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【生成AI】研修を受けてから業務で生成AIを使ってみた

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はじめに

これまで生成AIは、文章のレビュー修正や校正といった用途で惰性で適当に利用していました。先月、生成AI研修を受講し、ちょうどそのタイミングで調査報告書の作成やアンケート集計、CPU使用率の集計など、生成AIが活用できそうな業務が重なっていたため、実際に業務でも試してみることにしました。今回は、研修で学んだ内容とその感想、実際の業務での活用した事例について紹介します。

研修の内容と感想

1. 生成AIの歴史と動向

学習内容
生成AIの誕生から現在に至るまでの歴史や、近年注目されているLLM(大規模言語モデル)の技術的な進化について学びました。各モデルの特徴や、用途に応じた選択の重要性なども取り上げられました。

感想
座学中心の内容でしたが、思っていた以上に多様なモデルがあり、体系的に学べて面白かったです。パラメータ数が多い方が優れているという単純な話ではなく、特定分野に特化した小規模モデルもあり、処理速度を重視するケースもあることを知りました。

2. 生成AIの種類と操作方法

学習内容
文書生成AI、画像生成AI、動画生成AI、音声生成AI、アバター生成AIなど、各種生成AIの操作画面を見ながら、利用方法やプロンプトの入力方法について学びました。

感想
実際にプロンプトを入力して、全て生成AIで音声付きの動画を作成しているのを見て、自分の作りたいコンテンツを省コストで実現できる可能性を感じました。YouTubeショートなどのコンテンツ制作にも応用できそうだと感じました。

3. 業務での活用方法

学習内容
労務、営業、SEなど職種別に、主に文書生成AIを使って業務を効率化する方法を学びました。プロンプト設計のポイントや、業務に合わせた活用例が紹介されました。

感想
労務や経理などの業務にはあまり馴染みがなく、参考程度でしたが、プロンプトの書き方によって回答の精度が変わる点は非常に参考になりました。

4. CopilotとOffice製品の連携

学習内容
Microsoft製のCopilotとOffice製品(Excel、PowerPointなど)を組み合わせて、資料作成やマクロ作成を効率化する方法を学びました。実際の操作画面を通じて、生成AIによる自動化の流れを体験しました。

感想
画像、音声、プレゼン資料などがすべて生成AIで作成されている点が印象的でした。一部、同じ内容の繰り返しや不自然な挙動も見られたため、人による修正は必要だと感じました。勤務先ではCopilotとM365を利用しているため、非常に実践的な内容でした。

業務での活用事例

研修期間中の業務の中で納期が非常に短いものがあり、時間短縮のために研修内容を参考に生成AIを使ってみました。

利用目的(一部)

  1. 複数のメンバーから受領した報告書内の文章の校正
  2. Power BIとExcelのどちらを利用するかの方針決定
  3. Excel関数・VDAマクロの作成

意識したポイント

  • 「あなたは優秀なSEです。」など、役割や立場を明示するプロンプトを使用しました。
  • 箇条書きやマークダウン形式で条件や希望する回答を提示するようにしました。

使用したプロンプト例

① 報告書の文章校正

あなたは優秀な書記です。下記の文章を公用文および公的文書として公開できるよう、「# 原文」の校正をしてください。
ただし、下記の「# 条件」を満たすこととする。

# 条件
・敬体ではなく、常体を使用すること。
・〇字程度とすること。
・修正点が分かるように回答すること。
・「現行基盤」の記載は「現基盤」に修正すること。
# 原文
(校正したい文章)

② Power BIとExcelの方針決定

あなたは優秀なSEです。下記の「# 条件」の時、Power BIとExcelどちらを利用する方が効率的で良いか?

# 条件
- データの量や種類:200~300個のExcelファイル、1ファイル当たり4シート(非表示シート含む)、1シートA1~A80程度のデータ量
- 目的:アンケート回答(Excelファイル)の集計
- 利用者のスキルレベル:Power BIは未経験、Excelは利用経験有(マクロは作成不可)
- 共有方法:Excelファイルで提出、またはPDFで提出
- 更新頻度:集計は1回のみ。新しいExcelファイルが追加された場合は再集計

③ Excel関数・VDAマクロの作成

あなたはExcelマスターです。Excelで、下記のようにデータが入っている。
B列:「〇〇システム」といったシステム名  
C列:「〇〇課」といった部署名  
K列:「1,0,3,4,5」といった数値  
J列:「31」といった数値  

この時、下記の条件を満たす表を作成してください。

# 条件
1. K列の配列に1または2または3が含まれる行のみを取り出すこと。
2. K列に1が含まれる場合は「A」、2が含まれる場合は「B」、3が含まれる場合は「C」が対応する。
3.以下の「# 例」のように表を作成すること。
4. 関数・マクロなどの種類は問わないが、完成した表を出力するのではなく、コードや関数の詳細を解として提示すること。

#
❘ システム名 ❘ 所属課 ❘ 利用環境 ❘ 利用者数 ❘  
❘ 〇〇システム ❘ ××課 ❘ A、C ❘ 45 ❘  
❘ △△システム ❘ □□課 ❘ B、C ❘ 21 ❘

使ってみた感想

研修受講後に実際に生成AIを業務で活用してみたところ、実感としてはかなり効果がありました。プロンプトを事前に作りこんでおけば、ある程度ほしい回答がすぐに得られました。

報告書の文章校正では、複数のメンバーから集約した文章を「# 原文」として貼り付けるだけで、体裁が整った文章に仕上がったため、地味にとても助かりました。ただし、コピペ作業が多くなるため、もう少し効率的な方法があったんじゃないかとも感じました。
時間節約度:★★
満足度:★★

Power BIとExcelの方針決定では、どちらのツールを選ぶべきか判断に迷っていましたが、生成AIが条件に基づいて根拠ある提案をしてくれたことで、作業コストの削減につながりました。特に、初心者でも判断材料を得られる点が非常に有用でした。
時間節約度:★★★★★
満足度:★★★

Excel関数・VDAマクロの作成では、これまでマクロを作ったことがなかったですが、数十分程度で必要な表やグラフを作成することができました。その結果、余った時間を他の作業に充てることができ、業務全体の効率が向上しました。
時間節約度:★★★★★
満足度:★★★★

まとめ

生成AI研修を通じて、文章生成だけでなく、業務効率化や意思決定支援など、幅広い活用方法があることを実感しました。今後も、プロンプトの工夫やツールの選定を通じて、より効果的に生成AIを業務に取り入れていきたいと考えています。

ここまで生成AIに書いてもらいましたが、生成AIが作った感のある文章になった気がします(表現に違和感のあるものは一部修正しました。)。文章や作品からにじみ出る「その人らしさ」といったものを出すには、人の手が必要なんだな、ということも感じました。

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