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[入社エントリ]新卒で松尾研究所に来て早1か月が経ったので振り返ります

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はじめに

25新卒で株式会社松尾研究所に入社いたしました.尾崎といいます.松尾研究所ではデータサイエンティストをやっています.世間では入社エントリなるものを書くとの教えを賜り,本稿では新卒で松尾研究所に入った経緯や今後について書いてみようと思います.

1. 自己紹介


内部の人にも調子こいていると噂のアイコンと大体のSNSで使っているアイコン

  • 名前:尾崎大晟
  • 出身地:愛媛県愛南町
  • 出身大学:大阪公立大学
  • 専攻:大学では機械系,ただし主にLLMについて知見や研究が寄っています.
  • 所属:株式会社松尾研究所 (同時に大阪公立大学の博士課程に進学しています.)

Xのアカウントはこちらです.
https://x.com/Symonds_DeL

経歴は以下のようになっています.

期間 所属
2014年~2017年 地元の高校
2018年~ 個人事業主
2019年~2023年 旧大阪府立大学(学士)
2023年~2025年 大阪公立大学(修士)
2025年~ 株式会社松尾研究所
2025年~ 大阪公立大学(博士)

高校時代以前

さほど勉強ができるような人間ではなく,漠然と大学を意識していましたがあまり人生の選択に納得できず,結局受かった地方国立にもいかずフラフラしてました.

浪人時代

個人事業主をしていたときに宇都宮聖子先生[1]の高校生向けの量子力学の講演のイベントバイトをしたときに,高校範囲を超えた内容をフンフン聞いてる高校生を見て,嫉妬心で大学行きました.
ゼロから勉強し,一日18時間勉強して倒れて運ばれるなどありました[2]が,なんとか旧大阪府立大学に中期日程で拾ってもらいました.

大学時代

個人事業主時代から続けていたFX,大好きなサッカーに関する活動,大学の勉強,バイトなどなど,今振り返ると結構充実した時間でしたかね.思い描いていた学問的専門性は手に入れられませんでしたが...

GPT-3との出会い

私がB4で研究室[3]に配属されるタイミング(2022年)にGPT-3,後にChatGPTの元になる言語モデルと出会います.
「これは今後どの分野にいてもこれ使うことになるな」と確信して,機械工学とLLMの接点を見つけようとしましたが,AI,もといCSの知識がなかった私には何もできなかったため,まずはLLMに詳しくなるのを目的にNLPの分野を研究し始めました.
今でもそうですが,それを許してくれた研究室の教授には大変感謝です涙

そして修士期から一気に尾崎の人生は変わっていきます.

2. 入社までの道のり

就活振り返り

インターンに知識の獲得を求めていろいろ行っていたので間接的に就活は結構やったことになります.もともとが学問的なオリジンから大学来てますので博士には絶対行きたいと思っていました.同時に社会人として社会実装に近い位置にいたい思いもあった(あと収入面)ので,社会人ドクターの実績がある大手のIT系企業の研究職の長期インターンに行ってました.修士のときはほぼ1年中どこかのインターンにいっていましたね.

最終的には数社に研究職やデータサイエンティスト職で内定しました.大手からベンチャーまで幅広く内定をいただきましたが,最後は大手メーカーの言語処理部門の研究職に決めました.

松尾研究所・松尾岩澤研究室との出会いと接近

最初の出会いはGCIです.GCIはpythonから始めて機械学習の基礎を学べるデータサイエンスの登竜門的な講座です.2023年の前期に受けました.
https://gci2.t.u-tokyo.ac.jp/
ありがたいことに優秀生に選んでいただき,一気に知り合いが増え,研究意欲が高まっていったのを覚えています.

その後も色々な講義を受けていきました.その中でもLLM講座は過去二回参加し,とても勉強になりました.
https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/llm_contents/

この講座をきっかけにGENIACに参加することになります.GENIACは経産省が運営する国産LLM開発プロジェクトでして,2024年から1期が始まり,現在3期の募集が行われています(2025年4月現在).いくつかの民間企業が毎度採択を受け,GPU提供を初め,様々な支援を通して国産生成AI開発を加速するスーパーなプロジェクトです.東京大学松尾・岩澤研究室は1期に採択を受けていました.
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/geniac/index.html
開発スタイルはコンペ形式.LLM講座修了者を中心として集まった有志らを7チームに分け,独自にLLMを開発し性能を競うというものでした.
https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/geniac_llm/
尾崎はなんとびっくり,"天元突破"[4]というチームののリーダーに指名され,まだ修士も終了していないのに本職のエンジニアたちと10B級のモデル開発に取り組みました.当時興味があったハルシネーションの低減を目指してがむしゃらにリーダーとしてチーム運営・開発を進めていましたが,やはり至らぬところばかりでチームメンバーの皆さんには本当にお世話になってばかりでした(今でも学会で会うとまずお礼からです).ただ団結の甲斐あって,チームは3位に.ハルシネーションに関するベンチマークでは10倍~20倍のサイズ差があるとされるgpt-3.5-turboに匹敵するモデルが完成しました.
https://www.youtube.com/watch?v=XtOnicQtQRg
その際のインタビューがテレ東bizさんのYotubeにあります.当時の僕では考えられないメンバーと並んだサムネはTwitterで叩かれないか不安でした()

松尾研究所のインターンへ

修士2年の夏にGENIACを終え,残すは修論のみというところでしたが,今までここで優秀な方々と濃密な時間を過ごしてきたので,なんだか虚無感があったのを覚えています.優秀な人に混ざりたい,自分もそうなりたいと思い,当時応募できた松尾研究所のインターンであるLLMエージェントに関するプロジェクトに関わることにしました.

そこで現在の松尾研究所のデータサイエンティストチームのリーダーを務める清水さんに出会います.
(こちらでインタビューに応えています)

これが後の大きな決断の起点となる出会いでした.ただ研究するだけではなく,データサイエンティストとしてAIの社会実装を進めるお手本みたいな人で,たくさん勉強させてもらいました.同時にインターン生であるにも関わらず自主性を重んじて活動させて頂いて,実際に顧客との議論もさせてくださったことは責任感の醸成に繋がりました.自分が当初思い描いていた社会人ドクターの姿がここなら実践できると確信しました.

2024年12月に当時の内定を辞退.松尾研究所へ.

インターンを経て,松尾研究所で働くことで成長できることは確信していましたし,入社も悪くないと思ってはいたものの,設立5年目の会社なので、大事な新卒をここで過ごしていいのか.正直不安もありました.なので前述の通り,内定を頂いていた大手企業で研究をするつもりでした.

2024年の10月頃になって,内定式にも出ました.が,色々な会社を就活生の立場から見ても,やっぱり松尾研の人・環境がスペシャルなものであることに気付き始めます.清水さん以外にも長谷さんや大西さんといったスーパーな人たちと話をしていると,この環境がとても恋しくなりました.

「データサイエンティストとして,日々増え続ける"技術"を我が物にして,新技術を起こし,顧客の課題を解決する,そしてそれを楽しむ」を実践する松尾研究所の社員の皆さんはとても自分に輝いて見えて,
「どこ行ってもどうせ俺は成長するけど,ここでとびきり優秀な人達と過ごしたほうが大変とはいえ,他の数倍の速度で成長するし,最大打点も上がる」
と思って,松尾研究所に行くことを2024年の12月に決めました.一応25卒です()

それに加えて前述の清水さんや他の社員の皆さんが社会人ドクターに対してとてもポジティブだったことも背中を押してくれました.社会人ドクターをやりたいと言うとどんな人でも,「大変だよ」「辞めたら?」「無理だと思う」とネガティブでしたが,親含めても唯一ポジティブだった人達が松尾研の人達です.とても感謝しています.

(まぁこの人達普段から"大変"とか"無理難題"とか解きまくってるかなぁとは思いましたが笑)

3. 入社1ヶ月の体験

入社から1か月.あっという間とはこのことですね.

松尾研究所のデータサイエンティストチームに新卒が入るのはこれが初めてのことで,私を含めて5人います(逆にいうと5人もいる).全員インターン上がりで優秀なので,いつも勉強になっていますし,一人一人がクセあって面白いです()

現状はインターンから引き続き同じプロジェクトに関わっています.新しく4月からPJTのPMが変わりまして,驚くべきことに,私が就活時に受けていた他社のデータサイエンス系のベンチャー企業にて,面接を担当してくださっていた方が今では上司です.その方も4月に新しく松尾研究所にjoinした方です.尾崎が引き当てる人の巡り合わせは人智を超えています()

それ以外にもいろいろな業務に参加しています.早速AI・人工知能 EXPOにも行ってきました.

大体1月目って研修に勤しんでいると思うんですが,実践多めで楽しい日々です.が,インターンのときのように社員の方々が整理してくださった情報を飲んでいればいいわけではないので,裁量が大きくなり情報を整理し切れてない感覚です.修正中です...

あとは大阪と東京の行き来,大学の研究や,その他の活動と並行することに体を慣らしていっています.大変だとはわかっていましたが,やはり大変です.まずは慣れることに集中します.

4. 今後の目標

  • 短期目標:一人で1プロジェクトちゃんと面倒見れるレベルに到達する.
  • 長期目標:共同開発となれば顧客の課題をAIで解決し,基礎研究となればトップカンファレンスに通せる論文を書ける人材になる.

MVVCにも表れていますが,何より松尾研究所はムーンショットを求められます.今までもたくさんの困難とそれの突破を達成してきましたが,また一段と高い壁の前まで来ました.楽しんで,気合と根性と理知と真心で,ムーンショットキメます!

最後に


松尾研究所の中には多様で優秀な人がたくさんいます.データサイエンティストチームの皆さんもスーパーです.いい意味で私は松尾先生が松尾研に居ようと居まいと,ここに来たと思います. それくらいとても魅力的な環境で,この会社に新卒で入社したこと,英断だったと振り返っています.

ただこの道を正解にできるかどうかはこれからの自分次第.頑張り続けます!!!
長文失礼しました...

脚注
  1. 実はこのときに出会った宇都宮先生は当時は量子情報をご専門とされていましたが,今はなんとAmazonのTitanの開発を経由してOpenAIにいて,LLMに関連する研究を行っているとのこと.僕の人生を変えた人と今は同じ領域にいること,何かの巡り合わせを感じます. ↩︎

  2. とりあえず勉強全然真面目にしてこなかったので,まずは量だろってことで受験勉強に取り組み始めて必ず毎日18時間勉強する生活をしてました.当時マンスリーマンションに住みながら予備校に通っていましたが,朝6時から深夜1時まで食事休憩や風呂など身支度をする1時間を除いて18時間勉強しました.当時世に合った参考書は大体やりました.そしたら273日目に予備校に登校中に道端で倒れてたそうです.栄養失調でした. ↩︎

  3. 機械工学の研究室で振動工学や人体工学,小型車両の自動運転などをやる研究室でした.なのでLLMは一切関係ない研究室でした.従って東北大学のNLPグループの方々と共同研究という形で進めていました.偶然研究室の准教授がそこにパイプがあって,繋いでもらいNLPの世界に行きました. ↩︎

  4. 天元突破グレンラガンからとりました.OpenAIは過去に天元突破グレンラガンの思想を意識していることを匂わせているのと,私が個人的にガイナックスファンで小学生のときに見てたアニメなので,名付けました. ↩︎

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