Open1
sa1,sa2コマンドとシステムのcrontabについて
sa1とsa2コマンド
sa1コマンド:
-
主な役割:
- システムの活動データを「収集」する
- データを一時的なバイナリファイルとして保存
- 生データの収集が目的
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動作タイミング:
- 通常10分おきに実行(設定による)
- 1日を通じて定期的に実行される
-
出力先:
- /var/log/sa/sadd ファイル(ddは日付)
- バイナリ形式で保存
sa2コマンド:
-
主な役割:
- 収集されたデータを「レポート化」する
- 1日分のデータをまとめる
- 人間が読めるレポートを作成
-
動作タイミング:
- 通常1日1回(深夜)に実行
- その日のデータをまとめる
-
出力先:
- /var/log/sa/sardd ファイル(ddは日付)
- テキスト形式のレポート
簡単な例え:
- sa1:1日中メモを取り続ける記録係
- sa2:1日の終わりにメモをまとめてレポートを作る編集者
このように、sa1は「データ収集」、sa2は「レポート作成」という異なる役割を持っています。
両者が連携することで、システムの活動状況を継続的に監視・分析することができます。
システムのcrontab
基本概念:
- 定期的なタスクを自動実行するためのスケジューラ
- システム全体のcrontabと、ユーザー個別のcrontabがある
主要な場所:
/etc/crontab # システム全体のcrontab
/etc/cron.d/ # 追加のcrontabファイル
/etc/cron.daily/ # 日次実行スクリプト
/etc/cron.hourly/ # 毎時実行スクリプト
/etc/cron.weekly/ # 週次実行スクリプト
/etc/cron.monthly/ # 月次実行スクリプト
crontabの書式:
分 時 日 月 曜日 実行ユーザー コマンド
例:
# 毎日10分おきにデータ収集
*/10 * * * * root /usr/lib64/sa/sa1 1 1
# 毎日23:53に日次レポート作成
53 23 * * * root /usr/lib64/sa/sa2 -A
時間指定の説明:
- 分:0-59
- 時:0-23
- 日:1-31
- 月:1-12
- 曜日:0-7(0と7は日曜日)
特殊文字:
- *:すべての値
- */n:n間隔で実行
- 1-5:1から5まで
- 1,3,5:1,3,5のときに実行
具体例:
# 毎時0分に実行
0 * * * * コマンド
# 平日の9時から17時まで1時間おきに実行
0 9-17 * * 1-5 コマンド
# 毎月1日の0時0分に実行
0 0 1 * * コマンド
sysstatパッケージのcrontab設定:
- 通常、インストール時に自動的に設定される
- /etc/cron.d/sysstatに設定が保存される
- データ収集間隔やレポート作成時刻を調整可能
トラブルシューティング:
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ログの確認:
tail -f /var/log/cron
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crontabの構文確認:
crontab -l
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権限の確認:
ls -l /etc/cron.d/
LPIC学習メモ