Closed2

sysstatパッケージとは

ひでひで

sysstatパッケージとは

  • システムのパフォーマンスを監視し、データを収集・記録するためのツール群です。
  • コンピュータの「健康診断」や「活動記録」を取るようなものです。
  • これから紹介するコマンドは、ubuntuやRHELなど様々なLinux ディストリビューションに含まれています。

主なコマンド

  1. sar (System Activity Reporter):

    • システムの活動状況を記録・報告します。
    • 例:CPU使用率、メモリ使用率、ディスクI/O、ネットワーク統計など
    • 使用例:
      sar        # 現在のCPU使用状況を表示
      sar -r     # メモリ使用状況を表示
      sar -n DEV # ネットワークインターフェースの統計を表示
      
  2. iostat:

    • CPU統計とディスクI/O(入出力)の統計情報を表示
    • ハードディスクやSSDの使用状況を確認できる
    • 使用例:
      iostat     # 基本的な統計を表示
      iostat -x  # 詳細な情報を表示
      
  3. mpstat:

    • CPUごとの詳細な統計情報を表示
    • マルチプロセッサシステムの監視に便利
    • 使用例:
      mpstat     # すべてのCPUの統計を表示
      mpstat -P ALL  # CPU別の詳細を表示
      
  4. pidstat:

    • 実行中のプロセスの統計情報を表示
    • 特定のプログラムの動作状況を確認できる
    • 使用例:
      pidstat    # すべてのプロセスの統計を表示
      pidstat -r # プロセスのメモリ使用状況を表示
      

データの収集:

  • 通常、cron(定期実行)によって自動的にデータが収集される
  • /var/log/sa/ ディレクトリにデータが保存される

使用例:

  • サーバーの性能監視
  • システムの問題診断
  • 長期的な性能傾向の分析

LPIC学習メモ

ひでひで

sysstatコマンドパッケージに含まれる主要なコマンドについて

  1. 主要なコマンド一覧:
sar      : システム活動レポート
iostat   : I/O統計情報
mpstat   : CPU統計情報
pidstat  : プロセス統計情報
sa1      : システムデータ収集
sa2      : システムレポート生成
sadc     : システム活動データコレクター
  1. 各コマンドの詳細:

A. sar(System Activity Reporter):

# 基本的な使い方
sar -u       # CPU使用率
sar -r       # メモリ使用率
sar -b       # I/O転送率
sar -n DEV   # ネットワーク統計
sar -q       # システム負荷

# 過去のデータ確認
sar -f /var/log/sa/sa01    # 1日のデータ確認

B. iostat(Input/Output Statistics):

# 基本的な使い方
iostat         # 基本的なI/O統計
iostat -x      # 詳細なI/O統計
iostat -p ALL  # パーティション別統計

# インターバル指定
iostat 2 5     # 2秒間隔で5回表示

C. mpstat(Multiprocessor Statistics):

# 基本的な使い方
mpstat         # 全CPU統計
mpstat -P ALL  # CPU別統計

# インターバル指定
mpstat 2 5     # 2秒間隔で5回表示

D. pidstat(Process ID Statistics):

# 基本的な使い方
pidstat        # プロセス統計
pidstat -r     # メモリ統計
pidstat -d     # I/O統計
pidstat -u     # CPU使用率

# 特定プロセスの監視
pidstat -p PID
  1. データ収集コマンド:

A. sa1:

# 通常はcronで実行
/usr/lib/sysstat/sa1 1 1   # 1秒間隔で1回データ収集

B. sa2:

# 日次レポート生成(通常はcronで実行)
/usr/lib/sysstat/sa2 -A
  1. 設定ファイル:
# 主な設定ファイル
/etc/sysstat/sysstat      # 基本設定
/etc/cron.d/sysstat      # クロン設定
  1. データの保存場所:
/var/log/sa/      # 生データ保存ディレクトリ
/var/log/sysstat/ # レポート保存ディレクトリ
  1. crontabでの設定例:
# /etc/cron.d/sysstatの例
*/10 * * * * root /usr/lib/sysstat/sa1 1 1
53 23 * * * root /usr/lib/sysstat/sa2 -A
  1. 重要な注意点:
  • データ収集はシステムに負荷をかける可能性
  • 長期保存データの管理が必要
  • 適切なインターバル設定が重要
  • ディスク容量の考慮
このスクラップは1ヶ月前にクローズされました