次期 Windows Server 2025 を Azure で試せるって知ってた?
はじめに
Windows Server 2025 って?
次期 Windows Server の名称は、Windows Server 2025 であることが発表されました。[1]
本記事執筆時点では Windows Insider プログラムを通じて Windows Server 2025 の プレビュー が提供されている状態です。
新機能が色々と追加されていますが、量も多いのでそちらは別途まとめるとして、ここでは注目ポイントかなと思っているものを少しだけ以下に記載しておきます。
- Azure Arc-enabled Servers 接続することで、HotPatch (従来は Azure Edition のみが利用可能だった機能) を利用できる [2]
- Active Directory に新しい機能レベルが追加 (Domain/ForestLevel 10) される [3]
- ワークグループクラスター (AD無しでのクラスター展開) が可能になる [4]
他、より詳しい新機能の紹介は What's new in Windows Server Insiders Preview [5] にまとまっています。
また、Ignite 2023 での情報も詳しいです。
なお、Windows Server 2025 の名称が発表された 2024年1月26日 時点でのビルドは Build 26040 [8]でしたが、本記事執筆時点(2024年3月13日)では、2024年2月22日リリースの Build 26063[9] が最新のようです。今後も随時変更が入るかと思います。また、各種機能あくまでも プレビュー である点は注意ですね。
Windows Server 2025 を試すには?
Windows Server 2025 を試すには、Windows Insider Program に参加(無料)する必要があります。
登録すると、Windows Insider Preview ビルドをダウンロードできるようになり、実際に試すことができるようになります。
物理マシンや、Hyper-V上 で試す! という場合には、Getting started with the Windows Insider Program for Windows Server から ISO をダウンロードできます。
Azure で Windows Server 2025 を試せる!?
実は Azure 上で Windows Server 2025 Preview を試すこともできます!
VM を立てて Nested Hyper-V で... というような形ではなく、なんと、Azure Portal から、直接、Azure 上にデプロイできちゃいます!![10]
なお、Azure Edition for Windows Server と 通常版 の比較 についてはこちらのドキュメント[11] に記載されています。
本題:Azure 上に Windows Server 2025 Azure Edion をデプロイしてみよう
Step1. Windows Server 向け Windows Insider Program に登録
さて、まずは Windows Server 向け Windows Insider Program に移動して、登録済みの Microsoft Server Insider となっておきます。
Step2. Marketplace から Windows Server 2025 をデプロイ
登録済みの Microsoft Server Insider になったあとは、Microsoft Server Operating Systems Preview から、早速 VM をデプロイしていきます!
プルダウン で プラン: Windows Server vNext Datacenter: Azure Edition
を選び、[作成] をクリックします。
見慣れた仮想マシンのデプロイ画面が開きます。
イメージ : Windows Server vNext Datacenter: Azure Edition
が選ばれている状態であることを確認し、各種(リソースグループ、仮想マシン名、リージョン、サイズ、管理者アカウント、パスワード等)設定を入力していきます。
設定が完了したら、[確認と作成] をクリックし、デプロイを開始します。
デプロイが完了したら、[リソースに移動] をクリックして、デプロイしたリソースを確認します。OS が Windows Server 2025 Datacenter Azure Edition
であることを確認しましょう。
Step3. Windows Server 2025 に接続して確認してみる
作成した接続するためには、RDP または Bastion などを利用します。今回は RDP [12][13] で接続しました。
接続すると、まずは diagnostic data 送信の確認が表示されました。既定のまま [Accept] をクリックして進みます。
早速、Windows Server 2025 のデスクトップが表示されました!
お馴染みの Server Manager が表示されます。
OS version など確認してみました。
デプロイされたものは 2024年2月22日リリースの Build 26063[9:1] で、24H2 と表示されていますね!
まとめ
marketplace の Microsoft Server Operating Systems Preview からデプロイするだけ!
簡単に Windows Server 2025 がデプロイできました!!
各種新機能の検証に利用できそうです!
おまけ - 新機能をいくつか確認してみる
おまけ1. OpenSSH
Windows Server 2025 以降では、Win32-OpenSSH サーバーコンポーネントがデフォルトでインストールされているようです。
Windows Server 2022 までは、以下ドキュメント記載の手順でインストールする必要がありましたが、こちらが不要になると思われます。
サーバー マネージャー UI にある Remote SSH Access
が、既定では Disabled
になっていますが、こちらをクリックすればEnabled
へ変更ができます。
Windows Firewall では Private のみ OpenSSH-Server-In-TCP を許可する設定になっていましたが、手元の作業用PC からの接続を試してみるために Public も許可に変更しました。また、Azure上にデプロイした VM ですので、NSG で tcp:22 の許可設定も必要です。
さて、手元の作業用PC から、Azure 上の Windows Server 2025 に OpenSSH で接続してみます。
できましたー!
おまけ2. AD DS フォレスト機能レベル/ドメイン機能レベル Windows Server 2025
Windows Server 2025 での大きな変更の一つは、Active Directory Domain Services (AD DS) です。新しいフォレストとドメインの機能レベルが追加され、スキーマの拡張等も行われるようです。[3:1]
少し試してみたいと思います。
GUI で AD DS を追加していきます。特段変わったところはないようです。
機能追加が終わったので、Active Direcotry Domain Services Configuration Wizard を開き、構成を行っていきます。
新規フォレストを作成します。
それぞれ、新しく追加された、
- フォレストの機能レベル: Windows Server 2025
- ドメインの機能レベル: Windows Server 2025
が選択されています。
以降は特に変わったところはありません。
特に問題なくインストールが完了しました。
PowerShell で実施する場合には以下のようになると思われます。
#
# Windows PowerShell script for AD DS Deployment
#
Import-Module ADDSDeployment
Install-ADDSForest `
-CreateDnsDelegation:$false `
-DatabasePath "C:\Windows\NTDS" `
-DomainMode "Win2025" `
-DomainName "contoso.local" `
-DomainNetbiosName "CONTOSO" `
-ForestMode "Win2025" `
-InstallDns:$true `
-LogPath "C:\Windows\NTDS" `
-NoRebootOnCompletion:$false `
-SysvolPath "C:\Windows\SYSVOL" `
-Force:$true
結果を Active Direvttory Administrative Center で確認してみます。
Windows Server 2025 と表示されていますね!
PowerShell でも確認できました。
> Get-ADForest | fl Name,ForestMode
Name : contoso.local
ForestMode : Windows2025Forest
> Get-ADDomain | fl Name,DomainMode
Name : contoso
DomainMode : Windows2025Domain
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