docker-compose × Firebase Emulatorでローカル環境構築

2020/11/30に公開

※本記事はこちらのスライドを marp で変換して作成する元になった markdown ファイルです

Firebase の使いどころ

課題

  • 当時:ステージング用 Firebase を各開発者がローカルでも利用
    • データやアカウント情報が混ざってややこしい
  • Web バックエンド(MySQL + Laravel/NestJS)との連携
    • MySQL で発行した uid をベースとしたカスタムトークン認証をやっているので、uid が各々の環境でかぶって混乱する

Emulator の概要

  • CLI から擬似的な Firebase 環境を起動できる仕組み
    • localhost はもちろん、コンテナ内や CI でも起動できる
    • Auth/Firestore/Functions/Hosting 等に対応

主な利用用途

  • Firestore のセキュリティルールのテスト
  • docker-compose で共通の network を使うことで、MySQL が発行した uid を共通で利用するなどの連携ができる

Emulator セットアップの全体的な流れ

  • Docker コンテナ作成
    • Node.js コンテナの Dockerfile を書く
    • docker-compose.yml で他コンテナのネットワークと接続
  • コンテナを起動する
    • bash で入り込み、エミュレータを起動する
  • ソースコードの書き換え
    • 環境変数を見て、Emulator の利用可否を分岐する

Docker コンテナ作成

FROM node:10-buster

RUN apt-get update -y

RUN apt-get install -y curl openjdk-11-jre-headless

RUN curl -sL https://deb.nodesource.com/setup_10.x | bash - \
    && apt-get install -y nodejs

RUN npm install -g firebase-tools && mkdir functions

COPY ./package.json ./
COPY ./yarn.lock ./
COPY ./functions/package.json ./functions/.
COPY ./functions/yarn.lock ./functions/.

docker-compose.yml

version: '3.7'

networks:
  server:
    external:
      name: XXXXXX

services:
  firebase:
    build:
      context: .
      dockerfile: ./docker/local/Dockerfile
    volumes:
      - ./:/opt/workspace:cached
    ports:
      - 9099:9099 # Auth
      - 4000:4000 # Emulator Suite UI
      - 5001:5001 # Cloud Functions
      - 8080:8080 # Cloud Firestore
    environment:
      USE_LOCAL_BACKEND: 1
    working_dir: /opt/workspace
    networks:
      - server
    command: bash -c 'yarn && cd functions && yarn && /bin/bash'
    tty: true

docker-compose.yml ポイント

Web コンテナの docker-compose network と接続する
これにより http://nginx 等で Web に接続できるし、Web からも http://firebase:9099 等の URI で Emulator に接続できる

networks:
  server:
    external:
      name: XXXXXX_default

Emulator の起動画面(Firestore)

http://localhost:4000/firestore

h:450

データの Export/Import

以下のコマンドで Emulator 内のデータは出し入れできるので、
基本的なデータを入れたら Seeder 代わりに開発メンバー間で共有するのがおすすめ

firebase emulators:export ./data/export_my_data -P default
firebase emulators:start -P default --import=./data/export_my_data

フロントエンドから呼び出し

useAuth/useFirestore/useStorage(Storage は将来に期待)という命名で export

const enabledEmulator = () => process.env.USE_FIREBASE_EMULATOR

export const useAuth = () => {
  auth = firebase.app().auth()
  if (enabledEmulator()) {
    auth.useEmulator('http://localhost:9099')
  }
  return auth
}

フロントエンドから呼び出し2

ざっくりこんな感じです

useAuth().onAuthStateChanged((user) => {
  state.firebaseUser = user;
});
const collection: CollectionReference<Room> = useFirestore().collection(
  "rooms"
);

バックエンド(例:NestJS)からの呼び出し

AdminSDK からの接続も Emulator 対応している

docker-compose で接続しているのでホスト名は firebase

import * as admin from "firebase-admin";
// ...
admin.firestore().settings({
  host: "firebase:8080",
  ssl: false,
});

React Native Emulator と接続

Nuxt⇔React Native 間でのリアルタイムチャットがローカル環境完結で実現できる!

bg right:50% w:100%

Storage には未対応

  • Auth/Firestore/Functions/Hosting に並んでよく使われていると思われる Storage には未対応
  • つまり、Storage の動作確認をしたければそこだけステージングの Firebase に引き続きアップロードされる
    • セキュリティルールとか、Function のテストとかは相変わらず生の Firebase を使わないといけない
    • 各開発者が個人用の Firebase を持って運用するのも一案

所感

  • 思ったより完成度が高かった
    • 特に Firestore を hook にした Functions が動くのはちょっと感動
    • Admin SDK も Emulator を向いて使える
    • Auth は Custom Token を使った認証もいける
  • 今後の課題
    • Storage 対応

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