⛵
多次元のデータを「フラット化する」とは
データの「フラット化」
「フラット化する」とは,多次元のデータ(PyTorchのテンソルなど)の形状を変更し,データの次元数を減らし,一つの次元にまとめる操作を指します.具体的には,複数の次元を一つの次元に統合し,データを扱いやすい形状に変換します.
フラット化の具体例
ここでは,yの形状を仮定し,yとyをフラット化したy_flatについて具体的に形状を書きます.yの形状を以下のように仮定します.
yの形状:[batch_size, seq_len, input_dim]
- batch_size : バッチサイズ(データのグループ数)
- seq_len : シーケンスの長さ(時系列データのステップ数)
- input_dim : 入力データの次元数(特長量の数)
yにPyTorchのview関数(テンソルの形状を変更するための関数)を作用させてy_flatを作成します.
y_flat = y.view(-1, input_dim)
y_flatの形状:[batch_size * seq_len, input_dim]
view関数の具体的な効果としては
- batch_size と seq_len をまとめて一つの次元にする.
- -1 は自動的にサイズを計算させるための指定で,このばあいこの場合はbatch_size * seq_lenになります.
さらなる具体例
具体的に以下の数値を代入します.
- batch_size = 2 (2つのデータグループ)
- seq_len = 3 (各グループに3つの時系列データ)
- input_dim = 4 (特長量が4つ)
このとき, - yの形状 : [2, 3, 4]
- y_flatの形状 : [6,4]
これにより,6つのサンプルがそれぞれ四次元の特長量を持つ形となります.
なぜフラット化するのか
エンコーダ―ネットワーク(self.encoder)は通常,[サンプル数,特長量の次元]という形状の入力を期待しており,複数の時系列データを入力してしまうとエンコーダーが処理できなくなってしまいます.そこで,複数の時系列データを一つの次元にまとめて形状を変換すること(フラット化)が求められます.
フラット化のメリット
計算効率の向上
データをフラット化することで,一度に大量のデータをエンコーダに入力でき,計算効率が上がります.
コードの簡潔化
データ形状をシンプルにすることで,モデル内の処理が簡潔になります.
モデルの互換性
エンコーダや他のネットワークモジュールが期待する入力形状に合わせることで,再利用性が高まります.
「フラット」って言葉便利だなぁ,,,
Life IS LikE A BoaT
Discussion