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React で `<T>(v: T) => v` と書くとエラーになる理由

2021/04/20に公開

はじめに

Dwango でニコニコ生放送のフロント開発を担当している misuken です。

React で開発中、すごく単純な Generics を持つ関数を書いたらエラーになってビルドが通らないといった経験をしたことはないでしょうか?

それも、常に通らないのではなくて、通るときもある。。。というような不思議な現象。

今回は最初に遭遇したときは確実に戸惑うこの現象について解説します。

エラーになる例

例えば、これくらい単純なコードでもエラーになります。
構文的には間違ってなさそうなんですけどね。

const F1 = <T>(v: T) => v;

playground で確認する

エラーにならない例

次にエラーにならない例を紹介します。(といってもコードは変わってないんですが)

const F1 = <T>(v: T) => v;

playground で確認する

二つの例の違い

エラーになる例と、エラーにならない例の違いは、構文を JSX として認識するかどうかの違いです。
playground の設定で言うところの以下。

エラーになる時

エラーにならない時

tsx と ts の違いに注意

つまり問題のコードは tsx なら <T> の部分が JSX と認識されるので、その後の記述が不適切なため構文エラーになりますが、 ts なら JSX とは認識されないので構文エラーになりません。

対処法

原因はわからなくとも、エラーを無くすために以下のように書き換えている方もいるのではないでしょうか。

const F1 = <T extends any>(v: T) => v;

playground で確認する

これにはもっと簡単な解決策があり、カンマを足してやれば良いのです。

const F1 = <T,>(v: T) => v;

playground で確認する

理屈を知らないとわかりにくいものの、コード自体に意味合いを持たせないという意味ではこれが適切かもしれませんね。

自分は TypeScript の issue を眺めているときにこの書き方を知りました。

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