Sentinel の Defender 統合 ~ Sentinel data lake 有効化までの手順
はじめに
Microsoft Sentinel は、最近大きな機能変更とアップデートが行われています。特に注目すべきは以下のポイントです:
- Microsoft Defender との統合
- Defender ポータルへの移行と Azure ポータルでの操作のリタイア発表
- Sentinel data lake のリリース
これらの変更により、従来の Azure ポータル中心の運用から、新しいアーキテクチャや操作方法への移行が求められています。本記事では、Azure ポータルのみを使用しているユーザーを対象に、Defender 統合から Sentinel data lake の有効化までの手順を解説します。
Sentinel の Defender 統合
前提条件
前提条件は以下のリンクをご確認ください。
特に注意すべき点は操作時のロールです。Entra ロールと Azure ロールの双方を保持していることが必要です。
Entra ロール
グローバル管理者 OR セキュリティ管理者
Azure ロール
所有者 OR (ユーザー アクセス管理者 AND Microsoft Sentinel 共同作成者)
設定手順
Defender ポータルにて [設定] > [Microsoft Sentinel] をクリックします。
[SIEM ワークスペース] から [ワークスペースの接続] をクリックします。
接続するワークスペースを選択し [次へ] をクリックします。
[プライマリ ワークスペースの設定] で [次へ] をクリックします。
※ 前段の手順で複数選択している場合は優先するワークスペースを選択
完了画面で [接続] をクリックします。
接続完了すると以下のように表示されます。
Sentinel data lake の有効化
前提条件
前提条件は以下のリンクをご確認ください。
設定手順
Defender ポータルにて [設定] > [Microsoft Sentinel] > [データ レイク] から [セットアップの開始] をクリックします。
課金するサブスクリプション・リソース グループを指定し、[データ レイクのセットアップ] をクリックします。
※ 設定後、ポータルからは変更不可なのでご注意ください。
以下のようにセットアップ完了の画面が表示されます。
データ レイクの準備が完了すると、ホームの以下のように表示されます。(60 分程度かかります)
注意点
-
data lake を有効化すると Defender に接続している Sentinel ワークスペースの全てで有効になります。
-
既定で Azure Resource Graph と Entra のデータが data lake に取り込まれます。
-
Sentinel のログ保存期間が 31 日以上になっている場合、Defender の Advanced Hunting で検索可能 かつ Sentinel に取り込み可能な XDR 関連のテーブルは既定で Sentinel へのデータ取り込みが開始され、Sentinel のログインジェストの課金が発生します。(DeviceEvents や EmailEvents など)
-
この課金を避ける場合、以下の手順で対象のテーブルの Analytics retention / Total retention をいずれも 30 日に設定してください。
- [Microsoft Sentinel] > [構成] > [表] > 対象テーブルを選択 > Analytics retention / Total retention を 30days に設定
- [Microsoft Sentinel] > [構成] > [表] > 対象テーブルを選択 > Analytics retention / Total retention を 30days に設定
-
ドキュメント上に記載がありませんが、現時点で把握しているテーブルは以下です (正確にはサポートへお問い合わせください)
- AlertEvidence
- AlertInfo
- CampaignInfo
- CloudAppEvents
- DeviceEvents
- DeviceFileCertificateInfo
- DeviceFileEvents
- DeviceImageLoadEvents
- DeviceInfo
- DeviceLogonEvents
- DeviceNetworkEvents
- DeviceNetworkInfo
- DeviceProcessEvents
- DeviceRegistryEvents
- DeviceTvmSecureConfigurationAssessment
- DeviceTvmSecureConfigurationAssessmentKB
- DeviceTvmSoftwareInventory
- DeviceTvmSoftwareVulnerabilities
- DeviceTvmSoftwareVulnerabilitiesKB
- EmailAttachmentInfo
- EmailEvents
- EmailPostDeliveryEvents
- EmailUrlInfo
- FileMaliciousContentInfo
- IdentityDirectoryEvents
- IdentityLogonEvents
- IdentityQueryEvents
- UrlClickEvents
-
上記の課金の考え方は以下に解説があります。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/sentinel/manage-data-overview#xdr-data-retention-and-costs
Data lake tier へのテーブルの変換
Sentinel メニューの [構成] > [表] から対象のテーブルをクリックし、[Data lake tier] を選択、保存日数を設定し保存します。
データ コネクタ側からも変更が可能です。
まとめ
本記事では、Azure ポータルのみで Sentinel を運用しているユーザー向けに、以下のステップをわかりやすく解説しました:
- Defender ポータルでの Sentinel ワークスペース接続
- Sentinel data lake の有効化
- 課金に関する注意点
- Data lake tier へのテーブル変換
特に、ネットワークのアクセス ログや認証系のログなど、大容量のデータを保存し、AI を活用して分析するためには data lake は必要不可欠な機能になります。
今後の運用最適化や高度化に備え、Defender ポータルでの操作に慣れておくとともに、最適な構成を検討していきましょう。
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