統計検定準一級 学習教材まとめ
はじめに
はじめまして。地方でデータサイエンティストとして働いているミヤと申します。
先日、統計検定準一級の資格を取得しました。取得の理由としては、データ分析に携わる身として包括的な統計の知識は必要となるため資格取得に向けて学習しました。
この記事では、資格取得に向けて私が実施した内容についてまとめたいと思います。
バックグラウンド
地方国立理系大卒で、一般的な大卒理系の数学知識は持ち合わせていました。電気系の工学部で微積を学ぶ機会はあれど、学生時代に統計に触れたことは皆無でした。
完全に1から統計を学び始め、なんとか統計検定2級を取得しているという状態からのスタートになりました。
マンガでわかる統計学入門や完全独習 統計学入門のような基礎中の基礎から始めています。
勉強方法
私は学習速度が遅く、時間をかけて取得した方だと思います。おそらく400時間以上は学習に費やしました。
書籍、ブログ記事、Youtubeチャンネルなど、さまざまな媒体を使用して学習しましたので、中でも有用であった教材をまとめていきます。
書籍
統計学実践ワークブック
1.統計検定準一級対策として、この書籍はなくてはならないものになります。正直なところ、いかにこの書籍の内容をしっかりと理解できるかの勝負です。この本は演習問題が豊富かつ過去問の内容を踏襲した問題も組み込まれているため、過去問題集を解くよりこちらを何周も学習する方がよいと思われます。
ただし、CBTでは単にこの問題集を解けるようになるだけでは合格は厳しいです。なぜなら、実際の問題では過去問やワークブックの問題以外からも大いに出題されます。そのため、問題以外の理論的な内容についてもしっかり理解する必要があります。
既に数学の知識が豊富な方であれば問題ないかもしれませんが、私のような数学弱者にとって初見では到底理解できるものではありません。なので、理解を深めるために他教材を使用して知識の埋め合わせを行いましょう。
統計検定準一級 公式問題集
2.過去問題集です。実際の問題感覚を掴むために最低でも2周程度は解いておくとよいでしょう。まずはワークブックを1周したら問題集を解いて本番の感覚を養い、ワークブックに戻るといった勉強方法を実践するとよいと思われます。
ワークブックと公式問題集はマストで購入してボロボロになるまで学習する必要があります。
意味がわかる多変量解析
3.統計検定準一級には2級より範囲も広く、難しい領域の分野を取り扱います。なかでも多変量解析の分野は準一級から大きく拡張されており、ワークブックのみで学習するのは骨が折れます。この書籍では多変量解析の分野を初学者でもわかりやすく、丁寧に説明しています。私はこの分野において複数の書籍を参考にしましたが、準一級程度の理解にちょうどいいレベル感であるのはこの書籍だと思います。
ベイズ統計モデリングによるデータ分析入門
4.時系列、マルコフ連鎖などを学ぶ一冊としてはこの書籍をお勧めします。とにかく説明がわかりやすいのと、コードを実行して挙動を確認しつつ学習できるのは嬉しいですね。ただし、書籍内のサンプルコードは全てRで書かれているため、コーディングの知見がない方は、理論のみを追うだけでも十分学習できます。
基礎から学ぶ統計学
5.この書籍はとにかく図解による説明が豊富で直感的理解を助けてくれます。2級の範囲の復習にもなります。
分散分析などの少々学習負荷が高い領域も図解でわかりやすく説明しているのでお勧めです。
ブログ
統計検定準一級講座(とけたろう)
1.統計検定全般の学習コンテンツを作成されている、とけたろうさんのnoteです。別サイトのこちらのブログも有名ですので、両方チェックしましょう。ここで紹介しているnoteは有料のものになりますが、とてつもなくわかりやすいです。私のような体系的に学んでこなかった初学者に対し、しっかりと理論を理解できる状態まで運んでくれます。
私は一度試験を落ちたのですが、その後思い切ってこのブログ記事を購入し学習を進めることで理解がブーストされました。
学習にお金をかけたくない人にはお勧めできませんが、手っ取り早く資格勉強を進めたい人にとっては強力な武器になるでしょう。
ちなみに、とけたろうさんのXアカウントで短く準一級の内容をまとめたポストをされており、こちらも必見です。
あつまれ統計の森
2.統計全般の学習コンテンツをまとめられているブログです。ワークブックや過去問の解答例をまとめられており、公式解答ではいまいち理解できない行間を埋めて解説してくれています。主に問題を解く際の答え合わせに使わせていただいていました。
その他、統計学の基礎的な内容を紹介していたり、有名書籍の解答例もまとめられており、資格取得以外の学習目的として活用できます。
DataArts
3.こちらも、統計学の学習コンテンツをまとめられているブログです。「あつまれ統計の森」で解いていない範囲をこちらのブログでは解説されています。私は両方の解答例を確認しつつ、ワークブックや過去問の学習を進めていました。統計学の基礎内容を紹介する記事も豊富です。
Logics of Blue
4.書籍パートで紹介した、「ベイズ統計モデリング入門」の著者のブログです。統計学における有用な記事を作成されており、理論理解に役立ちます。
統計Web
5.統計検定準一級の受験をされる方は既にご存知と思われますが、一応紹介します。こちらは統計検定2級の内容をまとめたブログとなっており、準一級レベルの学習が苦しい人は、2級レベルを確実に理解できるようにこちらで復習しましょう。基礎理解はとても重要です。
Youtube
Yuya Kawaguchi
1.統計検定準一級の内容をまとめているYoutubeチャンネルです。ホワイトボードベースで説明をされており、ワークブックの解説や準一級の理論を独自の解釈を含め説明されています。丁寧すぎるくらい丁寧に計算を解説されているので、数学に自信がない方でも問題が解けるようになれるはずです。
一部のコンテンツはUdemyに移行されています。興味のある方は購入してみてはいかがでしょうか?
はじめての統計学
2.統計検定一級を見据えた学習コンテンツを作成されているYoutubeチャンネルです。内容は簡潔かつ明快にまとめられており、統計の基礎知識はもちろん、応用的な理論理解を助けます。
私は、主に確率母関数の領域を理解するために活用しました。
AIcia Solid Project
3.データサイエンス領域全般の解説動画を発信されているYoutubeチャンネルです。統計検定準一級レベルの統計学分野における解説動画を挙げられており、説明がわかりやすいです。私は特に主成分分析や因子分析のような多変量解析分野の理解を深める上で有用でした。
3Blue1BrownJapan
4.線形代数やAI領域の技術をアニメーションにより直感的に理解できるYoutubeチャンネルです。統計学の解説はありませんが、統計検定準一級の特に多変量解析の領域では線形代数の知識も必要になります。線形代数の知識がない方にとってはこの教材は大きな助けになります。
最後に
今回は統計検定準一級を学習する際に活用した教材について詳細させていただきました。
このような有用な教材を作成していただいた著者、管理者の方々には深く感謝申し上げます。
その他、活用した教材は多々ありましたが、上記のものを活用するだけで十分と思われます。
現在、AI領域の発展に伴い、統計領域に関してもさまざまな有用教材が作成されています。
統計検定準一級は、独学で学ぶにはハードルが高いですが、しっかりと目標立てて知識を埋めていけば必ず合格できます。
データサイエンス領域において、統計学はほとんどの領域に寄与します。統計的な理論をしっかりと理解していたら機械学習アルゴリズムの理解のハードルが下がりますし、メリットは多いです。
この記事が、統計検定準一級の学習に役立てていただけると幸いです。
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