「Antigravity」使い方入門|Google発の最新AIモデルも使える統合開発環境(IDE)
3秒まとめ 📝
- Antigravityは「AI搭載IDE」じゃなくて「AIエージェント管理プラットフォーム」だった!
- 開発体験はめちゃくちゃ革新的!エージェントマネージャーUIが最高すぎる
- Antigravityは「タスク委譲」という新パラダイム
- メイン開発ツールになる日は近いかもしれない
どんな人向けの記事? 🎯
この記事は、以下のような方に読んでもらいたいです!
- サクッと機能を知りたい: 「エージェントファースト」という次世代の開発パラダイムを体験したい
- プロトタイプを爆速で作りたい: 「チャットアプリ作って」の指示だけでフルスタックアプリが非エンジニアでも完成
- 最新のAIのキャッチアップ: コードを書くのではなく、AIをマネジメントする新しい働き方に興味がある
Antigravityとは?:AIが「主役」の開発環境
Googleが2025年11月19日に発表した「Antigravity」は、従来のAIエディタとは一線を画す**「エージェントファースト」**なIDEです。
これまでのAIツール(CursorやGitHub Copilotなど)は、「開発環境の中にAIがいる」という形でした。あくまで主役は人間で、AIは助手(Copilot)という立ち位置です。
しかしAntigravityは**「AIの中に開発環境が存在する」**という逆転の発想で作られています。
つまり、人間が「設計者」として指示を出し、AIエージェントが「実装者」として手を動かす。これがAntigravityの目指す新しい開発パラダイムです。
Antigravityを支える4つの主要原則
Googleは、Antigravityを以下の4つの主要原則に基づいて設計しています:
- Trust(信頼): エージェントが生成する「Artifacts(成果物)」によって、ロジックを一目で検証できる透明性を提供
- Autonomy(自律性): エディタ、ターミナル、ブラウザを横断して複雑なタスクを自律的に計画・実行・検証
- Feedback(フィードバック): Artifactsに直接コメントを残すことで、実行フローを止めることなく指示を反映
- Self-Improvement(自己改善): 学習を中核機能として位置づけ、有用なコンテキストやコードスニペットをナレッジベースに保存して将来のタスクに活用
この4つの原則が、次に紹介する革新的な機能の基盤となっています。
使ってみて分かった6つの革命的機能をピックアップ
実際に触ってみて「これは凄い」と感じたポイントを4つに絞って紹介します。
1. Agent Manager:AIエージェントの「管制塔」
Antigravityの最大の特徴は、このAgent Managerです。
複数のエージェントを同時に走らせ、それぞれのタスク進行状況を一覧で管理できます。
例えば「フロントエンドの実装」と「バックエンドのAPI修正」を別のエージェントに並行して依頼する、なんてことも可能です。
まさに**「AIのチームをマネジメントする」**感覚。これが「IDEではなくエージェント管理プラットフォーム」と呼ばれる所以です。

画面右上のOpen Agent Manager をクリックするか、 cmd + E で開きます。

これがAgent Managerのダッシュボード画面です。

ワークスペース横の「+」ボタンを押すと、会話の対象として選択できます。

デモサービスの作成を依頼してみます。

複数のワークスペースに同時に処理を投げることができます
作業してくれているAIを見ているという体験。
2. Artifacts:AIの思考が「見える化」される安心感
AIに任せると「勝手に変なコード書かれない?」と不安になりますよね。
Antigravityは、作業プロセスを**「Artifacts(成果物)」**として可視化することで、この不安を解消しています。
タスクを実行すると、以下のMarkdownファイルが自動生成・更新されます:
-
task.md: タスクの進行状況リスト

-
implementation_plan.md: 実装計画書(コードを書く前にこれが出る!)

-
walkthrough.md: 作業ログ(スクリーンショットやブラウザ操作の記録付き)
これらは ~/.gemini/antigravity/brain/ に保存されるので、Git管理も容易。
また、ブラウザ操作の録画データは ~/.gemini/antigravity/browser_recordings/ に保存されます。
「何をやったか」が完全に透明化されるので、信頼(Trust) して任せられます。
いわゆる 「仕様駆動開発(Spec-Driven Development)」 がデフォルトで組み込まれているイメージです。
Codexは過程が謎だったりしますよね。
個人的にはAntigravityやClaude codeのように過程・タスク・実装計画がデフォルトで見えるようにしてくれている方が好みです。
3. クロスツール自律操作:ターミナルもブラウザもAIが操作
AIが勝手にターミナルでコマンドを叩き、ブラウザで動作確認までしてくれるということです。
ブラウザ操作のためのChrome拡張ツール
これらを全部自律的にやってくれます。ブラウザ操作にはChrome拡張機能が必要ですが、これを入れるとAIが実際に画面を見て操作してくれるので、UIの実装精度が段違いです。

Antigravity画面の右上にあるChromeのボタン(Opne Browser(Preview))をクリック。

専用のChrome拡張を追加すると、Antigravityが画面を操作できるようになります。
4. 視覚的フィードバック:スクショに「直接」指示出し
これが一番感動した機能かもしれません。
Antigravityでは、ブラウザのスクリーンショットや生成された画像に対して、ドラッグ&ドロップで範囲選択してコメントできます。
テキストだけで「右上のボタンを...」と説明するストレスから解放されるのは革命的です。
5. Knowledge & GEMINI.md:使えば使うほど賢くなる

Antigravityには 長期記憶(Knowledge Items) があります。
プロジェクト固有のルールや、過去の修正パターンをAIが勝手に学習し、Knowledge として蓄積していきます。
Knowledge Itemsは、手動登録用の設定画面は存在しません。
エージェントが会話やタスクから抽出した重要な知見やルールを自動で生成・更新します
※私はまだ追加される場面を確認できてませんw「追加して!」とお願いしても追加されていないので...気長に待ちましょうか^^
さらに、GEMINI.md というファイルにルールを書くことで、AIの挙動をカスタマイズできます。

画面右上の3点リーダーから、 Customizations をクリック。

global設定とワークスペース設定があります。
例えば、以下のように書くだけで、常に日本語で回答してくれるようになります。
GEMINI.md はglobal設定と
# ルール
- 常に日本語で回答してください。
CLAUDE.md のGemini版ですね。これで「英語で返ってきた…」というストレスから解放されます。
6. Nano banana pro
Antigravity とほぼ同時にリリースされた、超強力な画像生成AIですね。
これが裏で動いています(それだけでも凄すぎる)
主な用途:
- UIモックアップ生成:デザイン段階でのフィードバックやコード生成前の確認に有効。
- システム/アーキテクチャ図作成:既存コードや構造を視覚的に説明する用途。
- ウェブサイトなど向けの画像アセット生成:ストック画像を探す代わりに、直接適した素材を生成。
導入スケジュール:
段階的に Google Antigravity ユーザーへ展開中とのことで、これは強力すぎますね!
(一部ユーザーは引き続き旧版 Nano Banana を使用)
ここは注意!使って分かった「発展途上」な点 ⚠️
最高に未来を感じるツールですが、プレビュー版で無料公開中ゆえの「粗さ」も正直あります。
謎のエラーとリミット制限
使っていると、「Error
Agent execution terminated due to error.」 のような謎のエラーが出たり(みんなが使ってるからかな)、すぐに無料枠のリミット(レート制限)に達したりします。
リミットは厳しめで、ガッツリ開発していると数時間で止まってしまうことも。

ただ、回避策はあります:
- 謎エラーが出たら「続きを実装して!」と頼む: 意外とこれで再開してくれます。
- モデルを切り替える: Gemini 3 Proがダメでも、Claude Sonnet 4.5 に切り替えれば開発を続行できます。
-
従来の開発方法に切り替える: VS Codeベースなので
ClineやClaude Codeなどの拡張機能を入れて、そちらで凌ぐのもアリです。
「まだベータ版だし仕方ない」と割り切れる人向けですね。
開発モードとモデル選択のコツ
モードの使い分け
Antigravityには主に2つのモードがあります。
-
Planning Mode(推奨)
- 複雑なタスク向け。
- まず「実装計画」を提示してくれて、人間がそれをレビュー・承認してからコード生成が始まります。
-
task.mdやimplementation_plan.mdにGUI上でコメントを入れるだけで修正指示が出せるので、**「仕様レビュー」**をしている感覚で開発が進みます。ファイル指定の手間も省けるのがGood!細かいけどいい体験!
-
Fast Mode
- 文言修正や単純なバグ修正向け。
- 計画なしで即座に修正してくれます。
モデルの選び方
なんと、Google製なのに他社のモデルも使えます。
- Gemini 3 Pro(High): デフォルト。ターミナル操作や推論能力が最強。基本はこれ。
- Gemini 3 Pro(Low): 比較的な軽めの作業。
- Claude Sonnet 4.5: 無料で使えるのが地味に凄すぎる。
- GPT-OSS: オープンソースモデル。
結局、Cursorとどっちが良いの?
結論から言うと、リミット制限があるので"まだ"メインではないです。
でも、 Cline や Claude code をメインで使っている方は 乗り換えるのもアリ だと思いました。
まとめ:AI IDEは「第2フェーズ」へ
Antigravityを使って感じたのは、**「AI開発環境が次のフェーズに入った」という確信です。
これまでは「いかに速くコードを書くか」でしたが、これからは「いかにAIに正しく仕事を任せるか」**が重要になります。
まだプレビュー版で動作が不安定な部分や、無料枠の制限(数時間使い倒すと制限にかかることも)はありますが、**「未来の開発体験」**を先取りする意味でも、今すぐ触ってみる価値は間違いなくあります。
リミットがネックでまだメインのツールとして稼働させるのは難しい面があるかもしれません。
ですが、プランの中にTeam planやEnterprise planの準備がされているので、近いうちに解消されるかもしれません。

これからバイブコーディングを始めようと思っている方は 無料でGemini 3.0 pro が使える というだけでも、Antigravityを使ってみる価値をありそうです!
(Google AI studio でも使えるのでチェック)
私自身、まだまだ使い始めたばかりなので、もっと使い込んでみます。
ぜひインストールして「重力から解放される」感覚を味わってみてください!
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