ノーコードでAIエージェントが作成できる「Flowise」を試してみた
はじめに
OpenAI社がドラッグ&ドロップ操作で誰でも簡単にノーコードでAIエージェントを作成できる新ツール「Agent Builder」を発表し話題になっています。
そんな中、前から少し気になっていたAgent Builderと同じくノーコードでAIエージェントを作成できるFlowiseを触ってみました。
検証開始
準備
今回はこちらのリポジトリをクローンして手元の環境で検証します。
私はdockerを利用し環境を構築しました。
方法はREADMEに書いてある通りで
- Clone the Flowise project
- Go to
docker
folder at the root of the project - Copy
.env.example
file, paste it into the same location, and rename to.env
file docker compose up -d
- Open http://localhost:3000
- You can bring the containers down by
docker compose stop
たったこれだけです。
簡単ですね。
Flowiseの画面にアクセス
localhost:3000にアクセスして、アカウントを新規作成します。
以下のような画面が表示されます。
さぁ...どう使うのか全くわかりませんね
色々と試行錯誤した結果をお伝えしていきます。
Assistantsを追加
OpenAI Assistantを作成します。
適切な情報を入力します。
OpenAIのAPIキーが必要ですので準備して入力してください。
Chatflow
まずは簡単なチャットボットを作ってみます。
Add New
を押すと何もない画面が表示されます。
左の +
ボタンから色々と追加していくようです。
今回は先ほど設定したOpenAIのAssistantを利用する形にしました。
保存してからでないとチャット画面が動作しないので一度右上のボタンから作成したChatflowを保存してください。
これでとてもシンプルではありますがAIと対話できるチャットbotが完成しました。
Agentflow
次はいよいよAIエージェントを作成してみます。
ドラッグ&ドロップ操作で誰でも簡単にノーコードでAIエージェントを作成できるのが最大の特徴ですのでそれを実践していきます。
先ほどと同様にAdd New
を押すとStartだけの画面が表示されます。
自分で色々と組んでいくのも良いのですが、自動でエージェントフローを設定してくれる機能を使います。
左上の⭐️ボタンを押すと以下のような画面が表示されます。
エージェントフローを生成するためのプロンプトを入力してください。パフォーマンスはモデルによって異なる場合があります。生成されるのはノードとエッジのみで、各ノードの入力フィールドに入力する必要があります。
今回はそのままサンプルにあったプロンプトを入力してみました。
さてどういったものが出てくるでしょうか...
このワークフローが設定されました。
あとは各ノードの設定をしていきます。
各ノードをクリックすると詳細画面が見られます。
全て英語ですが難しい説明は一切なく丁寧に見ていくと理解できるかなと思います。
では実際にテストしてみます。
今回はみなさんもご存知である平家物語の祇園精舎の本文を入力して要約してみました。
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の祿山、これらは皆舊主先皇の政にもしたがはず、樂しみをきはめ、諌めをも思ひ入れず、天下の亂れん事を悟らずして、民間の愁ふるところを知らざつしかば、久しからずして、亡じにし者どもなり。
近く本朝をうかがふに、承平の將門、天慶の純友、康和の義親、平治の信賴、これらはおごれる心もたけき事も、皆とりどりにこそありしかども、まぢかくは六波羅の入道、前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人のありさま、傳へ承るこそ、心もことばも及ばれね。
その先祖を尋ぬれば桓武天皇第五の皇子、一品式部卿葛原親王九代の後胤、讃岐守正盛が孫、刑部卿忠盛朝臣の嫡男なり。かの親王の御子、高見王、無官無位にして失せ給ひぬ。その御子、高望王の時、初めて平の姓を賜はつて、上総介に成り給ひしより、たちまちに王氏を出でて人臣に列なる、その子鎮守府将軍良望、後には國香と改む。國香より正盛に至る六代は、諸国の受領たりしかども、殿上の仙籍をば未だ赦されず。
Human Approval / Revisionというノードが設定されているためLLMの回答に対して私がFBを与えることができます。
それを何度か繰り返して精度を高めていけるようです。
ヒューマンインザループと呼ばれているフローですね。
せっかくですので小学生でもわかる内容に要約し直してもらいます。
いいですねー
ちゃんとFBが反映されてひらがなが多めで簡単な文章の回答になっています。
これで完了です。
まとめ
日本ではあまり目にすることのないFlowiseというAIツールを検証してみました。
Flowiseの特徴
- ノーコードでの構築: ドラッグ&ドロップでワークフローを直感的に構築できる
- 柔軟なワークフロー設計: ChatflowとAgentflowの2つのモードで、シンプルなチャットボットから複雑なエージェントまで対応
- オープンソース: セルフホスティングが可能で、データ管理の自由度が高い
使ってみた感想
今回は基本的な機能のみを試しましたが、Flowiseには更に高度な機能が用意されています。例えば、複数のLLMの組み合わせ、外部APIとの連携、カスタムツールの作成などが可能です。
特に注目すべき機能として以下があります:
-
RAG(検索拡張生成)機能
- アップロードしたファイルからナレッジベースを構築し、より正確な回答が可能
-
マルチエージェントシステム
- 複数のエージェントを組み合わせた高度なワークフローの構築
-
豊富な統合
- 100以上のデータソース、ツール、ベクトルデータベースとの連携が可能
-
MCP(Model Context Protocol)統合
- 業界標準のMCPサーバーとの接続をサポート
ただし、公式ドキュメントは英語が中心で、日本語の情報が少ない点は注意が必要です。より複雑なワークフローを構築する際は、ドキュメントをしっかり読み込む時間が必要になってきます。
difyやn8nなど類似のツールと比較検討する際に、Flowiseも選択肢の一つとして、ぜひ検証してみてはいかがでしょうか?
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