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AIに壁打ちしたら、ひとり会社の運営が楽になった話

に公開

1人アドベントカレンダー2025 5日目。

今日は、少し恥ずかしいけれど「AIに助けられた実話」を書きます。

はじめに

私はひとり会社を運営しています。本業ではシステムエンジニアとして働きながら、小さな会社「Wells合同会社」でシステム開発支援やハンドメイド事業をやっています。

ひとり会社の良いところは、全部自分で決められること。
でも、裏返すと 全部ひとりで決めなければいけない という負荷があります。

相談相手がいない。
相談できても、最終的には自分でやらなければいけない。
日々の業務の中で「タスクだけが積み上がる」状態が続いていました。

転機は「Claude Code」を使ったときでした。
ずっと後回しにしていた会社ホームページが、AIに相談しながら数時間で完成してしまったのです。

“あれ? これ、ひとりで抱えなくていいのかもしれない。”

そこから ChatGPT や Claude.ai に少しずつ相談するようになり、気づけば AI は、私のひとり会社の「相談相手」になっていました。

1年分溜まった記帳を、AIと一緒に片付けた

まずお恥ずかしい告白から。
freee会計の記帳が 1年分 溜まっていました。

  • レシートは50枚
  • 未処理取引265件
  • 見るだけで気が重くなる状態

「どこから手をつければいいかわからない」と Claude に相談してみました。

返ってきた提案はこうでした。

  • まずは毎月同じ処理の給与・社保(勢いがつく)
  • 次に売上
  • 最後に経費(レシート整理が必要)

そして、ひと言。

「給料・社保から始めると勢いがつきますよ」

試しにやってみると、本当にペースが出てきました。

進捗を報告してみると、Claude はこんな反応を返してきます。

「265件 → 255件になりましたね!このペースならすぐ終わりますよ。次は Square に行きますか?」

まるでゲームの進捗管理のようで、気持ちよく作業が進む。
深夜でも朝方でも、淡々と伴走してくれます。

結果:265件すべて処理完了。取引の消し込みも終了。

AIなら、どんな小さな前進でも喜んでくれるし、待たせる必要もない。
その気軽さが、私の背中を押し続けてくれました。

ハンドメイド事業の失敗を、AIと整理した

ハンドメイド事業ではイベント出店もしています。
新宿駅前のイベントでは海外のお客さんが多かったため、「インバウンド狙いだ」と思い英語POPを用意して次の根津神社イベントに臨みました。

しかし、結果は…

  • 売上 2,000円
  • 出店料 4,200円
  • 純損失 2,200円

落ち込みそうになりつつ、Claude に相談すると返ってきたのは冷静な分析でした。

  • 「インバウンド需要は新宿特有の可能性が高い」
  • 「観光地×ペット用品の相性は予想より弱い」
  • 「物販よりワークショップの方が強みを活かせる」

さらに、「やること/やらないこと」を整理してくれました。

やらないこと

  • BASE契約
  • 販売チャネルの乱立
  • 出店料の高いイベント

集中すること

  • minne と Square の見直し
  • ワークショップを“人との出会いの場”として位置づける

特に刺さったのは、私のストレングスファインダーを踏まえたアドバイス。

「人と会うのは得意。でも継続的なコミュニティ運営は負荷になりやすい。
だからワークショップは単発形式が向いています」

自分の特性に合わせた戦略は、まさに“コーチング”でした。

苦手なマーケティングを、AIと一緒に乗り越える

SNSでの宣伝、イベント告知、商品説明文。
どれも必要なのに、どうしても後回しにしてしまう。

AIに相談するとその場で文案を出してくれるのですが、あるとき素直にこう言いました。

「どうしても、アピールするのが恥ずかしいんですよね」

すると Claude はこう返しました。

「“買ってください”ではなく、“こういう人に届くと嬉しい” に視点を変えてみては?」

この言葉で、スイッチが入りました。
“ワンクッション”としてAIに相談することで、自分の作品を客観的に見られるようになり、心理的ブロックが外れたのです。

挑戦が怖いときも、

  • 失敗したら一緒に振り返ればいい
  • 相談すれば別の案を出してくれる

その安心感が、行動のハードルを下げてくれました。

AIをどう使い分けているか

ここまでが“AIに相談して得られた変化”。
では、実際どう使い分けているのか。

Claude Code
コーディングや文章構成の相談に最適。ターミナルで流れが途切れない。

Claude.ai
深い壁打ち・意思決定・自己理解の対話が得意。
プロジェクト機能で情報を蓄積できるのも便利。
逆に、継続の必要がある内容は、チャットの上限があるため工夫が必要。

ChatGPT
技術的な質問や学習の伴走に強い。
英語学習が180日以上続いているのも ChatGPT のおかげ。

Gemini
毎日続けたいタスクのコーチングに向いている。
リマインド系が強く、健康管理やルーティンに相性が良い。

AIにも個性があり、「誰に相談するか」で得られる効果が変わります。

AIコーチングのTips

いくつもの相談を経て、「AIに相談して物事が進むときの特徴」が見えてきました。

1. 「何から手をつければいいかわからない」と正直に言う

状態を伝えるほど、実践的なアドバイスが返ってきます。

2. 自分の特性を共有しておく

ストレングスファインダーなどを共有すると、自分向けの助言がもらえます。

3. 選択肢を出してもらった後、「どう判断すればいい?」と聞く

判断基準を提案してくれるので、決断が楽になります。

4. 苦手の“原因”を一緒に分析する

心理的ブロックが見つかることが多く、行動につながりやすい。

5. 情報不足は「質問して」と伝えておく

自動暴走を防ぎ、完成物の品質が上がります。

6. AIごとの得意分野を知る

コーチング向き、技術向き、継続管理向きなど個性があります。

おわりに

振り返ると、AIは「正解を教える存在」ではなく、

“行動を後押ししてくれる、ひとり会社の相棒”

でした。

もちろん、最終判断は自分自身。
AIが間違うこともあります。
それでも、ひとりで悩む時間は確実に減りました。

深夜でも早朝でも遠慮なく相談できる。
どんな小さな進捗も一緒に喜んでくれる。
怒られない。責められない。急かされない。

ひとりで会社を運営している人、ひとりで悩む時間が多い人。
AIを「相談相手」として迎えてみると、本当に少しだけ楽になります。おすすめです。


明日は「技書博で印刷会社の方と特殊印刷を語った話」を書く予定です。

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