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オーバープリントは透明効果ではない
長いことこの仕事をしているけど初めて遭遇したデータ。
オーバープリントの誤解から来ていると思うので解説しようと思います。
よもやこんな使い方を教えてるところはないと思うけど………
まずはどんなデータだったかを再現データで見てもらいます。
再現データ
画像の前面に平網が配置されている | 元の画像 |
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どうやらK版を濃くしたかったようで画像の前面に平網を配置したようです。
さて、ここで属性パネルを見てみましょう。塗りに対しオーバープリントのチェックが入っています。
わざわざドキュメント内に オーバープリントプレビューで表示してください と書いてきているのでやりたいことは分かりますが、実際にこのまま印刷に回したらこのような仕上がりにはなりません。
印刷イメージ
なんだかホラー調な画像に!
原因
何が起こっているのでしょう? 再現データを分版プレビューを見てみましょう。
ノセ!
先ほどの平網は特色設定されていました。このまま特色で印刷するのであればイメージ通りに印刷されるでしょう。今回遭遇したケースですと約10mm×約4mmほどですが………
しかし特色を使わないプロセス4色での印刷ですので特色は元の設定のK20%に変換されます。
その結果をチャンネル分割したもので見てみましょう。
C版 | M版 | Y版 | K版 |
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オーバープリントは製版処理ですので使用していないC版、M版、Y版はそのままですが、K版に対しては単に20%の平網で塗りつぶしただけになります。
解決策
下の画像は平網に乗算を設定したものです。全く同じではありませんがイメージ的にはこんな感じでしょう。
もっとも、色調を調整するならIllustrator上で平網をしくなんて場当たり的なことはせず、きちんとPhotoshopで修正しましょう。
以上、オーバープリントは乗算と同じ使い方はできないよというお話でした。
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