LinuxでGoogle Driveを使うならrclone一択!マウントから自動同期まで(2025年版)
はじめに
LinuxデスクトップやCUIサーバーを運用していると、「Google Driveのファイルをどうやって同期しよう?」という問題に直面します。公式のクライアントがないため、サードパーティ製のツールを使う必要があります。
かつてはgoogle-drive-ocamlfuseでマウントしたり、Grive2で同期したりといったツールが使われていました。しかし現在では、 rclone という単一のツールで、これら全てのことが、より安定して実現できます。
この記事では、自身の古いメモを現代版にアップデートする形で、rcloneを使ってGoogle DriveをLinuxで活用するための手順をまとめます。
rcloneとは?
rcloneは、様々なクラウドストレージサービスをコマンドラインで操作するための、いわば「クラウドストレージの万能ナイフ」です。Google Driveはもちろん、Dropbox, Amazon S3, Backblaze B2など、数十ものサービスに対応しています。
Step 1: rcloneのインストール
ディストリビューションのパッケージマネージャからもインストールできますが、公式サイトのインストールスクリプトを使うのが最も簡単で、常に最新版が手に入ります。
curl [https://rclone.org/install.sh](https://rclone.org/install.sh) | sudo bash
Step 2: Google Driveへの接続設定
次に、rclone configという対話形式のコマンドで、Google Driveアカウントとの連携設定を行います。
rclone config
以下のように、順に質問に答えていくだけです。
-
n)New remote -
name>gdrive (など、好きな名前を入力) -
Storage>drive (Google Driveの番号またはdriveと入力) -
client_id>Enterキー (空のまま) -
client_secret>Enterキー (空のまま) -
scope>1 (Full accessを選択) -
root_folder_id>Enterキー (空のまま) -
service_account_file>Enterキー (空のまま) -
Edit advanced config?>n (No) -
Use auto config?>y (Yes)- → ブラウザが自動で開き、Googleアカウントの認証画面が表示されるので、許可します。
-
Configure this as a team drive?>n (No) -
y/e/d>y (Yes, this is OK) -
q)Quit config
これで、gdriveという名前でGoogle Driveに接続できるようになりました。
Step 3: 基本的な使い方(同期とマウント)
rcloneの主な使い方は「同期」と「マウント」の2つです。
ファイルを同期する (sync)
ローカルのディレクトリとGoogle Driveのディレクトリを同期します。バックアップに便利です。
# ローカルの~/Documentsを、Google DriveのルートにあるBackup/Documentsに同期
# (ローカルにないファイルはリモートから削除されるので注意)
rclone sync ~/Documents gdrive:Backup/Documents
ファイルシステムとしてマウントする (mount)
Google Driveを、あたかもローカルのディレクトリであるかのようにマウントします。ファイルマネージャーから直接ファイルを操作できるようになり、非常に便利です。
# マウントポイントを作成
mkdir ~/GoogleDrive
# マウントを実行 (--daemonでバックグラウンド実行)
rclone mount gdrive: ~/GoogleDrive --daemon
これで、~/GoogleDriveディレクトリが、あなたのGoogle Driveのルートディレクトリとして振る舞います。アンマウントする場合はfusermount -u ~/GoogleDriveを実行します。
Step 4: cronで定期的に同期する
Grive2で行っていたような定期的な同期も、cronと組み合わせれば簡単に実現できます。
# crontabを編集
crontab -e
# 15分おきにローカルのDocumentsをGoogle Driveに同期
*/15 * * * * /usr/bin/rclone sync ~/Documents gdrive:Backup/Documents --quiet
おわりに
rcloneを一度設定してしまえば、かつて複数のツールで実現していたGoogle Driveとの連携が、たった一つのコマンドで、より柔軟に行えるようになります。
Google Driveだけでなく、他のクラウドストレージを使う際も同じ作法で操作できるのがrcloneの最大の強みです。ぜひ、あなたのLinux環境のデータ管理に役立ててください。
この記事で紹介した内容以外にも、技術情報をブログで発信しています。
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