📚

DevelopersIO 2025 Sapporo 参加レポート - AWS最新機能と生成AI活用事例

に公開

先日、札幌で開催された DevelopersIO 2025 Sapporo に参加してきました。
https://events.classmethod.jp/seminar/250926-developersio2025-sapporo/

本記事では、参加したセッションの内容や学び、気づきをまとめます。

参加目的

今回の参加目的は主に二つです。

  1. 業務に役立つ知識を身につけること
  2. 興味のある面白そうなトピックを聴いてみること

特に学びがあったセッション

今回参加したセッションの中でも、特に学びがあった以下のセッションについて、技術的なポイントや気づきをまとめていきます:

  1. AWS最新機能を駆使したマルチテナントSaaSアーキテクチャーを考えてみる
  2. Cursor物語
  3. 生成AIで「お客様の声」をストーリーに変える、新潮流「Generative ETL」
  4. AI秘書を作って「週4時間だけ働く」ことはできるのか?

AWS最新機能を駆使したマルチテナントSaaSアーキテクチャーを考えてみる

https://dev.classmethod.jp/articles/devio2025-sapporo-iwasa/

このセッションでは、最近のAWSサービスのアップデートでマルチテナント設計を考慮した機能について紹介されました。

最近のAWSのアップデート内容については、DevelopersIOやAWSの公式ブログで確認しているため、知っている内容もいくつかありました。しかし、本セッションで初めて知った内容や、新しい使い方のアイデアについてまとめてみます。

SES テナント分離機能

今年8/1に発表された機能のようです。
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/08/amazon-ses-tenant-isolation-automated-reputation-policies/

この機能を使用することで、以下のメトリクスがテナント単位で分離されます:

  • 送信メッセージ数
  • バウンス率
  • 苦情率

これにより、特定テナントのメール送信量が多くなった場合でも、他テナントのユーザーのメール送信に影響を与えることを防げます。

AppConfig マルチテナントフラグ

こちらは去年の7/23に発表された機能のようです。
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2024/07/aws-appconfig-feature-flag-targets-variants-splits/

この機能を使用することで、条件に応じてフィーチャーフラグを有効化/無効化できます。

例えば、AWSのように特定のリージョンにのみ機能を先行公開するといった使い方が可能です。

Cursor物語

https://dev.classmethod.jp/articles/cursor-developerio-sapporo-2025-kaji/

このセッションでは、AI支援統合開発環境 Cursorの概要とエンタープライズ対応、実践事例・Tipsについて紹介されました。

エンタープライズ対応の特徴

Cursorはエンタープライズ対応に力を入れており、以下の特徴があります:

  • プライバシーモード: データを保持したりトレーニングに使用したりしない
  • SOC2 TypeⅡ準拠: アメリカのセキュリティ監査基準に準拠
  • 低レイテンシー: Phoenix、Virginia、London、Tokyoの4ヶ所に拠点を設置

これらの特徴により、企業でもセキュリティの観点で安心して使用できるツールとなっています。

今後の活用予定

今までCopilot、Kiro、Claude Codeなどのツールは使用してきましたが、Cursorについては調べていませんでした。今回のセッションでCursorに興味を持つきっかけになりました。

Hobbyプランという2週間無料トライアルプランもあるので、実際に使用してどのような使用感か試してみようと思います。

生成AIで「お客様の声」をストーリーに変える、新潮流「Generative ETL」

https://dev.classmethod.jp/articles/20250929-devio2025_sapporo-generative_etl/

従来のETLとGenerative ETLの違い

従来のETLは、様々なデータソースから「抽出(Extract)」し、「変換(Transform)」して、データウェアハウスなどへ「格納(Load)」する一連のプロセスです。

Generative ETLでは、抽出・変換のプロセスに生成AIを活用することで、以下の処理が可能になります:

  • 情報の分類: 製品に関する意見、類似製品との比較的な意見など
  • 感情分析: ポジティブ/ネガティブな意見の判定
  • 構造化データへの変換: 非構造化データを構造的なデータに変換

データ活用の流れ

データの格納はQuickSightに対して行い、このサービスのData Story機能を使用して自然言語で生成AIに説明を求めるという構成になっています。

AI秘書を作って「週4時間だけ働く」ことはできるのか?

AI秘書システムの構成

このセッションでは、以下のようなAI秘書システムの構想が紹介されました:

  • リーダーポジションの生成AI: タスクの管理・指示を行う
  • 実作業担当者ポジションの生成AI: 実際の作業を実行する
  • トリガー: メールやSlackの通知をきっかけに自発的にタスクを実行
  • 人間の役割: 質問されたり承認を求められた時にのみアクションを起こす管理職ポジション

私の今までの生成AI活用との違い

今まで私が生成AIを活用していたのは、以下のようなソフトウェアライフサイクルに限ったものでした:

  • 不具合解析
  • コードレビュー
  • SDDでの開発依頼

しかし、それ以外の雑務にも普段の業務で時間を取られているため、本セッションの内容のように開発以外の業務についても生成AIに委任していけたらと思います。

まとめ

生成AIセッションの多さ

最近のAWSのイベントでも同様ですが、やはり生成AIに関するセッションが多かったです。このような場では、他の人たちが実際にどのように生成AIを活用しているのかという情報が得られるため、より業務効率化のアイデアが広がって良いと感じました。

今後の取り組み

今回の内容をもとに、少しずつでも生成AIの活用範囲を広げていき、効率化を進めていきたいと思います。

特に以下の点について取り組んでいきたいです:

  • Cursorの実際の使用感を試す
  • 開発以外の業務での生成AI活用を検討する

ちなみに、Cursor活用についてはまず実験的に本記事の添削に使用してみています。もっと使用してみて使用感についてまとめられる内容があれば、別途Cursorを使用してみた感想についても記事を書きたいと思います。

Discussion