textcompパッケージの記号をComputer Modern,Latin Modern,newtxtextパッケージ使用時とで比較
経緯
uplatex+jlreqでitemize環境のスタイル(各item先頭の記号)をよくあるMarkdownの箇条書きスタイルにそろえてみようとしていた。
つまり,GitHubのスタイル[1]のように,箇条書きを入れ子にしたとき以下のようにする。
- 1番目の階層:ビュレット
- 2番目の階層:白抜きビュレット
- 3番目の階層:小さい四角
ここで,1番目の階層についてはもともとビュレット\textbulletなのでよしとする。2番目の階層はデフォルトではenダッシュ。
これを白抜きビュレットにしようと\renewcommandで素朴に\textopenbulletにしてみると,1番目の階層とそろった感じになっている。
ここで欧文のセリフ体をTimes系にするためnewtxtextパッケージを読み込んでみると,1番目の階層のビュレットと異なるものになった(少し大きい)。3番目の階層も変わっている。
なお,jlreqでないクラスなどのデフォルトであるComputer Modernでは\textbulletはLatin Modernのと異なる見た目(少し大きい)。\textopenbulletも同様。
つまり,newtxtextは\textbulletの方はLatin Modern的なものにしているが,\textopenbulletはComputer Modernのままと思われる。
そもそも異なるフォントなので見た目が変わることは当然ではあるが,よく使われているnewtxtextで\textbulletと\textopenbulletとの扱いが異なることは少し意外に感じた。
これを受け,他にも同じような記号がないかどうか調べた情報が見当たらなかったこともあり,Computer Modern,Latin Modern,newtxtextの3パターンでの一覧表を作ってみた。
ただし,調べた記号は『[改訂第9版]LaTeX美文書作成入門』E.3節に載っているtextcompパッケージで定義されているもの。
比較表
CM=Computer Modern,LM=Latin Modern,TX=newtxtext
まったく同じに見えるもの,まったく異なるもの,形は同じように見えるが上下の位置がずれているものなど,記号によって様々。
こうしてみると,\textbulletもLatin Modernとnewtxtextとで見た目は同じだが上下の位置がやや異なっていた。
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