エンジニアが顧客にメールしないといけなくなったら
エンジニア同士はあまりお決まりのメールを送ったりしない印象があります。
日常会話はSlackで、課題に対してはチケットで管理することが多く、難しいことを難しいまま話してもそれを理解すべきものとして話していると思います。
しかし、顧客に連絡するとなると話は別です。
ものすごく大規模なプロジェクトで、ものすごく損害の大きい時なんかには、サポート部隊も頭を下げに行く上司もいるので、気にしなくても良いのです。
問題はむしろ、ちょっとおかしいと思うから調べて欲しい、というような時です。
心構え
- 正解や美学に拘らず常に及第点を出す
- 宛先だけは絶対に間違えない
- 自分と顧客の一対一のメールにならないように誰かをCCに入れる
- サービスレベルを知っておく(何時間以内に対応する契約になっているかなど)
メールのテンプレ
ここでは
顧客:株式会社あいうえお 山田光
自分:いろは株式会社 鈴木薫
とします。(会社、人物は実在しません)
株式会社あいうえお 山田様
お世話になっております。いろは株式会社の鈴木と申します。
(本文)
よろしくお願いいたします。
鈴木
☆☆----・・・・
いろは株式会社 03-xxxx-xxxx
〒xxx-xxxx
(住所)
●●事業部▲▲部 鈴木薫 xxxxxx@xxxx.xx
・・・・----☆☆
- 会社名 担当者 様
会社名が長かったり複雑な場合は最初以外つけない時もあります。
会社名をつけないことを指摘されたことはないですが、ローマ字の半角全角が違ったりして指摘されたことがあるので、つけた方が正式だとは思いますが、つけなくてもいいと思います。 - 名乗り
お世話になっております。(自社名)(自分)の名前です。
挨拶なので、お世話になっているかどうか深く考えなくて良いです。 - 本文
- 結び
何かをお願いするわけではありません。結びの挨拶です。
本文との兼ね合いでくどくない程度につけます。
何かをお願いしている時の結びは「お忙しいところ恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」など丁寧にする場合もあります。 - 名前
あってもなくてもいいです。本文が短いと名乗りと近くてくどい感じがするので、雰囲気を見ながらです。 - 署名
これがあるだけで一気にそれっぽいので、なにはともあれつけましょう。
メーラーに署名を設定する場所があります。
電話かかってきて欲しくない場合は電話番号は載せません。
会社のWebサイトのアドレスを載せたり、各会社ごとに署名のテンプレートがあると思うので周りのを真似する感じでいと思います。
最初のレスポンスを早くする
メールを受け取ったとき、顧客が困って連絡してきていることを理解しなければなりません。
顧客の話は往々にして情報が足りていなかったり、異様に刺々しかったりするものですが、ちゃんと対応するから落ち着いてくださいという態度を示せば大丈夫です。一緒になって刺々しい対応をするのは絶対にいけません。
そもそもこういう顧客は、他の会社などに散々袖にされている可能性があり、ベンダは言っても言ってもやらないから強く言わなくちゃと思っている場合があります。そんなに怒らなくても対応しますよ、という態度が大事です。
勝手に謝らない&きちんと謝る
顧客がバグだと思って報告していても、単なる勘違いの場合もあります。
調べる前に謝ってしまうと、いかにもバグがあったかのような印象を与えてしまうので勝手に謝ってはいけません。
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バグじゃなかった場合(勘違い、仕様)
この場合、健全な人なら向こうから謝ってきます。
これは、恩を売るチャンスです。
この時のこちらの態度が、後々本当のトラブルの時に顧客から返ってくる態度だと思った方が良いでしょう。解決してよかったです。
くらいのフランクな言葉遣いでもいいので、なにか円満に終わっておくと良いと思います。
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バグ、サーバートラブルの場合
きちんと謝ります。きちんとというのは、謝罪プラス今どういう状況なのか。- 直ったのか直ってないのか
- 原因はなんだったのか
- 暫定対応なのか恒久対応なのか
これをどう省いて書くかはさじ加減ですが、少なくとも書かなかった事項についても聞かれたら答えられた方がよいと思います。
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一時的な不通
ネットワークかサーバーか分かりませんが、とにかく顧客が見た時には確実に起こっていたけれど、こちらでは再現しない時があります。弊社側で確認をしておりますが、再現できない状況です。
一時的な障害の可能性があります。
お手数おかけして申し訳ありませんが、再度ご確認いただけますでしょうか。サービスが一時的に利用できなかったことに違いはないので、その手間に対して謝罪はしたほうが良いと思います。
時間稼ぎをする
調査には多かれ少なかれ時間がかかりますが、顧客としては早く直して欲しいと思っています。
その会社が提示しているサービスレベルにもよるのですが、以下をこまめに連絡するとやってる感が伝わります。実際やってなかったら連絡できないのでやってるんですが、この順番は非常に大事です。
- 最初のレスポンスで今から調べることを伝える
- 不具合の状況を聞く
- 進捗、原因とどのように対応できそうか伝える
- 暫定対応をする
- 恒久対応をする
暫定対応と恒久対応の順番を間違えないでください。
顧客はとりあえず今業務が回ることが必要で、その次に二度と起こらないことを求めていますから、暫定対応に1日、恒久対応に3日かかるとしたら、暫定対応ができた時点で反映します。今の業務が回れば一旦恒久対応までの時間をもらえます。一気に4日はもらえませんが、1日の作業を反映することで次の3日の時間がもらえます。
この時間をくださいという交渉をするのもフロントに立つ者の役割です。
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