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RAIDの概要と構築・運用方法について
- RAIDとは:
- Redundant Array of Independent Disks
- 複数のディスクを組み合わせて使用
- データの冗長性やパフォーマンス向上が目的
- 主なRAIDレベル:
RAID 0(ストライピング):
- データを分散して保存
- 高速だが冗長性なし
- 必要ディスク数:2台以上
利点:高速
欠点:1台故障でデータ損失
RAID 1(ミラーリング):
- 同じデータを複製
- 完全な冗長性
- 必要ディスク数:2台以上
利点:安全性が高い
欠点:使用容量が半分
RAID 5:
- パリティ情報を分散して保存
- バランスの取れた方式
- 必要ディスク数:3台以上
利点:容量効率とパフォーマンスのバランス
欠点:1台までの故障に対応
RAID 6:
- ダブルパリティ
- より高い冗長性
- 必要ディスク数:4台以上
利点:2台までの故障に対応
欠点:書き込み性能がやや低下
- RAIDの構築(mdadm使用):
インストール:
sudo apt-get install mdadm
RAID作成例(RAID 1):
# RAID 1の作成
sudo mdadm --create /dev/md0 --level=1 --raid-devices=2 /dev/sdb1 /dev/sdc1
# RAIDの状態確認
cat /proc/mdstat
- RAID管理コマンド:
状態確認:
# 詳細情報表示
sudo mdadm --detail /dev/md0
# 状態監視
sudo mdadm --monitor
ディスク追加/削除:
# ディスク追加
sudo mdadm --add /dev/md0 /dev/sdd1
# ディスク削除
sudo mdadm --remove /dev/md0 /dev/sdd1
- RAID設定ファイル:
/etc/mdadm/mdadm.conf:
ARRAY /dev/md0 metadata=1.2 name=server:0 UUID=xxxxx
- 障害対応:
ディスク故障時:
# 故障ディスクの確認
sudo mdadm --detail /dev/md0
# 故障ディスクの交換
sudo mdadm --remove /dev/md0 /dev/故障ディスク
sudo mdadm --add /dev/md0 /dev/新ディスク
- RAIDの運用管理:
定期チェック:
# RAIDの整合性チェック
echo check > /sys/block/md0/md/sync_action
# チェック進行状況確認
cat /proc/mdstat
RAID10に関する説明
- RAID 10:複数の本棚のペアを作る
- ミラーリング+ストライピング
- 高速かつ安全
- 容量:全体の50%
- 各ミラーセットで1台まで故障対応
- 最低4台必要
RAIDの構築例
RAID 10の作成
# RAID 10の作成(4台使用)
sudo mdadm --create /dev/md0 --level=10 --raid-devices=4 /dev/sdb1 /dev/sdc1 /dev/sdd1 /dev/sde1
- 高性能と高信頼性が必要
- コストは気にしない
- 例:データベースサーバー