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デスマーチとか最初に言い出したのは誰なのかしら

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初めに

ソフトウェア業界でデスマーチという言葉が広く知れ渡って20年以上が経過します。

この言葉をソフトウェア業界の、ある種の状況に当て嵌めたのはエドワードヨードンの「デスマーチ―なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか」になります。

https://www.amazon.co.jp/dp/4810189821

さて、2021年現在、日本語のwikipediaを閲覧するとデスマーチは、アンドリュー・ケーニッヒが示した言葉ということになっています。

デスマーチ (death march) とは、プロジェクトにおいて過酷な労働状況をいう。本来は、コンピュータプログラマのアンドリュー・ケーニッヒ(英語版)によって1995年に示された、コンピュータシステムのアンチパターンのうち、プロジェクトマネジメント上の問題点の1つとして示した言葉である。日本語では、しばしば「デスマ」と略される。

2021/10/10 https://ja.wikipedia.org/wiki/デスマーチ

アンドリュー・ケーニッヒ (プログラマー)(英語版) - アメリカ合衆国のプログラマー。デスマーチの概念を初めて提唱した。
2021/10/10 https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドリュー・ケーニッヒ

残念なことに、このwikipediaの話をソースとして、アンドリューケーニッヒがデスマーチという言葉を作成したという誤解をしている人が存在します。

本記事は、アンドリュー・ケーニッヒが本当に、デスマーチを最初に言い出したのかを検証するものになります。

なお、このヨタ話はWikipediaの日本語のページにしか載っていないのです。

アンチパターン誕生の経緯

アンドリュー・ケーニッヒ(Andrew Koenig)が「アンチパターン」という言葉を初期に編み出したのは事実でしょう。

アンチパターンという言葉が生み出された経緯は以下のページにあります。

https://www.agilealliance.org/glossary/antipattern

1995年 アンドリュー・ケーニッヒは、最初にJournal of Object Oriented Programの1995年3月-4月号でアンチパターンという用語を造語しました。
その後、1998年、Linda Risingはアンドリュー・ケーニッヒのアンチパターンという記事をThe Patterns Handbook: Techniques, Strategies, And Applicationsに再録しています。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/0521648181

1998年 書籍「 AntiPatterns: Refactoring Software, Architectures, and Projects in Crisis」という本は、アンチパターンという言葉を広めました。
日本では以下の書籍として出版されています。

アンチパターン―ソフトウェア危篤患者の救出

https://www.amazon.co.jp/dp/4797307587

アンチパターンとデスマーチ

アンチパターン―ソフトウェア危篤患者の救出において、p258,259でデスマーチの話題をとりあつかっています。しかしながら、そこにはアンドリュー・ケーニッヒの名前は存在せず、エドワードヨードンの定義を参照しています。

アンドリュー・ケーニッヒのアンチパターン

The Patterns Handbook: Techniques, Strategies, And Applicationsを購入することでアンドリューケーニッヒの記事を読むことが可能です。
少なくともデスマーチという単語は、ここでは登場しません。
1995年当初、デザインパターンが流行り出した頃で、アンドリューケーニッヒは、その時に上手くいくパターンだけでなく、うまくいかないパターンを知ることで失敗を回避できるかの旨を記述しています。
彼が紹介したアンチパターンの例は、動的な型における文字・数値の比較の例でした。プロジェクトのマネージメントに関する話は一切していません。

つまり、アンドリュー・ケーニッヒがデスマーチという言葉を作ったというのはデマです。

まとめ

1.デスマーチの言葉を定義したのはエドワードヨードン
2.アンチパターンの言葉を最初に言い出したのはアンドリューケーニッヒ
3.デスマーチはアンチパターンに入っている
4.2と3の情報を混在させることによってありもしない、歴史をクリエイトしてしまったと推測される。
5.デマの修正コストは高い。
(アンドリュー・ケーニッヒのレポートにデスマーチがないことを確認するのに¥8,278実費でかかっている)

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