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Bear Horizon くまの気持ちで英単語を学習【第2回 AI Agent Hackathon】

に公開

プロジェクトが対象とするユーザー像と課題

対象

  • 英語学習者(年齢問わず)
  • 特に英単語を覚える場面での利用

課題

英語学習者が英単語を覚えるときに、つまずきやすいポイントを3つに整理しました。
いずれも、学習のモチベーションを下げてしまう大きな要因です。

課題1. 覚えられない

英単語を覚えようとすると、多くの学習者は「英単語+日本語訳」をひたすら覚えるという方法に頼りがちです。たとえば、apple = りんご、book = 本 のように、単語と意味をセットで暗記していくスタイルです。
 しかしこの方法では、一時的に「覚えたつもり」になれても、数日後には思い出せないということがよくあります。
その理由のひとつは、単語にイメージや文脈が伴っておらず、記憶がただの「文字情報」になってしまうからです。また、単語を“点”としてバラバラに覚えてしまうため、頭の中でつながらず、記憶として定着しにくいという側面もあります。

課題2. 使えない

たとえ意味を覚えていたとしても、それが実際の会話や文章の中で「使える」状態になっているとは限りません。「知っている」のに「出てこない」、あるいは「出せない」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
 これは、単語を日本語訳とのセットでしか覚えていないことが原因です。使用シーンや言い回し、語感といった情報が欠けているため、アウトプットにつながる実用的な知識として機能しないのです。

課題3. 楽しくない

英単語学習は、単調な暗記作業になりがちです。とくに単語帳やアプリでの学習は、毎日似たような画面・同じようなやり取りが続き、達成感も得づらいです。結果として、**「やらなきゃいけない」けれど「やりたくない」**という気持ちになり、継続が難しくなります。
 楽しくない学習は続かず、続かない学習は身につかないのです。

課題へのソリューションと特徴

https://aihackathon2-463515.web.app/

コンセプト

くまの気持ちで、ことばを覚える。
英語学習というと、つい「がんばるもの」「詰め込むもの」と思いがちです。
でも、もし学ぶことがもっと自然で、もっとやさしいものだったら?

くまのように、のんびり、直感的に、言葉と出会えたら――。

このアプリは、そんな思いから生まれました。

くまの気持ちで覚えるとは?

  • 単語を「覚える」のではなく、「感じる」。
  • 絵やイメージ、状況と一緒にことばを受け取る。
  • 間違えても気にしない。焦らない。くまのペースで、ゆっくり進む
  • 覚えることより、「ことばに触れること」を楽しむ

Bear Horizon が大切にしていること

  • くまのひとことが、やさしくあなたを励ましてくれる
  • 単語の意味を、絵とストーリーで自然に理解できる
  • 頭ではなく、こころで覚える英語学習体験
  • 学ぶことが「日課」じゃなく、「ひとときの癒し」になること

英語は、がんばるものじゃなくて、
好きになるもの。くまといっしょに、ことばの世界を旅しましょう。

カード作成

この機能では、新しい単語カードを自分で作成できます。
英単語を入力すると、簡単な英語を用いた意味と簡単な例文を生成します。
さらに、AIが自動で視覚イメージ(イラスト)を生成してくれます。

  • 日本語に頼らず、簡単な英語と文脈で理解する
  • 視覚イメージと一緒に覚えるから、記憶に残りやすい
  • 単語の雰囲気・感情・使い方まで、感覚的にインプットできる

フラッシュカード

この機能では、イメージイラストを手がかりに、英単語を思い出す練習を行います。
「単語 → 日本語訳」という一方向の暗記ではなく、
イメージ → 英語という逆方向のアウトプットを通じて、語彙の定着を深めます。

  • 日本語を介さず、英語のままイメージで思い出すことで、記憶の定着率が高まります
  • 視覚・文脈・感情と結びつけた記憶になるため、実践的な語彙力に変わります
  • AIが自動生成したイラストによって、ことばの印象が深まり、記憶のフックになります

Inspiration

この機能では、「くま」の視点から優しく励ます短い英語の名言をAIが自動生成し、音声で聞くことができます。英語学習者が前向きな気持ちで続けられるよう、心温まるやさしいメッセージが届きます。

  • AIがくま視点の優しい励ましの英語メッセージを生成
  • 短くて覚えやすい20語以内の名言スタイル
  • 音声再生でリスニング練習にも最適
  • 毎回違うメッセージで飽きずに学習を続けられる

デモ

https://www.youtube.com/watch?v=tm6oHoGdCjk

システム アーキテクチャ

システムアーキテクチャ解説

Frontend

  • Firebase Hosting
    NuxtJSで開発しました。静的ファイルをホスティングします。

  • Firebase Authentication
    Googleログインで、ユーザー認証をします。

  • Firestore
    単語データの保存に利用しました。

  • Cloud Storage for Firebase
    イメージイラストの画像ファイルと音声ファイルを保存します。

Backend

  • Cloud Functions for Firebase
     アプリの裏側で動作するサーバーレスAPIとして、各種AI生成処理(意味・例文作成/イメージ作成/音声作成/名言作成)を担います。

生成AI

  • Vertex AI

    • 単語をもとにした意味・例文作成と画像生成用プロンプトを生成
    • 各種データを扱いやすいようにjson形式で返すよう指示
      You are an assistant that generates illustration prompts for English vocabulary learning.
      // 役割を設定します。
      Given a single English word, return a JSON object with three fields:
      // JSON形式で返すようにします。
      1. "simple_definition": A short definition in simple English. Use no more than 10 words.
      // 意味を「簡単な英語」で、10語以内で定義すること。
      2. "image_prompt": A specific and concrete description of a visual scene that illustrates the word’s meaning.
      // 単語の意味を視覚的にわかるように描写するシーンを、具体的かつ詳細に記述する。
      3. "example_sentence": A simple sentence using the word in context.
      // 単語の自然な使い方がわかるような簡単な例文を加える。
      If the input is not a valid English dictionary word, or if it is a non-English word, a made-up word, return an error.
      {"error": "Invalid input. Please enter a single valid English word."}
      Only return the JSON object without any explanation or formatting.
      // 不正な入力だった場合はエラーを返す
      
  • Vertex AI Imagen

    • 生成したプロンプトを元に画像生成
    • くまを登場させ、やさしいイラストを生成するよう指示
      Create a simple flat-style vector illustration.
      // シンプルなフラットスタイルのベクターイラストを生成します。
      
      If the prompt includes human characters, replace humans with a bear character.
      // プロンプトに人間が含まれている場合は、人間の代わりにくまキャラクターに置き換えます。
      
      The illustration should be child-friendly, minimalist. Use a pastel or beige background.
      // 子どもにもやさしい印象のミニマルな構図で、背景はパステルまたはベージュ系に統一。
      
      Do not include any text or writing anywhere in the image.
      // 画像内に文字や英単語は一切含めません。
      
  • Text-to-Speech

    • 名言や単語の発音を音声合成

ソースコード

https://github.com/michan74/english_bear

今後

このアプリは、より自然で楽しい英語学習体験を目指して、今後以下のアップデートができればと考えています。

1. イラスト生成の精度向上

難しい単語や抽象的な概念にも対応できるよう、生成AIのイラスト精度を強化します。
より直感的に意味を理解できる視覚教材として、学習効果の向上を図ります。

2. 写真から学べる英語認識機能

ユーザーが撮影・アップロードした写真から、「もの」や「動作」をAIが認識し、対応する英単語・フレーズを提案。日常の中で英語に触れ、実感を伴って覚える学習体験を提供します。

3. フラッシュカードを使った会話レッスン

ユーザーが登録したフラッシュカードをもとにした、AIとの英会話レッスン機能。単語の理解にとどまらず、実際の会話での使い方まで練習できるようになります。

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