Microsoft Build 2023のAI/MLアップデート最速まとめ
はじめに
Azure OpenAI ServiceとAzure Machine Learningを中心に、Microsoft Build 2023での発表内容を簡単にまとめました!スピード優先でまとめましたので内容についてご容赦頂ければ幸いです。
なお、記事内の[Preview]等の表記は、執筆時点でPreviewになっているものと、ブログ記事等のアナウンス内で「すぐに利用可能に」や「6月にプレビュー開始!」等となっているものもまとめて表記しています。
Azure Machine Learning
Prompt Flow [Preview]
Prompt flowはAzure Machine Learningのプロンプトエンジニアリングツールです!!
GUIも活用して様々なツールやリソースを組み合わせた形でプロンプトのフローを構築できます。LangChainにも対応しています。
モデルカタログ [Preview]
モデルカタログ機能がパブリックプレビューに!Hugging Faceに登録されている代表的なモデルがビルトインされ、数クリックでマネージドエンドポイント等へデプロイ可能に。Fine-tuningも対応しています。OpenAIのWhisperモデル (音声をテキストに変換)もあります。
Announcing Foundation Models in Azure Machine Learning
責任あるAIダッシュボードの画像・テキスト対応 [Preview]
責任あるAIダッシュボードが画像とテキストデータにも対応しました!
例えば画像の物体検出で、画像内のどのエリアの影響でその分類結果になったのか、が分かりやすく可視化できます。
Responsible AI image dashboard for object detection
モデルモニタリング [Preview]
モデルモニタリング機能がパブリックプレビューに!
モデルデプロイ後の精度低下等のパフォーマンス低下を監視できます。データドリフトも予測ドリフトも監視できます。
Continuously Monitor the Performance of your AzureML Models in Production - Microsoft Community Hub
マネージドFeature Store [Preview]
ついにAzure Machine LearningにマネージドFeature storeがきました!!
特徴量エンジニアリングパイプラインを管理し、学習と推論で同じパイプラインを使うことでモデルの再現性や開発品質の向上が期待できるそうです。
Announcing managed feature store in Azure Machine Learning - Microsoft Community Hub
レジストリ [GA]
モデルやデータセットやモデルを登録してワークスペース間で共有するレジストリ機能がGAしました。これまで開発/検証環境で作ったモデルやパイプラインを本番環境へ持っていくのが大変でしたが、共有レジストリに登録することでワークスペースを跨ぐのが超便利になりました。
Announcing the general availability of Azure Machine Learning registries - Microsoft Community Hub
マネージドネットワーク分離 [Preview]
ワークスペースのマネージドネットワーク分離機能が発表されました。IT管理者側に嬉しい機能です。
これまでPrivateなワークスペースを構築する場合、自身で複数のプライベートエンドポイントを構築してネットワーク構成を管理する必要がありましたが、本機能によりワークスペースのネットワーク分離がほぼ自動化され、非常に容易になります。
Announcing Azure Machine Learning managed network isolation - Microsoft Community Hub
Microsoft Purview Data MapのMLアセット対応 [Preview]
Microsoft PurviewのData Map機能にAzure Machine Learningのアセットが対応しました。
Azure Machine Learningワークスペースを連携すると、モデル、データセット、ジョブ等が自動的にPurviewに連携されるようです。
Bringing ML assets to the Microsoft Purview Data Map - Microsoft Community Hub
Azure OpenAI Service
Azure AI Studioという名称が登場しました。
Build next-generation, AI-powered applications on Microsoft Azure | Azure Blog | Microsoft Azure
Azure OpenAI Service on your data [Preview]
スタジオ/GUIベースでChatGPT (GPT-3.5/4)と組織内のデータを連携できます。自然言語/チャットベースで組織内のテキストや画像などのデータを横断検索できるようになります。
Generative AI for Developers: Exploring New Tools and APIs in Azure OpenAI Service
プラグイン [Limited Preview]
Azure OpenAIで外部APIを使ったプラグインが使えるようになります。まずは下記サービスから対応し、ユーザー独自のプラグインにもすぐ対応するようです。
- Bing Search
- Azure Cognitive Search
- Azure SQL
- Azure Cosmos DB
- Microsoft Translator
Provisioned Throughput Model [Limited GA]
ユーザーに専用リソースを割り当て、スループットを保証した形でOpenAIモデルを利用可能になる利用形態です。
クォーター管理
ユーザーの過剰使用や公正な利用を確保するために、より細かなクォーター (利用量)管理が可能になります。リソールグループレベルでプロンプト、生成文、トレーニングのクォーター管理が可能になるようです。
OpenAI関連
OpenAI ChatGPTにBingプラグイン導入
OpenAI側のChatGPTにBingプラグインが導入されました!!まずはChatGPT Plusユーザーから。
Bing at Microsoft Build 2023: Continuing the Transformation of Search | Bing Search Blog
OpenAIのChatGPTとMicrosoft Copilot群のプラグインが共通化
OpenAIのプラグインをCopilotと相互運用可能に!!!すごすぎる
[速報]マイクロソフト、ChatGPTとCopilotのプラグイン共通化を発表。プラットフォーム化とエコシステムを促進。Build 2023 - Publickey
その他
Azure AI Content Safety Preview
Azure AI Content Safetyもプレビューに!安全でない画像/テキスト (プロンプトとか)の入力を検出できるます。Azure OpenAIやAzureMLにも組み込まれているとのこと。
(このテスト画像では、Self-harm (自傷)性が高く、Reject判定をされています)
Azure AI Content Safety – AI Content Moderation | Microsoft Azure
おわりに
今回のBuildはメインテーマがAIで、サティアのKeynoteからAI/ML関連の発表が目白押しでした。OpenAIモデルの活用や、Azure Machine Learning側にもプロンプトエンジニアリング機能が追加されるなど、大規模言語モデル (LLMs)時代の到来を感じさせる内容でした。
今回の発表でAzure Machine Learningも大々的に取り上げられましたが、Azure OpenAIからAzureに興味を持った皆様の中にはAzure Machine Learningを使ったことがない方も多いかと思います。最近分かりやすい日本語解説本が出たので始めるにはベストなタイミングです (PR)。
Re:ゼロから始めるAzure Machine Learning (電子版) - アジュール魔法魔術学校 - BOOTH
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