[Implementing SAP S/4HANA Cloud Public Edition] 主要ステークホルダーの説明2
役割と責任
エグゼクティブスポンサー(Executive Sponsors)
顧客およびパートナー/SAPのプロジェクトチームに所属するエグゼクティブスポンサーは、共同でステアリングコミッティ(Steering Committee/プロジェクト推進委員会) を構成します。
ステアリングコミッティはプロジェクト全体の調整を担当し、以下の事項に対する最終的な意思決定を行います:
- 重要な決定事項
- 予算管理
- プロジェクトにアサインされるリソース(人員)
- 組織全体に影響を与える決定事項
ステアリングコミッティは、最終的なエスカレーション先でもあり、例えば特別な要件を満たすためにカスタム開発が必要な場合などに対応します。
プロジェクトマネージャー(Project Managers)
顧客およびパートナー/SAP双方のプロジェクトマネージャーは、SAP Cloud ALM上でSAP S/4HANA Cloud導入プロジェクトを設定・管理する責任を負います。
プロジェクトが設定されると、SAP Cloud ALMによりSAP Activate Methodologyのロードマップに基づくタスクと成果物が実行可能な状態となり、各プロジェクトメンバーにタスクを割り当て、進捗管理が可能になります。
ステアリングコミッティ会議では、プロジェクトマネージャーがSAP Cloud ALMを使ってプロジェクト全体の進捗レポートを提示し、ステータス更新を報告する役割を担います。
- 顧客システム管理者(Customer System Admin / IT Contact)
- パートナー/SAPリード設定担当者(Lead Configuration Expert)
この二者は連携して、プロジェクトに必要なすべてのシステムをプロビジョニングし、チームメンバーに対して適切なアクセス権限を付与します。
パートナー/SAP 業務領域(LoB)設定エキスパート
これらのエキスパートは、顧客の拡張プロジェクトチームに所属する対応するLoB担当者と共に、Fit-to-Standardワークショップをリードします。
パートナー/SAPのLoB設定エキスパートは、自身の専門領域である業務プロセスに関連する重要情報を、SAP Cloud ALMのRequirementsアプリを使用して記録する責任があります。
Realizeフェーズでは、以下のタスクをパートナー/SAPのLoB設定エキスパートが実施します:
- SAP Central Business Configurationへの設定値入力
- ビジネスロールのカスタマイズ定義
- SAP Fioriアプリを使用したキーユーザー向けインアプリ拡張の構築
- 出力管理のカスタマイズ定義
- 分析アプリのカスタマイズ(SAP S/4HANA Cloud内の機能を使用)
- 関連オブジェクトのデータ移行
- 業務プロセスに必要なSAP Best Practice統合の設定
- テスト自動化ツールを使用したテスト自動化の設定と実行
追加の技術エキスパート
プロジェクトの進行に伴い、以下の分野をサポートするために、顧客またはパートナー/SAPのプロジェクトチームに追加の技術専門家が必要になることが一般的です:
- 統合(Integration)
- SAP BTPにおけるサイドバイサイド拡張(Side-by-Side Extensibility)
- データ移行(Data Migration)
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