「プロダクトマネジメント」を読みました
「ビルドトラップ」を知ることができただけでもこれを読んだ価値はあります。
ビルドトラップ
ビルドトラップとは、価値を提供することが目的ではなく、作ることが目的になってしまうことです。目的と手段が逆転しています。
ビルドトラップに嵌まると、機能をリリースすることが目的となってしまいます。その機能が顧客の問題を解決するかどうかに関係なく作り込んでしまいます。
本書にはビルドトラップに嵌まらないためにどう行動すればいいのか、価値を提供するにはどう行動すればいいのかが書かれています。
プロダクトマネジメントプロセス
一番熱いのは第IV部「プロダクトマネジメントプロセス」でした。
第IV部「プロダクトマネジメントプロセス」は以下の章で成り立っています。
- 15 章 プロダクトのカタ
- 16 章 方向性の理解と成功指標の設定
- 17 章 問題の探索
- 18 章 ソリューションの探索
- 19 章 ソリューションの構築と最適化
これこそ「Running Lean」の全体で説明されていたものです。価値を提供するためのプロセスは「リーンスタートアップ」や「Running Lean」で触れていたプロセスと同じです。つまり仮説と検証のループです。本書を読む前提として「リーンスタートアップ」や「Running Lean」の知識が必要なので、どちらかを読んでおくとよいと思います(「Running Lean」の後書きに私の名前も載っているので「Running Lean」をオススメしておきます :-) )
「リーンスタートアップ」や「Running Lean」のプロセスではあるんですが「MVP の意味は誤解されるけどそうじゃないよ、本当の問題を探索するフェーズで使うものだよ」といった説明はありがたいです(私も誤解してました)。 MVP は「問題の探索」で使われるツールです。
組織や人事評価も大切
価値を提供するためのプロセスの説明だけでなく、このプロセスを実現させるためには組織構造も見直さないといけないし人事評価も見直さないといけないよね、といったことも触れています。
「ビルドトラップ」の原因には「いかに多くの機能をリリースしたかによって人事評価される。だから需要が無いような機能であってもリリースする」といったものもあります。顧客に価値を提供しても給料が増えず、たくさん機能を作れば給料が増える、というのであれば、そりゃまあ機能を作りますよね。そうではなくて顧客に価値を提供したことをちゃんと人事評価しましょう、という話題もあります。
参考書籍
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