多次元のデータを「フラット化する」とは

2024/10/22に公開

データの「フラット化」

「フラット化する」とは,多次元のデータ(PyTorchのテンソルなど)の形状を変更し,データの次元数を減らし,一つの次元にまとめる操作を指します.具体的には,複数の次元を一つの次元に統合し,データを扱いやすい形状に変換します.

フラット化の具体例

ここでは,yの形状を仮定し,yとyをフラット化したy_flatについて具体的に形状を書きます.yの形状を以下のように仮定します.
yの形状:[batch_size, seq_len, input_dim]

  • batch_size : バッチサイズ(データのグループ数)
  • seq_len : シーケンスの長さ(時系列データのステップ数)
  • input_dim : 入力データの次元数(特長量の数)

yにPyTorchのview関数(テンソルの形状を変更するための関数)を作用させてy_flatを作成します.

y_flat = y.view(-1, input_dim)

y_flatの形状:[batch_size * seq_len, input_dim]
view関数の具体的な効果としては

  • batch_size と seq_len をまとめて一つの次元にする.
  • -1 は自動的にサイズを計算させるための指定で,このばあいこの場合はbatch_size * seq_lenになります.

さらなる具体例

具体的に以下の数値を代入します.

  • batch_size = 2 (2つのデータグループ)
  • seq_len = 3 (各グループに3つの時系列データ)
  • input_dim = 4 (特長量が4つ)
    このとき,
  • yの形状 : [2, 3, 4]
  • y_flatの形状 : [6,4]
    これにより,6つのサンプルがそれぞれ四次元の特長量を持つ形となります.

なぜフラット化するのか

エンコーダ―ネットワーク(self.encoder)は通常,[サンプル数,特長量の次元]という形状の入力を期待しており,複数の時系列データを入力してしまうとエンコーダーが処理できなくなってしまいます.そこで,複数の時系列データを一つの次元にまとめて形状を変換すること(フラット化)が求められます.

フラット化のメリット

計算効率の向上

データをフラット化することで,一度に大量のデータをエンコーダに入力でき,計算効率が上がります.

コードの簡潔化

データ形状をシンプルにすることで,モデル内の処理が簡潔になります.

モデルの互換性

エンコーダや他のネットワークモジュールが期待する入力形状に合わせることで,再利用性が高まります.

「フラット」って言葉便利だなぁ,,,

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