastic Beanstalk
- DynamoDB
- CodeBuild
- CodeDeploy
- CodePipeline
- CodeStar
- X-ray
簡単なチュートリアルだったので、1 つ 10 分 ~ 30 分程度でできたと思います。
このチュートリアルで、各サービスにどういう設定項目があったり、どういう順番で設定するのかなどを学べました
ドキュメント以外の公式ハンズオン資料
ドキュメント以外にも、公式が公開している資料がいくつかあったので、そちらもやってみました。
- AWS CI/CD for Amazon ECSハンズオン
- Amazon ECSマイクロサービスCI/CDハンズオン
- ecs-for-aws-summit-online.workshop.aws
- ECS WEB APPLICATION ハンズオン
コンテナ初心者だったため、主に ECS について積極的に学びました。
また、DynamoDB についてはほとんど触ったことがなかったため、以下のページからハンズオンを行いました。
「サービス名 ハンズオン」、「サービス名 チュートリアル」などで検索すれば色々と出てくるので、興味があるものをやっていくと良いと思います。
注意点として、資料が古いものが多いので、バージョンの差異などによるエラーは発生します。とはいえ、エラーの解決も試験勉強になりますし、たいていはネットに情報があるので、つまづきながらやっていくのもよい勉強になりました。
一応私がハマった内容は以下にまとめてありますので、参考までにリンクを貼っておきます。
5. サンプル問題や模試で仕上げ
最後に公式のサンプル問題や模試で仕上げを行いました。
サンプル問題は各認定紹介ページから閲覧可能です。
試験の問題範囲などをつかむために最初にサンプル問題や模試をやるという方もいると思いますが、私はサンプル問題も模試も最後にやります。
試験範囲などはデジタルトレーニングの動画や試験ガイドで分かりますし、本番に近い問題は最後の仕上げ + 本試験に臨んでも大丈夫かの確認としたいからです。
本試験に臨んでも大丈夫かのラインとしては、模試で合格ラインを上回っているかどうかを基準としています。
これまでの 4 つでは大体 80% 前後だったので、模試の結果を見て、本試験に臨みました。
例外として、CLF の時は模試無料クーポンがなかったので、模試なしで臨みました。
模試について
サンプル問題は無料で閲覧できますが、模試は通常 2,000 円かかります。
ただし、以前に合格した認定のクーポンがあれば 1 回分は無料で受験できます。
なので、CLF 以外では各認定合格時にクーポンを使用して無料で受験しました。
模試の注意点として、以下のことがあります。
- 問題の正解、不正解が不明
サンプル問題では正解、不正解がわかりますが、模試では正解、不正解がわかりません。 - 問題や正解、不正解に関する解説がない
サンプル問題では解説がありますが、模試ではありません。
模試で返ってくるのは、総合スコアとトピックレベルスコアのみです。
私の場合、総合スコアで本試験に臨むかどうかを判断しますが、スコアが低かったトピックについては、本試験までに重点的に勉強します。
これであとは本試験に臨むだけとなります。
試験当日
当日は毎回自宅受験なので、以下のことを行います。
- PC 周りの環境整備
PC デスクには、PC 本体、モニター (音声出力あり)、キーボード、マウス、マイク付きカメラのみとし、その他のものは別の部屋など手の届かないところに退避 - ネットワークやカメラなどの再確認
試験申し込み時、試験前日にも行っていますが、当日チェックイン前、チェックイン時 (強制) にも行います。
試験の注意事項にも記載されていますが、ネットワークに関しては有線 LAN が推奨されています。僕の場合は普段から有線なのでそのまま使用しています。 - 余計なアプリケーションなどを終了
試験では専用アプリ以外の起動は認められないため、バックグランドで起動している余計なアプリ (Slack、プリンター系など) を終了させます。
ネットで検索すると、Windows の Hyper-v が悪さをしたとか、色々と出てくるので、チェックしておくと良いと思います。 - 一時的に Wiondws のファイアウォールとネットワーク保護をすべて OFF にする
初めての認定である CLF を受験した際、試験官に「カメラの映像が届いていません」と言われ、Windows のファイアウォールとネットワーク保護を OFF にしたら OK だったので、毎回試験の時だけ一時的に OFF にしています。
以下の手順で上記の画面にたどり着きます。
「Windwos アイコン」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「Widows セキュリティ」→「Windows セキュリティを開く」→「ファイアウォールとネットワーク保護」
- スマホの準備
チェックインすると、身分証明書や写真の撮影とアップロードが必要なので、毎回スマホで行っています。手順は画面に表示されるので、指示通りに進めれば問題ありません。
試験について
受験規約により、問題の詳細については触れられませんが、どのように問題を解いているかだけ記載します。
- 1 週目 まず全問題を解く
分かる問題は素直に回答し、分からない問題はとりあえず適当に回答します。 - 2 周目 見直し + 分からない問題について考える
分かる問題の回答ミスがないかのチェックをし、分からない問題は消去法などで回答を絞って再度選択します。 - 3 周目 見直し + 問題文を再度しっかり読む
回答の見直しをしつつ、実は問題文に落とし穴がないかも再度チェックします。 - 4 週目 見直し
最後の見直しです。
時間的には毎回かなりの余裕があるため、見直しは入念に行うようにしています。
そして、「もう大丈夫」と思ったら、試験終了のボタンを押します。
各認定取得後の感想
CLF
初めての認定挑戦だったため、緊張もあり、本試験が難しく感じました。勉強法も確立していなかったので、正直落ちたかと思いましたが、869 点で合格しました。基本の認定だからといって、舐めてかかると落ちるレベルだと思っています。
セキュリティや冗長化などの AWS の基本的な考え方、代表的なサービス、良く組み合わせられるサービスなど、基本を押さえつつある程度幅広く勉強する必要があると思います。
SAA
CLF で土台ができたので、AWS の基本的な考え方は把握できていましたが、各サービスや機能をどう組み合わせるのがベストなのか、もう一歩踏み込んだ内容を勉強する必要があると思います。例えば、「EC2 は仮想サーバーを構築できるサービスである」というレベルから、「Web サーバーを急激な負荷に耐えられるようにするにはどう構成するのがよいか」というかんじかなと思います。
CLF よりもより広く深い知識が必要になってくるので、必要に応じてハンズオンなどを混ぜていくと良いと思います。
SOA
巷では「SAA 受かってれば楽勝」なんて記事も見かけますが、私はそうは思えませんでした。4つの中で SOA の本試験は一番難しく感じました。確かに SAA と被る部分もあると思いますが、SOA ではモニタリングなどに関してより深い部分を求められていると思います。サービスレベルではなく、サービスの機能レベルといったところでしょうか。
なので、試験ガイドから出題されるサービスや機能を把握し、それらに関してはSAAよりも 1 歩踏み込んで勉強する必要があったと思います。
DVA
受ける順番も影響していると思いますが、本試験の難易度は、一番簡単に感じました。おそらくハンズオンをやりまっくた結果、そう感じることができたのだと思います。初見なら間違いないく撃沈です。SAA でも SOA でもあまり問われない ECS や DynamoDB などの詳細な設定についての知識が必要だと思います。DVA に関しては、ハンズオンを中心に勉強しましたが、CLF の時からでもハンズオンをやっておいてもよかったと思っています。
DVA は勉強を始めるまで、一番自信のない分野でしたが、ハンズオンなどでサービス間連携や設定の詳細についてわかってくると面白い分野であることも分かりました。
まとめ
長くなりましたが、約 1 年で 4 冠を達成した記録を残してみました。
振り返ると、「AWS は知れば知るほど楽しい!」というかんじの 1 年でした。
AWS について、体系的に学ぶには認定を目指すのが 1 つのよい方法だとかんじていますし、実際に認定の勉強で得た知識を実務にフィードバックすることも多くありました。
勉強方法にかんしては人それぞれなので、紹介した資料などはうまく活用して頂ければ幸いです。ちなみに一番のおすすめは、
AWS Hands-on for Beginners
です。
このハンズオンをコンプリートすれば、かなりの範囲を抑えることができ、とてもよい勉強と経験になると思っています。
ぜひトライしてみてください!
今回の記録が一部でもどなたかの参考になれば幸いです。
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