Web系バックエンドエンジニアが次の転職活動でやりたいこと
先に結論:次の転職活動でやりたいこと
転職活動を振り返って、もし次があればこうしようと思っていること。
- 転職活動についてまとめるNotionページを用意する。
- 履歴書と職務経歴書を用意する。
- 転職のきっかけや次の会社選びの軸、キャリアイメージをまとめておく。
- Spir( https://www.spirinc.com/ )で共有用のカレンダーを作る。
- とにかくカジュアル面談を申し込む。
- 良さそうと思った企業の選考フローに乗る。
- 技術面接に通って次は最終面接というぐらいの頃に、現職の辞職タイミングを相談して決めておく。
- オファー面談の前に、自分の希望するオファー内容を考えておく。
筆者について
- アラフォー
- Web系バックエンドエンジニア18年目
- これまでに転職3回
- 現職には7年3ヶ月
- 採用面接する側になることもしばしばある
- 転職活動期間は、2023年11月下旬から2024年1月初旬までの約1ヶ月半
きっかけ
要約「代表の言ってることや会社のあり方と、自分のあり方とが決定的に合わなくなった」
まず「転職って何」?
「転職ってなんだ?」ということについて考えてみる。これまでに3回も転職しておきながら、一度もそんなこと考えたこともなかった。俺たちは雰囲気で転職している。
自分にとっては次の職探し
自分は今に居ながらにして「次」を探している構造上、その「今」が次にとっての鏡像になっているので、そこから離れなければならないのと同時に部分的に維持しなければならなくなる。
- 今変えたいポイントが変われそうかどうか
- 今維持したいポイントが維持できそうかどうか
これらは筆者にとって、具体的には以下だった。
- ビジョンやミッション、バリューが善性でありそれに共感でき、かつその企業で大切にされているか(変化)
- 専門性を深めていける環境にあるか(変化)
- お給料や働き方が維持できるか(維持)
主観的にはこれらのポイントを押さえながら「次」を探した。
企業にとっては採用
企業にとっては、複数人からなる有機的で複合的な「今」を維持しつつ、変化(前進)させるために採用を行う。要するに、変化と維持という点では応募者と同じ。それらについて比較対照して、応募者と企業側とでより良い利害関係が成り立てば、きっと採用に至るんだろう。
だから、企業側の採用担当者は以下について知りたがってる。
- 我々の採用計画に沿えそうか(変化に合わせられそうか)
- 我々の組織体を著しく損なうことにならなそうか(維持に寄与できそうか)
- 応募者の希望するポイントと我々のポイントとで利害関係がどの程度成り立ち得るのか
なるほどねー、そういうことかと自己納得して次に進む。
1手目:色々準備する
まとめページをNotionに作る
転職活動を続けていると、企業のWebサイトやカジュアル面談や面接の場で収集した情報をまとめておく場所が絶対に必要になる。たとえばある会社でカジュアル面談を受けたあとで一次面接を受けるとして、カジュアル面談のときの相手の名前が出てこないとちょっとだけ印象が悪い。あるいはもしかして別の会社のヴィジョンを挙げて、それに共感した話をしてしまうかもしれない。そういう凡ミスを防ぐためにも、情報を分類して一箇所に集約しておくべきだ。
(サンプル)まとめた内容
- きっかけ
- メモ
- 聞きたいこと
- 日程
- 相手の情報
- 自分の感想
- 人について
- 価値観について
- 事業について
- 組織について
- 技術スタックについて
- 待遇について
これらの情報をテーブルビューにして、「気になる」とか「ないかも」とか、「1000人規模」「100人規模」などとタグ付けして管理した。
履歴書と職務経歴書を用意する
企業によっては、一次面接に申し込むタイミングで早くも履歴書と職務経歴書を要求されることがあるので、さっさと用意しておいたほうが気持ち的にも安心だしスムーズ。
履歴書はkaityo256氏になるスクリプトが有用だった。
職務経歴書はフォーマットがまちまちで自由度が高く、時には作り直しを要求されることもある。ただしLAPRASやWanteldyのようなWebサイト経由でやりとりをする場合には不要であることもあるので、あまり肩肘張らずに簡単な内容のものを用意しよう。筆者はポートフォリオをあらかじめ用意していたので、ほとんどその内容をコピペして用意した。
もろもろの現状をまとめておく
具体的には転職のきっかけや次の会社選びの軸、キャリアイメージについてまとめておこう。これらは絶対に聞かれるし、カジュアル面談先を選ぶときや選考フローに乗るかどうか、オファーを比較検討する際の判断材料にもなる。きっかけや軸やキャリアイメージは転職活動の途中で変えたっていいので、自分自身を知るためにも気楽に書き出してみよう。筆者は先述のNotion上のまとめページに書いた。
(サンプル)もろもろのまとめの考え方
転職のきっかけ
何が合わなくなったのか。それを感じた具体的なエピソードは何か。
会社選びの軸
何を変えたいのか。何を維持したいのか。
キャリアイメージ
どういう仕事がしたいのか。それはなぜか。
共有用カレンダーを用意する
スケジュールの共有にはSpir( https://www.spirinc.com/ )がとても便利だった。これでだいたい2週間先までのカレンダーを用意しておけば、カジュアル面談の日程調整が相手にURLを送るだけで完結するし、かしこい採用担当者さんなら、その後の選考フローの都度ごとにカレンダーを確認してこちらのスケジュールを押さえてくれる。
2手目:カジュアル面談
- 「どういう採用計画なんですか」
- 「どんな組織なんですか」
- 「私と利害関係成り立ちそうですか」
これらについてとにかくたくさん知りたかったので、カジュアル面談をたくさん受けた。あんまり聞きまくるのはどうかとも思うけど、企業側も3つ目が知りたいだろうからお互いに失うものはあるまいということでどんどん突撃。聞くだけならタダ!
そんなわけで、カジュアル面談先の企業情報を集め始めた。
各種転職支援サイト雑感
LAPRAS
- スカウトの量:少なめ(9件/月)
- スカウトの質:高め
- ポートフォリオまでしっかり読んでメッセージを送ってくれる担当者が多い印象
- 興味通知として企業側からアプローチがかかるので、それに対する反応を返すことでも意思疎通ができる(マッチングアプリっぽい)
Wantedly
- スカウトの量:少なめ(5件/月)
- スカウトの質:高め
OpenWork
- スカウトの量:普通(12件/月)
- スカウトの質:低め
- システムエンジニアやEM、スクラムマスター職以外の求人も含まれていた
- 企業の口コミを見るには良いサイト
paiza
- スカウトの量:多い(50件/月)
- スカウトの質:低め
- 置換文字列そのままの定型文メールが頻繁に届く
- どの企業もカジュアル面談の日程調整連絡が遅い印象
- 電話番号を登録していると、paizaの転職コンサル部門から急に電話がかかってくるので驚いた
- 規約に書いてあるのかもしれない
まとめ
おそらく採用企業側にとってのWebサイトの使いやすさが、スカウトメッセージの質に如実に表れているように思う。もし次回また転職活動をすることがあったら、スカウトメッセージのやりとりをするのはLAPRASとWanteldyだけで良さそう。
転職エージェント
酔っていたときにメールを見てしまい、その場の勢いで返信、会話の機会が発生した。2名と話をさせてもらったが、こちらの要望に対するヒアリング力に欠けている印象だった。スキルセットとキャリアイメージから拾ったワード(マネジメントとか)の2点についてのみを手持ちの案件と照らし合わせて紹介してくるので、今後の動きに関してもあまり期待できず、さようならすることに。企業のWebサイトやスカウトを見ての自己判断では迷ってしまう場合や、自分の希望がわからない場合には良いのかもしれない。
リファラル
冒頭のポエム記事を Facebook 上でも共有してみた。現職の人も閲覧可能な場所だったのである程度のリスクも感じつつ、しかし逆に現職の同僚たちを信じているので正直なところを隠すのも変だなという気持ちになり踏み切る。数人の方からお声がけをいただいた。
人となりを知っている相手がいると話が早いので、リファラルでの転職活動もやはりおすすめ。
何を話すのか
基本的にお互いの自己紹介と相手企業の紹介があり、こちらからの質問タイムがある。あらかじめどういうことについて聞きたいのかをメモしておこう。
(サンプル)筆者の聞きたかった観点
太字はとくに聞きたい内容
- 相手がどういう温度感で採用活動をしているのか
- 正社員を探しているのか、手伝ってくれるならどんな形でもいいのか
- 副業先としての選択肢の有無が知りたかった
- 正社員を探しているのか、手伝ってくれるならどんな形でもいいのか
- ヴィジョン、ミッションがどういう社会課題につながっているのか
-
具体的に何がどうなることで解決できると考えているのか
- 自分がそれに共感できるかどうかが知りたかった
-
具体的に何がどうなることで解決できると考えているのか
- どういうバリューがあって、どう大切にされているのか
- 正社員と非正規雇用との割合
- 非正規雇用の人との間にはどうしても温度差が生まれがちなので
- 浸透させるための工夫は具体的に何があるのか
- 正社員と非正規雇用との割合
- 何がどうやって評価されるのか
- 過去の評価の実績を示せるかどうか
- 事業に成長可能性があるのか
- 過去にどの規模からどの程度成長して、これからどの規模の成長が見込めるのか
- 福利厚生
- フルリモート可かどうか
- 副業可かどうか
- 申請が必要な場合、どういう規定なのか
聞かれた内容
- どういう温度感で転職活動をしているのか
- なぜ転職を考えているのか
- これまでの経験
- 今後のキャリアイメージ
- 選考フローに進むかどうか
3手目:採用面接
もうここからは世の中に情報が溢れている部分なので、今更筆者から言える新しい情報はあまりなさそう。採用企業は、前述した以下の点についてこちらを評価する。
- 我々の採用計画に沿えそうか(変化に合わせられそうか)
- 我々の組織体を著しく損なうことにならなそうか(維持に寄与できそうか)
- 応募者の希望するポイントと我々のポイントとで利害関係がどの程度成り立ち得るのか
筆者はフルリモートを希望している関係からか、いずれの面接の場でも、これらに加えてビデオ通話やテキストでのコミュニケーション能力(適切な言葉選びや論理的な説明、傾聴の能力)や、リモートワーク環境の問題点や解決方法などが問われる場面が多かった。
一方的に見られるばかりなのはなんだか機会がもったいないので、負けじと自分からも相手企業を評価しよう。その際の評価ポイントは事前にまとめているものを使い、以下の点について相手を観察する。
- 面接相手の役職や部門(採用にかける本気度合い)
- アイスブレークの会話内容(価値観や倫理観)
- 質問の内容(論理的思考能力)
- 技術試験の内容(正確に伝えるためのドキュメント力)
- 面接官の態度や表情
- こちらからの質問に対する態度や表情
- etc
大抵の選考フローは、一次面接、技術試験、技術面接、最終面接という流れになっていて、一次ではビジョンやミッションへの共感、技術面接ではスキルのマッチ度合い、最終面接では実際に働くイメージや福利厚生のすり合わせなどが行われる。
4手目:オファー面談
ここに来るまでのあいだに、現職とのお別れのタイミングを決めておこう。オファーとは「あなたはいついつからこの金額でうちの会社の一員になってもらいます」というものなので、たとえざっくりとしたものでも「いついつ」がないと話にならない。
もしもオファーを複数いただけたなら、まとめておいた軸やキャリアイメージを基準にしたり人に相談したりして選んでみよう。
今回の転活の結果
スカウト
- 計76社
- カジュアル面談まで 6社
- 一次面接落ち 1社
- フルリモートがNGとのことで…
- 最終面接辞退 1社
リファラル
お声がけくださった皆さんありがとうございました……!
- 計5社
- カジュアル面談まで 3社
- 技術面接後に辞退 1社
- オファー 1社
もし次回転職活動をするならきっとまた冒頭の感じでやると思います。おしまい。
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