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ACDOCAテーブル定義書

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テーブル定義書: ACDOCA (ユニバーサルジャーナル明細)

1. 基本情報

項目 内容
テーブル物理名 ACDOCA
テーブル論理名 ユニバーサルジャーナル明細 (Universal Journal Entry Line Items)
概要 SAP S/4HANAにおける財務会計(FI)と管理会計(CO)の明細データを統合した単一のテーブル。財務諸表、管理レポート、分析の「唯一の真実の源(Single Source of Truth)」となる。
関連ヘッダテーブル BKPF (会計伝票ヘッダ)

2. 主キー情報

ACDOCAの主キーは複数の項目から構成され、非常に複雑です。これは、様々な業務トランザクション(FI転記、CO配賦、資産取引など)を単一のテーブルで表現するためです。以下は主要なキー項目です。

  • RCLNT (クライアント)
  • RLDNR (元帳)
  • AWTYP (参照処理タイプ)
  • AWREF (参照伝票番号)
  • AWORG (参照組織単位)
  • DOCLN (伝票明細番号)
  • ...その他、複数の技術項目

実務上は、「元帳 + 会社コード + 会計伝票番号 + 会計年度 + 明細番号」 (RLDNR + RBUKRS + BELNR + GJAHR + DOCLN) の組み合わせでデータを特定することが多いですが、これが厳密な主キーではない点に注意が必要です。


3. 主要項目一覧

カテゴリ: 一般・組織データ
項目物理名 項目論理名 データ型 長さ 内容説明
RCLNT クライアント CLNT 3 ログインクライアント (キー項目)
RBUKRS 会社コード CHAR 4 財務諸表を作成する最小組織単位
RLDNR 元帳 CHAR 2 リーディング元帳('0L')や非リーディング元帳を識別 (キー項目)
KOKRS 管理領域 CHAR 4 管理会計の最上位組織単位
PRCTR 利益センタ CHAR 10 利益責任を負う組織単位
RCNTR 原価センタ CHAR 10 原価が発生・管理される組織単位
SEGMENT セグメント CHAR 10 セグメント別財務報告のための分析軸
RFAREA 機能領域 CHAR 16 費用を機能別(販売費、研究開発費等)に分類
カテゴリ: 伝票情報
項目物理名 項目論理名 データ型 長さ 内容説明
GJAHR 会計年度 NUMC 4 伝票が属する会計年度
BELNR 会計伝票番号 CHAR 10 FIで採番される伝票番号
DOCLN 会計伝票明細番号 NUMC 6 伝票内の明細行を識別する番号 (キー項目)
BUDAT 転記日付 DATS 8 帳簿に記録される日付
BLDAT 伝票日付 DATS 8 取引が発生した元伝票の日付
BLART 伝票タイプ CHAR 2 伝票の種類を識別(例: SA, KR, RE)
AWTYP 参照処理 CHAR 5 元伝票のタイプ(例: BKPF, MKPF)(キー項目)
AWREF 参照伝票番号 CHAR 10 元伝票の番号(例: MMの入庫伝票番号)(キー項目)
USNAM ユーザ名 CHAR 12 伝票を登録したユーザID
カテゴリ: 財務会計 (FI) 項目
項目物理名 項目論理名 データ型 長さ 内容説明
RACCT G/L勘定コード CHAR 10 転記に使用された勘定コード
KOART 勘定タイプ CHAR 1 D:得意先, K:仕入先, S:G/L, A:資産, M:品目
DRCRK 借方/貸方区分 CHAR 1 S:借方 (Soll), H:貸方 (Haben)
BSCHL 転記キー CHAR 2 勘定タイプや借貸を制御するキー
HSL 国内通貨額 CURR 23.2 会社コードの通貨での金額
KSL 取引通貨額 CURR 23.2 伝票入力時の通貨での金額
OSL グループ通貨額 CURR 23.2 グループ共通の通貨での金額
WAERS 取引通貨コード CUKY 5 JPY, USD などの通貨コード
KURSF 換算レート DEC 9.5 取引通貨から国内通貨への換算レート
カテゴリ: 管理会計 (CO) 項目
項目物理名 項目論理名 データ型 長さ 内容説明
AUFNR 指図番号 CHAR 12 内部指図や製造指図の番号
PS_POSID WBS要素 CHAR 24 プロジェクト(WBS)の要素
KSTRG 原価対象 CHAR 12 製品原価計算などで使用される原価収集の対象
PAOBJNR 収益性セグメント番号 NUMC 10 CO-PAの分析対象(製品・得意先等の組合せ)
カテゴリ: その他主要な分析軸
項目物理名 項目論理名 データ型 長さ 内容説明
MATNR 品目コード CHAR 40 品目マスタの品目コード
WERKS プラント CHAR 4 品目が属するプラント
ANLN1 資産番号 CHAR 12 固定資産のメイン番号
ANLN2 資産補助番号 CHAR 4 固定資産のサブ番号
MSL 数量 QUAN 23.3 品目元帳などで使用される数量
MEINS 基本数量単位 UNIT 3 ST(個), KG(キログラム)などの単位
RMVCT 取引タイプ CHAR 3 資産会計や品目元帳での取引の種類を識別

【補足事項】

  • この定義書は、ACDOCAテーブルの機能を理解するために主要な項目を抜粋したものです。全項目の詳細な定義は、SAPシステムのトランザクションコード SE11 または SE16N でテーブル名 ACDOCA を照会することで確認できます。
  • _BC_ で始まる項目など、多数の技術項目や通貨タイプ項目が存在しますが、ここでは割愛しています。
  • COEP (CO明細) や FAGLFLEXA (新総勘定元帳明細) といった旧テーブルは、ACDOCAへの互換性ビューとして存在しており、過去のプログラムからの参照はこれらビューを経由してACDOCAにリダイレクトされます。

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