仮想端末ソフト「byobu」で快適なCLI開発環境構築
はじめに
Claude CodeやGemini CLI等のコマンドラインインターフェース(CLI)ベースのAIコーディングツールの登場で、CLIでの開発を支援するツールが再度フィーチャーされています。その中でも代表的なものの1つが仮想端末ソフト(正確には、仮想端末多重化ソフトウェア)です。
仮想端末ソフトの解決する問題としては、以下のようなものが挙げられます。
- CLIベースのソフト(Claude Code, Gemini CLI, AIの学習プログラム等)に長時間かかる作業をさせていたのに、うっかりターミナルを閉じてしまった
- 複数のプロジェクトを同時に進めていて、ウィンドウが散らかってしまう
- リモートでSSH接続先でプログラムを走らせっぱなしにしたい
仮想端末ソフトを使えば、複数のウィンドウを切り替えたり、セッションの復帰をすることができるので、このような問題からもおさらばです。仮想端末ソフトはtmuxが有名ですが、デフォルトの状態だと少しとっつきづらい点もあるので、仮想端末ソフトの入門者向けに便利に手軽に使える「byobu」というソフトウェアを紹介したいと思います。
byobuの使い方
byobuは、tmuxのラッパーとして動作する仮想端末ソフトです。なので、基本的な仕組みはtmuxと同様です。macOS、Ubuntu、WSL2 (Windows)、Raspberry Pi OSなど様々な環境で動作します。
インストール方法
MacはHomebrewを使って以下コマンドで簡単にインストールできます
$ brew install byobu
Linux/WSL2の場合は、以下コマンドでインストールできます。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install byobu
基本的な使い方
byobuを起動するには、ターミナルで以下のコマンドを実行します:
$ byobu
tmuxから乗り換えるときの注意点
起動して以下みたいな画面が出たらtmuxがまだ動いていますので、tmux kill-server
を実行して終了しておいてください。
Byobu sessions...
1. tmux: 1: 1 windows (created Wed Jun 25 00:35:38 2025) (group 1)
2. tmux: 6: 5 windows (created Wed Jun 25 10:23:28 2025)
3. Create a new Byobu session (tmux)
4. Run a shell without Byobu (/bin/zsh)
Choose 1-4 [1]
主に使用するbyobuのキーバインド
byobuの操作は主にファンクションキーで行います:
キー | 機能 |
---|---|
F2 |
新しいウィンドウを作成 |
F3 |
前のウィンドウに移動 |
F4 |
次のウィンドウに移動 |
F6 |
セッションからデタッチ(接続を切る) |
F7 |
スクロールバックモード(画面をスクロールして履歴を見る) |
Ctrl + d or exit
|
ウィンドウを閉じる |
F9 |
設定メニュー |
tmuxと同じ操作にしたい人は、F9
の設定メニューのChange Escape Sequence
でエスケープキーをデフォルトのCtrl+a
からCtrl+t
に変えると良いです。
エスケープキーを変更することでCtrl+t
を押して離してからc
を押すことで新しいウィンドウを作成するといったtmux
と同じ操作をbyobuでも実現することができます。エスケープキーがデフォルトのCtrl+a
だと、ターミナルの先頭に戻る操作も効かなくなるので、エスケープキーを使わない人も、設定を変えておくことをオススメします。
セッションの復元
byobu含めた仮想端末ソフトの利点は、セッションを復元できることです。F6
でデタッチした後、再度接続するには以下実行するだけです。
$ byobu
これだけで、前回の作業環境がそのまま復元されます。デタッチせずに間違えてターミナルを落としてしまったとき、SSHの接続が切れてしまったときも、新しくターミナル立ち上げ or SSH接続してbyobu
を実行すると前回の作業環境を復元することができます。
なお、このようなバックグラウンドで走らせているプログラムの復帰に関しては、他にも手段あります。他の手法も気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
仮想端末ソフトのbyobuを紹介しました。深くカスタムを追求したいなら、tmuxがおすすめですが、手軽に仮想端末ソフトに入門したいという人は、操作も分かりやすいbyobuが良いのではないかと思います。
仮想端末ソフトは奥深いツールではありますが、最低限この記事の操作方法をしっておくだけでも、便利に使えるのではないかと思います。Claude CodeやGemini CLIが話題の今、是非仮想端末を使いこなして開発の効率化を目指してみてください。
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