Open2
ファイルシステムのデータブロック数、リザーブブロック数について
- データブロックとは:
- ファイルシステムの実データを格納する最小単位
- 通常4KBが標準的なサイズ
- リザーブブロックとは:
- システム用に予約された領域
- デフォルトでは全体の5%
- root用に確保される空き容量
- 情報表示コマンド:
a) tune2fs:
# ファイルシステムの詳細情報表示
tune2fs -l /dev/sda1
主な表示項目:
- Block count:総ブロック数
- Reserved block count:予約ブロック数
- Free blocks:空きブロック数
- Block size:ブロックサイズ
b) dumpe2fs:
# より詳細な情報表示
dumpe2fs /dev/sda1
# スーパーブロック情報のみ表示
dumpe2fs -h /dev/sda1
c) df:
# ブロック単位での使用量表示
df -k
# 人間が読みやすい形式で表示
df -h
- リザーブブロックの調整:
# 予約ブロック比率の変更(2%に設定)
tune2fs -m 2 /dev/sda1
# 予約ブロック数を直接指定
tune2fs -r 10000 /dev/sda1
- 確認のポイント:
- 総ブロック数
- 使用中ブロック数
- 空きブロック数
- 予約ブロック数
- ブロックサイズ
- よく使用されるシナリオ:
- システム容量の監視
- パフォーマンス最適化
- ストレージ計画
- トラブルシューティング
debugfsコマンド
- ext2/ext3/ext4ファイルシステムのデバッグツール
- ファイルシステムの詳細情報を表示・操作可能
- 強力だが注意して使用する必要がある
主な使用方法:
- 基本的な情報表示:
# 対話モードで起動
debugfs /dev/sda1
# -R オプションで直接コマンド実行
debugfs -R 'stat /file.txt' /dev/sda1
- よく使用する -R オプションのコマンド:
# スーパーブロック情報の表示
debugfs -R 'show_super_stats' /dev/sda1
# iノード情報の表示
debugfs -R 'stat <ファイル名>' /dev/sda1
# ブロック使用状況の表示
debugfs -R 'blocks <ファイル名>' /dev/sda1
# ディレクトリ内容の表示
debugfs -R 'ls -l' /dev/sda1
- 特徴:
- 読み取り専用モードがデフォルト
- 詳細な情報にアクセス可能
- 低レベルの操作が可能
- 注意点:
- root権限が必要
- 誤操作でデータ損失の可能性
- 可能な限り読み取り専用モードで使用
- トラブルシューティングでの使用例:
# 削除されたファイルの情報確認
debugfs -R 'lsdel' /dev/sda1
# 特定のブロックの内容確認
debugfs -R 'dump <ブロック番号>' /dev/sda1