実際どう使ってる?QAエンジニア・EM業務のAI活用事例
こんにちは。miisanです。
2025年4月18日に参加した『インプロセスQA Meetup!』イベントで「AIによって品質保証活動は減るか?」のようなテーマが出ました。「具体的にどんなツールをどんなふうに使ってるの?」という問いに駆け足でディスカッションを終えてしまい、関心を持っていただいていた議論を中座してしまったので、帰宅道にてこの記事を書くことにしました。
この記事では、私が最近の業務でAIをどう活用しているか、活用事例を紹介してみたいと思います。QAエンジニア・エンジニアリングマネージャーという立場で、日々どのようにAIと共創しているのか振り返ります。
QA業務での活用事例
1. 仕様理解やテスト観点の整理
事前に仕様書やソースコードをインプットとして、仕様の整理や要約に活用しています。本日のイベントにちなんでおくと、現状私自身がインプロセスQAとしての活動を事実上行えていないので、自分が機能のQAをするための理解のために、、、という活用方法ではないです。もっと上段にくる、プロダクトの全貌把握や全方位で動いているプロジェクトや機能開発を把握するために活用しています。1つの機能への理解を深めるというよりは、どちらかというと俯瞰して理解しておきたいというのに近いかもしれません。もちろんその上で、テスト観点や懸念などを並行してアウトプットしています。
- NotebookLM : ソース管理しながら要点をまとめる
- Cursor:コードベースの理解からテスト戦略を提案してくれる
- Claude:仕様を理解したあと、テスト観点や設計の初稿を出してもらう
QAエンジニア的な目線だと、コードと仕様の理解ができている状態で、テスト観点や設計が出てくるので、アウトプットをレビューする時に適切に対応することが可能です。
「まず何を見ておくべきか?」の足がかりとして非常に助かっていますし、そもそも仕様理解そのものにも役立ちます。
2. インシデント分析
弊社ではインシデントをJIRAで管理していて、チケットをGoogle スプレッドシートに自動連携しています。そこで取得したデータを元に、インシデントの情報管理や分析を行うようにしました。
インシデントの一覧をスプレッドシートにまとめ、そのままGeminiを使い、表やグラフに可視化したり、簡易的なレポートを作成したりしています。
- Google Gemini : スプレッドシートとの連携が容易でデータから分析を行う
- Notion AI : ⇧のデータをNotionへ連携し、レポート作成と分析を一元管理している
こんな感じでまとめて、全体に共有しています。傾向の把握や改善アクションの検討がスムーズになりました。
マネジメント業務でのAI活用
1. 戦略やKPIの壁打ち
「組織としてどこを伸ばすべきか」「今のKPIの設計は妥当か?」といった抽象度の高い問いに対して、AI相手に壁打ちすることで、自分の思考が整理され、視野が広がる場面が増えています。
FY26がこの4月から始まりましたが、今期のエンジニアリング戦略検討では、上長よりも遥かに相談した回数は多いですし、自分の中では結論が出ていました。やり取りの中で意思決定の質が上がるので、ボードメンバーとの戦略議論ではほぼフィードバックのない状態で進めることができました。
- ChatGPT:ブレストなど含む、戦略立案のディスカッションパートナー
- Gemini:同上。Deep Researchで理解を深めることも可能
良し悪しは分かりませんが、まずは最初に相談する相手が最近はAIですね。完成度が低くても、自分の中で考えがどれだけまとまっていなくても相談に乗ってくれる、心強いパートナーです。(怒られないし、優しいw)
課題設定のピンを外さなければ、かなりの練度で期待するアウトプットを出力してくれるので、大変助かります。
2. 評価業務のサポート
評価期間だったこともあり、過去の1on1記録をソースに、最終評価に抜け漏れがないかを相談しました。記憶に頼らず、記録からポイントを抽出してくれるのは非常に良かったです。
- Claude:長文の記録からの情報抽出に優れている
- NotebookLM:1on1の記録や評価観点を整理する
データを活用して、定量・定性的な観点含め、評価の精度を向上できるような気がしました。
3. アンケートの設計
期初ということもあり、いくつかの要素を可視化するためにアンケートを作成しました。組織スコアリングやとあるプロジェクトメンバーの募集フォームなど、アンケート内容の整理や設計、そこからGoogleフォームの作成などもGeminiを活用して行うことができました。
- Google Gemini:Googleフォームとの連携が便利
内容の壁打ちから、具体的なアンケートフォーム作成までをGeminiだと一連の流れで行うことができるので、非常にスムーズです。
その他
1. 資料作成
業務で必要なドキュメントやメモなどは、Claudeを使って下書きから仕上げまでサポートしてもらっています。もちろん、この記事もAIの手を借りて書いています。
すごくスピード感を持ってアウトプットできる時代になって、ありがたいですね。
ちなみに「miisan」という人格理解をAIにインプットさせており、最近の公開資料作成時にはほぼおかしな解釈違いのmiisan人格は出てこず、制御できるようになってきました。
2. プレゼン資料作成
登壇資料などはCursorを使ってスライドのアウトラインや内容を整理し、ビジュアル面はCanvaで仕上げることもあります。画像の作成などはChatGPTやGeminiなど、その時々で変えています。
- Cursor:アイデアからスライド構成を生成
- Canva AI:デザインアシスタント機能でビジュアル作成
伝えたいポイントを早く形にするには、ツールの併用が効果的と感じています。
おわりに
AIの活用は、まだまだ模索段階だなと思うものがたくさんあるのですが、AIを活用することそのものは、特別な取り組みではなくなりつつあります。AIが業務を置き換えるというよりは、自分の考えを整理し、"アウトプットの質とスピードを上げるパートナー"というのが今の私の感想です。
間違いなく業務の生産性は上がっており、その結果、自身の担当領域範囲は毎日増えているな〜という状況です。(いいのか悪いのか...笑)
品質保証の分野では、テスト設計や分析の質を高め、QAエンジニアがより戦略的な思考に集中できる環境を作ってくれるかもしれないです。
また機会があれば、さらに深掘りした使い方や工夫についても紹介できればと思います。このテーマだけでもイベントできそうですよね🥺どこかでぜひやりましょう。
しばらくの間、AIとの協業方法を模索する日々が続くと思いますが、またぜひ同様のテーマで議論できる機会がくることを楽しみにしています!
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