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一日の一番最高の時間帯を計画のための時間にしよう

2022/03/10に公開

これだけ言いたい

忙しい人はこれだけ覚えてください。

一日の一番最高の時間帯を計画のための時間にしろ

計画通りにタスクができない

計画、守れませんよね。私もなかなか守れません。色々な計画を破ってきました。新しい服を買いに行って試着室で服を着たときに窮屈に感じた日の帰り道に立てた「夏までに 3kg 痩せる!そのために毎日運動する!」という計画だったり、仕事で宣言した「このタスクは 3 日後までにできます」という計画だったり・・・。
なにも悪気があったわけではありません。計画を立てたときの私は本気で夏までに痩せたいと思いましたし、仕事で宣言した締め切りを守りたくない会社員なんて居ないでしょう。

この文は、私が行動経済学についての書籍を読んで自身のタスク管理に応用している概念やテクニックについて紹介するものです。
私のような計画が守れない人たちが多少計画が守れる確率が上がったり、気持ちが楽になったりすることを願います。

計画はとにかく適切に立てれば勝ち

結論から言います。「計画はとにかく適切に立てれば勝ち」です。では 適切ではない計画(誤った計画) とはどういうものでしょうか?

締め切りがゆるい(ない)

締め切りがないタスクはついつい後回しにしてしまわないでしょうか?

ある研究では、学部生に三本の小論の校正を有償で依頼し、締め切りをかなり先に定めた。学生たちは仕事を仕上げるのに三週間与えられたのだ。報酬は見つけた誤りの数と、期限までに終えるかどうかで決まるので、三週間以内にすべての小論の校正を提出しなければならない。研究者は工夫を加え、締め切りがきつくて時間の不足を強く感じる第二グループをつくった。彼らは同じ三週のあいだ、毎週一本の校正済み小論を提出しなくてはならない。結果は? 先ほどの思考実験と同じように、締め切りがきついグループのほうが高い生産性を見せた。(守るべき締め切りは多かったにもかかわらず)締め切りに遅れることが少なく、誤字をたくさん見つけ、たくさん稼いだのだ。[1]

上記のように、締め切りを設けたほうが生産性が向上することが様々な実験で考察されています。締め切りは設けたほうが良いでしょう。

計画を立てるときの集中力がない

締め切りがあると生産性が向上することは前述の通りですが、これは「特定のことに集中している」状況になります。

ある推定によると、消防士の死因として、心臓発作の次に交通事故が多いとする推定がある。[3]

一九八四年から二〇〇〇年まで、自動車の衝突は消防士の死亡者数の二〇~二五パーセントを占めている(17)。そのうち七九パーセントで、消防士はシートベルトを着用していなかった。
消防士はこの統計を知っている。安全講習で習うのだ。

通報を受けて急いでいる消防士は、時間の欠乏に直面する。彼らは迅速に消防車に乗って火事現場に到着しなくてはならないだけでなく、現場に到着するまでに、さまざまな準備を整える必要もある。

ひとつのことに集中するということは、ほかのことをほったらかすということだ。

ひとつのことに集中するということはほかのことをほったらかすということで、計画を立てるときに他のことに他の集中してしまう事象があると計画を立てることに集中できません。
場合によっては、冷静なときには考えないような質の低い計画を立ててしまうこともあるような気がします。

計画を立てるための情報に誤りがある

計画を立てるために収集した情報の数や、分析に誤りがある可能性があります。

「おとり効果」というものがあります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/おとり効果

ウィリアムズ・ソノマ社がはじめて家庭用「ブレッドベーカリー」を売りだしたとき(二七五ドルだった)、ほとんどの消費者は無関心だった。え、家庭用パン焼き機? 何それ? いいの? 悪いの? 家庭用パン焼き機なんている? それより、隣に置いてあるおしゃれなコーヒーメーカーを買ったほうがいいんじゃない? ちっとも売れないのに業を煮やしたパン焼き機の製造業者は、マーケティング調査会社に相談し、こんな解決策を提案された。新モデルのパン焼き機を売りだすこと。しかも最初のパン焼き機より大型で、値段は一・五倍のモデルにする。 すると、売り上げが膨らみはじめた(たくさんのパンも)。ただし、売れたのは大型のパン焼き機ではない。なぜだろう? 消費者が二種類のパン焼き機から選べるようになったからだ。一方のほうが見るからに大きく、はるかに高価なため、これまでのように比べようのないまま判断しなくてすむ。「まあ、パン焼き機のことはよくわからないけど、もし買うとしたら、小さくて安いほうかな」というわけだ。このときから、パン焼き機は飛ぶように売れだした[4]

計画のアンチパターン

つまり、以下の条件が揃うと、誤った計画をする確率が高まります。

  • 締め切りがない
  • 計画を立てるときの集中力がない
  • 計画を立てるための情報に誤りがある

つまり、逆に言うと「より正確な情報をもとに、締め切りがある計画を集中力があるときに立てる」と、相対的によい計画がたてられるわけです。

適切な計画を立てるための具体テクニック

  • 一日のうち、一番最高の集中力が発揮できそうだと思う時間を計画のための時間に充てる

自分はすくなくとも、お腹がすいている時や気分が落ち込んでいる時、一日のうち活動時間がある程度経過している時などは避けています。

  • なんとか締め切りを設ける

何も情報が無くて締め切りを設けられないタスクがあると感じた場合は「締め切りをはっきりさせるために ○○ を調査する」というようなタスクをつくり、締め切りを設けるようにするのが良いと思います。
推測ですが、「計画する」と考えたときに「なにもかもを 決めないとならないという先入観」は無いでしょうか?
個人的には 「先送りする」というのも計画だと思います。 言い方を変えると「先送りするという決定をする」という決定をしているわけです。
これのいいところは、締め切りが存在するので計画が消えることないところと、誤った計画を立ててしまうことがないことです。

  • たてた計画を人に共有し、意見をもらう

とくに、計画を立てるのに用いた情報もあわせて人に共有することで、自分が誤った情報をもとに計画を立てていることについて自覚できる可能性が高まるように思います。

さいごに

ここまでの内容をお読みになって、もしかしたら思ったより冴えたテクニックじゃないな~と思ったかもしれません。じつのところ、私もそう思っています。
ですが、誤った計画をしてしまうための罠は日常生活に多数あることを認識し回避することはある程度の有益さがあるのではないでしょうか。

脚注
  1. 書籍名 いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 出版社 早川書房 38 ページ ↩︎

  2. 書籍名 いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 出版社 早川書房 32 ページ ↩︎

  3. 書籍名 いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 出版社 早川書房 45 ページ ↩︎

  4. 書籍名 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 出版社 早川書房 44-45 ページ ↩︎

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