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【速報】Googleが本気出した。AI IDE『Antigravity』の注目機能とは?

に公開

本日 Google から公開された新しい生成 AI 搭載 IDE、 Google Antigravity を早速導入してみました。
当初は「実際に使ってみた感想」まで書こうかと思ったのですが、ガッツリ開発に使ってみないと本当の良し悪しは見えてこないため、今回はそこをスコープ外としました。
その代わり、この記事ではドキュメントや実際の画面から分かった Antigravity の主要機能 について詳しく紹介していきたいと思います。

Google Antigravity とは?

VSCode をフォークして開発された、生成 AI 搭載の IDE

使用するモデル

本 IDE では、以下の3つのモデルを利用することができます。

  • Gemini 3 Pro
  • Claude Sonnet 4.5
  • GPT-OSS 120B

なお、これらは基本的な推論モデルとしての選択肢であり、内部的には以下のようなモデルも利用されているようです。

  • Nano banana: 画像生成用
  • Gemini 2.5 Pro UI Checkpoint: ブラウザ操作用
  • Gemini 2.5 Flash: コンテキスト要約用
  • Gemini 2.5 Flash Lite: コードベース検索用

https://antigravity.google/docs/models

プラン体系

現在は Public Preview として個人プランのみが提供されており、誰でも 無料 で利用可能です。
今後はチームプランやエンタープライズプランの提供も予定しているそうです。

https://antigravity.google/pricing

導入・セットアップ

公式サイトからインストーラーをダウンロードして、後は基本的にデフォルト設定で進めていけばすぐにセットアップが完了しました。

https://antigravity.google/

特徴的なポイントとしては、AI 駆動開発、AI アシスト型開発、レビュー駆動開発といった、開発スタイルに応じて、AI エージェントの設定をできる点でした。

主な機能

ドキュメントに記載されていた機能について、ざっとまとめてみます。

2つの会話モード

Antigravity のチャットには、目的の粒度に合わせて使い分けられる2つのモードが用意されています。

  • Fast Mode

    • 直感的な指示でコードを書いてもらうモード、つまりバイブコーディング用モード
    • PoCとしてとりあえず動くものさえできればいいという場合にはこちら
  • Planning Mode

    • 仕様をしっかり固めてから実装に移るモード、つまり仕様駆動開発(SDD)用モード
    • しっかりと要件や仕様を固めてから実装を行う、本番プロダクトの開発をしたい場合はこちら

https://antigravity.google/docs/agent-modes-settings

従来ツールにも存在する機能

  • MCP サーバー (Model Context Protocol)
    • リモート・ローカル両方に対応
    • VSCode Extension を追加する感覚で簡単に MCP サーバーを追加でき、コマンドを叩いて設定を行う必要がない点が嬉しい
    • ただし、簡単に追加できるからといってあれやこれやと入れるとコンテキストウィンドウを圧迫することになるので、MCP サーバーの導入は計画的に…

https://antigravity.google/docs/mcp

  • アーティファクト (Artifacts)
    • 生成 AI が思考過程や成果物をユーザーに伝えるために生成するファイル群
    • 従来のツールでも、cc-sddTsumiki 等の仕様駆動開発ツールを利用すると、アーティファクトと同様の役割を示すファイルが生成されたが、プロジェクトディレクトリ下に生成されたため、.gitignore の設定が必要だった
    • アーティファクトの場合は ~/.antigravity/ 下に保存されるため、プロジェクトごとの .gitignore 設定が不要なのが地味に嬉しいポイント

https://antigravity.google/docs/artifacts

  • ナレッジアイテム (Knowledge Items)
    • ユーザーとのやり取りから重要な情報を自動的に分析・抽出して永続化する仕組み
    • 従来の CLAUDE.mdAGENTS.md のように手動でメンテナンスする必要がなく、会話するだけで「記憶」が育っていくのが大きな特徴
    • この自動抽出の精度次第では、コンテキスト圧縮発生時の「生成AIがバカになる」現象を防げる可能性があり期待大な機能。今後このナレッジアイテムによる効果がどの程度のものか確認していきたいと思います

https://antigravity.google/docs/knowledge

Antigravity 独自の機能

  • エージェントマネージャー (Agent Manager)
    • 複数のプロジェクトにまたがる生成 AI の作業を俯瞰・管理できるツール
    • GUI ベースで操作できるため、CLI に抵抗がある開発者歓喜の機能 (個人的には CLI 抵抗ないのでどっちでも OK、けど便利そう)
    • 先日まで tmux × Claude Code のような組み合わせで複数エージェントを並列稼働させるというやり方をよく見たし、個人的にもそれでやっているが、それが GUI 上でできてしまう
    • さらに、エージェントマネージャーには以下の機能も備わっている
      • プレイグラウンド
        • リポジトリを作るほどではないちょっとした作業を依頼できるスペース
        • ~/workspace というディレクトリを作成して Claude Code でメール生成や文章まとめと言った作業をさせていたが、同じようなことがこれでできる
      • 受信ボックス
        • 複数のエージェントからの承認依頼 (シェル実行やブラウザ検索など) を一元管理でき、画面を行き来せずにまとめて承認作業を行える。物凄く便利。

https://antigravity.google/docs/agent-manager

  • Chrome 拡張機能
    • 流石は Google 製 IDE、ネイティブでブラウザ連携に対応
    • 生成 AI にブラウザ操作を任せることができるとのことなので、もし Chrome DevTools MCP と同じような使い方ができるのであれば、パフォーマンスチェックや E2E テスト、UI のセルフチェックといったことができそう

https://antigravity.google/docs/browser

最後に

ついに Google からも生成 AI 搭載 IDE が出たか、という感じですね。
Cursor や AWS の Kiro に続き、Google までもが VSCode Fork の AI IDE をリリースしてきました。今後、各社が独自の強みを持つ AI を搭載した IDE をリリースする流れはさらに加速していきそうです。
Claude Code 信者の自分としては、Anthropic からも同じように Claude 搭載型 IDE を開発してくれることを期待しています。

また、新しく出た生成 AI 搭載 IDE、どんなものかと見てみましたが、ナレッジアイテムやエージェントマネージャー、Chrome 拡張機能など、期待大な機能がいくつか見つかりました。Claude Pro プランの場合はガッツリ開発に利用するとあっさり制限に達してしまうため、複数エージェントを並列稼働させようとなると Max プランは必須となってしまうのですが、果たして Antigravity ではエージェントマネージャーを利用した並列稼働でどこまで耐えられるのか、というところが気になります。ここまでこられると正直 Claude Code から浮気してしまわないかと心配しています。

現在無料のツールなので、引き続き使ってみて使用感を確かめていきたいと思います!

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