目標設定でメンバーのモチベーションを上げる話
目標設定にピンと来てない気持ちに寄りそう
まず、大抵の人は目標設定が重要なものだと捉えられてはいません。
面倒くさいし、何に生かされているんかいまいち分かりません。
自分自身もずっとそうでした。その気持ちを忘れずに、分からないことを分かった上で説明をしていく必要があります。
部門目標からのブレークダウン
1.個人目標の落としどころを考える
部の方針をマインドマップのようにして噛み砕き、それが最終的にどのような行動目標に繋がるか説明する機会を設けます。
これが管理職に出来ないのなら、部門目標の側が悪いでしょう。
管理職にも分からないことがどうしてメンバーが個人個人思いつけるのでしょうか。
2.目標設定から評価の一連の流れを作る
目標設定は単体で成り立っているわけではありません。
その設定した目標は、最終的に期末に達成できたかどうか評価するのに使います。
期首
- 部門目標の説明会(1.で行ったものの説明)
- 目標設定開始
- 目標面談
- 目標設定締め切り
期末
- 自己評価
- 評価面談
- 評価
- フィードバック面談
- ボーナス支払い
- 昇給、昇格
これに日付を対応させていきます。
ボーナスへの反映度や昇給昇格は会社によって情報開示度合にかなり開きがあると思います。ここは中間管理職程度では手出しできない会社の制度ですので、あまり気にしなくて良いと思います。
3.期首の説明会で説明すべきこと
1.2.の内容を説明します。
しかしそれ以上に大事なのは 「私は皆さんに良い評価を出したい。最終的に良い評価ができるように、達成して意味のある目標を立てましょう」 と言うこと。
前述の通り、ボーナスの額を直接どうこうしたり給料を上げたりなどはできない以上、いい評価を出すということがメンバーに対してできる私の精一杯です。
この意思表示は目標設定をちゃんとやろうとすることで面倒になる色々なことに対する布石です。面倒になってから言っても遅いのです。
4.意味のある目標
- 定量的なら意味があるわけじゃない
- 定性的なら意味がないわけじゃない
年末に参加したEM勉強会が非常に良く、そういう話を聞きました。
そうはいってもこの理念だけで上手く目標設定するのも難しいものです。
一度書いて提出してもらい、以下のような点を指摘しては直してもらいました。
※実際の目標を挙げるわけにはいかないので、ChatGPTに考えてもらって加筆修正しています。
定量的でダメな例
-
非現実的な数値目標: 「開発期間を半分に短縮する」「バグを0にする」のように、現実のプロジェクトの制約やリソースを考慮していない目標。絶対に達成できない目標に意味はない。じゃあそのためにどういうアクションをするのか、という部分を目標にしてもらう。
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関連性が低い指標: 「コード行数を増やす」のように、プロジェクトの成功や品質と直接関係ない指標を目標にすること。達成したからと言って何、というもの。
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目標が部門目標と合っていない: 「毎月のウェブサイト訪問者数を20%増加させる」のような目標は、一見すると具体的で測定可能に見えるけど、本当にプロジェクトやビジネスの目標達成に直結するとは限らないもの。品質や納期よりこれを優先されても最終的に評価できず、目指してほしい方針とあっていないもの。
定性的でダメな例
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曖昧な目標: 「使いやすいシステムを開発する」のように、何をもって使いやすいとするのかが明確でない。目標達成が主観的になりがちで、最終的に評価ができない。
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具体性がないフィードバックの目標: 「顧客のフィードバックをより多く取り入れる」のように、どのようなフィードバックを、どれくらいの頻度で取り入れるのかが定められていない。これでは、改善点が見えにくい。改修依頼のチケットのクローズ率を何パーセントにするとかの方が分かりやすい。
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進捗が測りにくい目標: 「チームの協力を促進する」のように、具体的な行動計画や進捗を測る基準がない目標。どれだけ目標に近づいているかを知るのが難しい。協力した結果として何を想定しているのかが必要。
目標設定の際には、SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性があり、時間的に定められている)を意識するといいらしいです。
5.目標面談とその効果
目標面談では上記のダメな例を指摘し続けるのですが、その中で根本的に同じ方向を向けていないことが見えてきました。
つまり目標設定が上手くいかないのは、こちらの期待とメンバーが目標にしていることが噛み合っていないからだと気付きました。
1.の落としどころとメンバーの今期の過ごし方のイメージを擦り合わせていく作業。これが目標面談ということです。
人の心は分からないので、モチベーション高くやっているか実際のところは分からないですが、少なくとも、自発的にやってほしいことをやってくれているとは思います。
熱血にはならない
目標設定・評価に際して、個人的な思いをいうなら、熱血にはならないということです。
自分のモチベーションを超えてくる上司はたぶん鬱陶しいです。
目標設定は最終的には本人が決めて、本人が成し遂げることです。本人のペースを乱さないことが一番だと思っています。
管理職はあくまで会社側の人間であり、評価する側の人間であり、あなたがそれをやったのなら正当な評価をしましょう、という枠組みの中でやっているだけで、それ以上に過剰な行動はやる気を削ぐのではと思っています。
自己評価は高ければ高いだけいい
自己評価を謙虚につける人がいますが、自己評価は高ければ高いだけ良いです。
高くつけられるように目標を設定し、高くなるように行動し、高くなるように良い文章を書いて提出してください。
要領よくいきましょう。
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