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LLM & MCPが変えるSEOの未来
前提思想
- 2025年4月現在のLLM関連の(普及している)仕様はほぼすべて過渡期であると考える
- 過渡期ではあるが、抽象的な思想自体は半永久的に残る
- MCPサーバーを個人がセットアップしてMCP Clientに繋げる現在の運用は永続的ではない(セキュリティ面、リテラシ面、適切なツールを選定する難しさ、MCPサーバー自体の出来に格差があるなど)
- LLMが同時並行的に大量のMCPを抱えるのはContextや適切なTool選定の観点で限界がある。いずれ、そもそも利用するMCPの多様性を受け入れないといけない時代が来る
SEOの未来(Lv. 1)
- LLMにユーザーが「オンライン家庭教師探す。子どもは中学2年生」と送信
- LLMはWeb Search Toolを利用し、「オンライン家庭教師 中学生」などで検索
- 上位数サイトにおいて、llms.txt(の、進化版)をフェッチ
- この未来ではllms.txtには当該サイトのMCPサーバーの仕様書が記載されている(llms.jsonのほうが自然か)
- LLMがMCPをコールして、オンライン家庭教師のデータを一覧化
- ユーザーは一覧されたオンライン家庭教師の中から気になるURLを開く
解説
- llms.txtがめちゃめちゃ過渡期だが、思想としてはとてもよいと思う
- この未来ではWeb検索自体は残っており、SEO自体は無意味になっていないが、エンドユーザーがLLMを通している(ブラウザではなく)ことを前提に、自社用MCPサーバーを公開し、llms.txtあらためllms.jsonに仕様を記載しておくことでそれらのクライアントに対して有利になる
- MCPサーバーの利用数で、LLM経由の検索数もメトリクスできるので、Google Analyticsなどと統合できてWeb検索とLLM検索のシェア率が取れてビジネス的な投資判断も可能
- MCPサーバーがHTMLを返すよりよりトークン数や解釈余地の観点で望ましいデータ形式・テキスト形式が発案されていると面白そう(適切なコンテンツかの判断はLLMが行うため)
Google検索だけじゃなくてYahooとかBingも考慮していた時代に発想としては近い。
SEOの未来(Lv. 2)
- MCPサーバーにおけるGitHubみたいなサービスのデファクトスタンダードが爆誕していて、LLMはWeb Search Toolの代わりに当該サービスにおいてSearchする。事業者はそのMCPHub内検索最適化MCPEOを行っている世界線
- この場合は、ユーザーは初手で各オンライン家庭教師サービスのURLを開くことができる
解説
- GoogleはGeminiを伸ばして必死なのはここを取られるとWeb検索の即死に繋がりかねないからではないかと思ったり。LLMが直接、各サービスのMCPを見つけられるようになってくると、Web検索を介する必要性がなくなる。
- 他方、当然ながらこの文脈におけるMCPHubの責任は非常に重大である。黎明期には検索エンジン乱立時代のように、LLMにユーザーがMCPHubをバイネームで指定できる時代があり、こういう用途の検索ならこのエンジンがより適切なMCPを見つけてくれる!といった時代が来るかもしれない
Webサービス運営・開発は(集客観点で)どのように変わるか?
- UIが重要なのはおそらく変わらない。結局サイト上から最終的にCVしてもらうことが変わらないから
- ※前提として、仮にLLMにStripeなどが接続されて直接決済できる世界線が来たとしても、意思決定をLLMが返すテキストだけで行うのは限界がある。Rendering自体の能力でブラウザを上回るのは困難。LLM内でiframe表示ができるようになる世界線は来るかも。ただこの場合でもUIは大事。CVしたいと思わせるコンテンツを適切に表現するべき
- SEOから逃れられると思いきや、簡単にSEOからユーザーが離れるわけもなく、同時並行的にMCPEOも求められてより忙しくなる可能性もある。ただ自社サービスのユーザーがLLMによる検索体験に馴染むまでの年数によるか
- 要は、WebからLLMを呼ぶ分には大して変わらないが、LLMからWebが呼ばれるようになるとゲームチェンジというかゲームインクリースになる感じがする