Linux(Fedora/Rocky)にAndroid Studioを導入する2025年版セットアップメモ
はじめに
普段はサーバーサイド開発がメインのエンジニアでも、ちょっとしたツールやIoT連携などで、Androidアプリを開発する必要に迫られることがありますよね。
この記事では、書き溜めていた古いメモを元に、最新のLinux環境(FedoraやRocky LinuxなどRPM系)にAndroid Studioをインストールし、最初の「Hello World」アプリを動かすまでの基本的な手順を、2025年版としてまとめます。
Step 1: JDKのインストール
現在のAndroid Studioは独自のJDKを同梱していますが、システムに標準的なJDKをインストールしておくのが無難です。Android開発ではOpenJDK 17が広く使われています。
# dnf (または yum) を使ってOpenJDK 17をインストール
sudo dnf install java-17-openjdk
インストール後、java -version
でバージョンが表示されればOKです。
Step 2: Android Studioのインストール
次に、Android Studio本体をインストールします。
-
公式サイトからダウンロード
Android Studioの公式サイトにアクセスし、Linux用の.tar.gz
ファイルをダウンロードします。 -
ファイルを展開して配置
ダウンロードしたファイルを、/opt
やホームディレクトリ配下など、任意の場所に展開します。# 例: /opt に展開する場合 sudo tar -C /opt -xvzf ~/Downloads/android-studio-*.tar.gz
Tips:
以前は/opt
に配置していましたが、アップデート時にroot権限が必要になり少し面倒でした。JetBrains製IDEを複数管理できる「JetBrains Toolbox」を使うか、ホームディレクトリ(例:~/Android/android-studio
)に配置する方が、権限周りの手間がなくて楽かもしれません。
Step 3: 初期セットアップとSDKの導入
いよいよAndroid Studioを起動します。
/opt/android-studio/bin/studio.sh
初回起動時にはセットアップウィザードが始まります。
- UIテーマの選択: 好みのテーマ(Darculaなど)を選びます。
- SDK Components Setup: ここが最も重要です。ウィザードの指示に従い、最新の**「Android SDK Platform」や「Android SDK Command-line Tools」**などをインストールします。デフォルトで推奨されているものを全てインストールすれば問題ありません。
ダウンロードとインストールには数分かかります。
Step 4: 仮想デバイス(AVD)の作成
実機がなくてもアプリを動かせるように、PC上で動作するAndroidエミュレータ(Android Virtual Device, AVD)を作成します。
- Android StudioのWelcome画面、またはメニューの「Tools」→「Device Manager」を開きます。
- 「Create device」ボタンをクリックします。
- ハードウェア(例: Pixel 7 Pro)と、システムイメージ(最新のAndroidバージョン)を選択し、ダウンロードしてAVDを作成します。
Step 5: "Hello World" プロジェクトの実行
環境が整ったかを確認するため、最初のプロジェクトを作成して実行してみましょう。
- Android Studioで「New Project」を選択します。
- 「Phone and Tablet」タブから**「Empty Views Activity」**を選び、Nextをクリックします。
- プロジェクト名(例:
MyFirstApp
)、言語(Kotlin
またはJava
)などを設定し、Finishをクリックします。 - プロジェクトのビルドが完了したら、画面上部の実行ボタン(緑色の三角▶)の左側にあるデバイスドロップダウンから、Step 4で作成したAVDを選択します。
- 実行ボタンをクリックします。
しばらくするとエミュレータが起動し、画面に「Hello World!」と表示されたあなたの最初のAndroidアプリが立ち上がれば、環境構築は成功です!
おわりに
以上が、最新のLinux環境にAndroid Studioをセットアップし、最初のアプリを動かすまでの基本的な流れです。
昔に比べて、必要なツールがIDEに統合され、環境構築はかなりスムーズになりました。この記事が、あなたのAndroidアプリ開発の第一歩となれば幸いです。
この記事で紹介した内容以外にも、技術情報をブログで発信しています。
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