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Gitの裏側を徹底解剖してみた!スナップショット、オブジェクトデータベース、差分検出の仕組みを初心者目線で調べてみた

2024/11/27に公開

最近、Gitの話題をこちらで記事を書いたりしていましたが、やっぱり何となく「便利だな」と思う反面、「これ、どうやってファイルの履歴とか差分を管理しているんだろう?」という疑問が湧いてきました。そこで、Gitの内部構造について調べてみることにしました。

この記事では、Gitがどのようにしてバージョン管理を実現しているのか、ファイルの変更をどのように検出して保存しているのか、そしてその仕組みがなぜ高速で便利なのかを、初心者の私が調べてわかったことをわかりやすくまとめてみます!


1. Gitは「スナップショット」でファイルを管理している

スナップショットとは?

Gitでは、ファイル全体の状態を「その瞬間の写真(スナップショット)」として記録します。ただし、毎回すべてのデータをコピーするのではなく、変更があった部分だけを効率的に保存しています。

たとえば:

  • ファイルAだけ変更した場合
    GitはファイルAの新しいスナップショットを作成し、他のファイルは前回のスナップショットを参照します。

  • 変更のないファイルはどうなる?
    前回のスナップショットをそのまま参照するだけなので、無駄なデータの重複がありません。

スナップショットと差分保存の違い

特徴 スナップショット方式(Git) 差分保存方式(従来のVCS)
保存内容 ファイルの状態全体(変更なし部分は参照) 変更部分だけ
データの重複 重複なし(同じファイルは参照) 状況によりデータ重複
操作速度 高速 遅い

Gitは「変更点に関係なく、スナップショットとして保存しつつ、重複を避ける」という仕組みで、より高速かつ効率的です。

2. Gitの内部構造:オブジェクトデータベースとは?

Gitの裏側では、オブジェクトデータベースという特殊な仕組みでデータが管理されています。これは、Gitが高速かつ正確に履歴を追跡できる秘密の鍵です。

Gitで管理される4種類のオブジェクト

オブジェクト 役割 主な特徴
Blob ファイルの中身そのもの 内容のみ保存。同じ内容は1つだけ管理
Tree ディレクトリ構造の管理 Blobや他のTreeを参照
Commit スナップショットの履歴管理 履歴、親コミット、作者などの情報含む
Tag 特定のコミットへのラベル付け バージョンリリースの目印に使う

3. Gitが差分を検出する仕組み

Gitがファイルの変更をどのように検出しているのか、その仕組みも見ていきましょう。

SHA-1ハッシュによるデータの追跡

Gitでは、SHA-1ハッシュ関数というアルゴリズムを使って、各オブジェクト(BlobやTree)を識別しています。
SHA-1は、ファイルの内容から生成される一意の文字列(40文字)で、同じ内容のファイルなら何度生成しても同じハッシュ値になります。

仕組みの流れ

  1. 新しいファイルの場合
    Gitはファイルの内容をハッシュ化し、新しいBlobを作成します。
  2. 変更のないファイルの場合
    ハッシュ値が同じなので、前回のBlobをそのまま参照します。

差分検出が高速な理由

Gitは、ファイル全体を逐一比較するのではなく、ハッシュ値を比較して変更の有無を判断します。この仕組みのおかげで、大規模なプロジェクトでも高速に差分を検出できます。


補足)SHA-256の登場と移行が進む背景

SHA-1はGitの初期から使われてきた標準的なハッシュ関数ですが、近年では以下の理由で課題が指摘されるようになりました:

  1. セキュリティの脆弱性
    SHA-1は暗号強度の面で不十分とされ、理論上衝突(異なるデータが同じハッシュ値を持つこと)が起こり得るとされています。
  2. スケーラビリティの限界
    大規模プロジェクトの管理において、より効率的なハッシュ関数が必要とされています。

これらの理由から、Gitは新しいハッシュ関数としてSHA-256の採用を進めています。

SHA-256への移行が進む理由

  • SHA-256は、SHA-1よりも強力で衝突のリスクが低い。
  • Gitの最新バージョン(2.42以降)では、SHA-256をデフォルトとして利用できるようになっています。
  • 現在、SHA-1を使用した既存リポジトリも、SHA-256への移行をサポートする仕組みが整備されています。

4. Gitのコミットとブランチの仕組み

Gitのコミットとブランチも、このオブジェクトデータベースを活用して効率的に管理されています。

コミットの仕組み

コミットオブジェクトには以下の情報が含まれています:

  • Tree: ディレクトリ構造へのポインタ
  • 親コミット: 過去のコミットへのポインタ
  • メタデータ: 作者や日時、メッセージなど

Gitは、これらの情報をつなげることで、履歴をたどることができます。

ブランチの仕組み

ブランチは、単なるポインタです。
現在のコミットを指しているだけで、ブランチを切り替えたり作成したりしても、データのコピーは発生しません。そのため、ブランチ操作は非常に高速です。

5. Gitの効率性を支える「パックファイル」

Gitは、多くのファイルやコミットを効率的に管理するために、内部で「パックファイル」という仕組みを使っています。

パックファイルとは?

Gitは、オブジェクトデータベース内のオブジェクトを、必要に応じて圧縮し、一つのファイルとしてまとめます。これにより、ストレージの使用量を削減し、アクセス速度を向上させています。

まとめ:Gitは効率的な仕組みで動いている!

今回調べてわかったことは、Gitは単なるバージョン管理ツールではなく、非常に効率的で合理的な仕組みを持っているということです。

  • スナップショットを使ったデータ管理で、無駄なデータの重複を避けている。
  • オブジェクトデータベースによって、履歴やディレクトリ構造を整然と管理している。
  • SHA-1ハッシュを活用して差分検出を高速化している。
  • ブランチ操作やコミット履歴管理が軽量で直感的

これらの仕組みが、Gitの高速性と使いやすさを支えています。私自身もまだまだ勉強中ですが、Gitの仕組みを知ると、その便利さがさらに実感できました。皆さんも、ぜひこの仕組みを理解しながら、Gitをもっと活用してみてください!

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