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『Devin』導入にあたって調査したことまとめ|料金・機能・ClineやCopilotとの違い

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AI開発エージェント『Devin』を実際に導入検討してみた|料金・機能・Clineとの使い分けを徹底調査

こんにちは、mayaです!

最近、AI開発エージェント「Devin」を僕が所属する開発チームに導入してみました🎉
ので今回は、僕がDevin導入にあたって調査したことを、これから導入を検討する方向けにサクッとまとめたいと思います!

  • Devinってそもそも何?ClineやCopilotと何が違うの?
  • 料金や性能はどんな感じ?
  • セキュリティ面で不安はない?

こんな疑問に答えます!

記事の要約

Devinは自律型AI開発エージェント。ClineやCopilotと違い「タスク丸投げ→完成まで自動化」が可能。月20ドル〜で成功率約47%。簡易作業は◎、複雑実装は△。セキュリティ要件高いプロジェクトは要注意。従量課金で小規模チーム向けに現実的な価格帯。

Devinとは何か?

Devinは、Cognition社が開発した完全自律型のソフトウェアエンジニアリングAIです。
2024年初頭にベータ版公開、12月に一般公開、2025年4月にver2.0公開(ここでかなり性能が進化)という流れで、ベータ版公開当初から話題になってはいましたが2025年4月のdeepwiki公開 & 従量課金の「Coreプラン」発表で一気に認知を広げた印象です。

主な特徴は以下の通り:

  • コードの作成、修正、テスト、デバッグ、GitHubへの公開までを自律的に行う
  • 自動でプロジェクトのドキュメントを生成
  • 対話形式でプロジェクトについてQAできる

Devin公式サイト

ClineとDevinの違い

「Clineは共同作業」 「Devinは委任」

この表現が、両者の違いを最も的確に表していると思います。

項目 Cline Devin
役割 コーディングする際の「優秀な相棒」 タスク全体を実行する「自立型エージェント」
主な機能 • コード補完と提案
• リファクタリング支援
• エラー解説とデバッグ
• 開発のミクロなプロセスを支援
• 設計から実装、テストまでを包括
• タスク全体を丸投げ可能
• 複数エージェントの並列作業
• 人間のやることは指示出しとレビューが中心
作業スタイル 開発者と一緒に作業を進める タスクを完了するまで自律的に作業(15-20分程度)

具体的なユースケースの違い

Cline(共同作業型)の場合:

1. 開発者がコードを書き始める
2. Clineが補完や提案を行う
3. 開発者が判断して採用・修正
4. リアルタイムで協力しながら開発を進める

Devin(委任型)の場合:

1. Slackで「@Devin ○○の技術を使って、△△の要件を満たしたツールを作りたい。まずは提案して」
2. Devinが自律的に動いて、GitHubでPR作成まで完了
3. PRをレビューし、良ければマージ、問題があれば指摘してやり直し依頼

この違いは非常に重要で、Devinは一度指示を出したらタスクが完了するまで放置でき、その間人間は別のことができるという点が大きな特徴です。

似ている機能の使い分け

「対話形式でプロジェクトについてQAできる機能(Devin Search)」については、「CopilotやClineでもできるよね?」と思いますよね。

ただ、実際使ってみると調査の結果が全く違いました。

性能の差ではなくアプローチが全く異なるという印象で、得意・不得意を整理するとこんな感じです。

  • Cline: 提示されたファイルやそこで呼び出されている関数など、限定的な調査・分析が得意
  • Devin: プロジェクト全体の仕様をより深く理解した上で回答、広範囲にわたる調査・分析が得意

例えば「ユーザー情報を更新する機能の実装を修正したいんだけど、何か注意点はある?」とDevinに質問すると、当該処理の実装ファイルだけでなく、プロジェクト全体の仕様をの中から注意点を洗い出してくれます。

回答例)「ユーザー情報の変更をオブザーバーが検知して、本人確認ステータスをリセットする機能があるので注意が必要です」

CopilotやClineにこんな出力させるのは難しいかと思います。リポジトリの中でドキュメントをきっちり整理すればあるいは...という感じ

Devinの主要機能

コア機能

1. Devin IDE

VSCode風のIDE上で、Devinの編集内容をリアルタイムで確認し、変更点を修正できます。VSCode拡張機能も提供されているため、普段の開発環境に統合可能です。

2. Devin Wiki

コードからリポジトリのドキュメントを自動生成して、一定期間ごとに再進化してくれます。これは特にレガシーコードの理解や、新規参画者のキャッチアップで効果を発揮しそうです。

Wikiの情報や実装コードを参照して、対話形式でリポジトリ内のコードについて回答・解説してくれます。

各種ツール連携

  • Slack連携:Slackで@Devinをつけて指示を出せる
  • Github連携:DevinがPRやIssueを作ったり、レビューに参加してくれたりします

性能と限界を正直にレビュー

複雑なドメイン知識が必要とされる難易度の高い実装を丸投げして、完璧なコードを作らせるのは現時点では厳しいというのが事前調査&実際に触ってみての率直な評価です。

一方、複雑性の低い実装や定型的な作業、ユニットテストの作成などは問題なく行える印象です。

Devinの性能について、公式では次のように言及されてます。この通りだと思います

デビンをジュニアエンジニアとして扱いましょう。ジュニアエンジニアやインターンでも、十分かつ明確な指示があれば理解できるようなタスクをデビンに割り当てましょう。

実際の成功率データ

実際に使ってる人の話が聞きたいな!ということでいろいろ調べましたが、AI政治?で有名な安野貴博さんがYoutubeで解説してたので、そこから話を引用します。

安野貴博のYoutube

  • 1個:文句なしのクオリティ
  • 6個:少し人間が手を加えればマージできるレベル
  • 8個:全然ダメ、人間がやったほうが早い

今現在Devinを運用している僕の肌感としては、この辺りの成功率は「支持の出し方」や「タスクの難度」に依存すると思ってます。
ので上記の結果はあくまでもN=1の参考値。適切な難度のタスクを適切な指示とともに依頼すれば、7,8割くらいは文句なしのクオリティを叩き出してくれるはずです。

得意な作業・苦手な作業

得意な作業:

  • 単純なCRUD処理の実装
  • 既存コードのリファクタリング
  • ユニットテストの作成
  • 軽微なバグ修正
  • ドキュメント生成

苦手な作業:

  • 複雑なビジネスロジックの実装
  • 大規模なアーキテクチャ設計
  • パフォーマンスチューニング
  • セキュリティ要件を考慮した実装

料金体系の詳細分析

2025年4月から従量課金プランが登場し、小規模チームでも導入しやすくなりました。

プラン比較

公式の料金表

プラン名 料金 特徴・内容 想定利用者
Coreプラン 従量課金($20〜) • 月額固定費なし
• 最低$20分のACUを購入
• 最大10セッション同時稼働
• ユーザー数制限なし
個人開発者、小規模チーム、試験導入検討者
Teamプラン 月額$500 • 月250 ACU(約62.5時間分)含む
• GitHubやSlackとの連携
• 基本的な開発・デバッグ・テスト機能
• ユーザー数無制限
中小規模の開発チーム、スタートアップ
Enterpriseプラン カスタム価格 • 高度なAIカスタマイズ機能
• 専用サーバー環境
• 社内ツールとの連携
• コンプライアンス対応
大企業、大規模プロジェクト

ACU(エージェント・コンピューティング・ユニット)とは

ACUはDevinの作業単位で、ACUの消費量に応じて料金が決まります。

ACUの構成要素:

  • 仮想マシンの時間
  • モデル推論
  • ネットワーク帯域幅
  • その他のコンピューティングリソース

料金:

  • 1 ACU ≒ 2.25ドル(Coreプラン)
  • 1 ACU ≒ 2ドル(Teamプラン)

1ACUで可能な作業例(約15分相当):

  • 古いコミットを見つけて機能を戻し、デザインを修正
  • バグを調査し、修正してCIをパス
  • シンプルな個人ウェブサイトを作成

実際の運用コスト試算

小規模チーム(4名)の場合:

  • 月間60タスク程度依頼 ※Devin Search利用も含
  • 1タスクあたり平均1 ACU消費
  • 月間60 ACU × 2.25ドル × 4 = 540ドル程度

この計算だと、Coreプランで月540ドル程度の運用が可能です。

実際のプロジェクトでの活用戦略

私たちのチームでは、レガシーシステムのリプレイスプロジェクトでの活用を検討しており、以下の3つの戦略を立てています。

1. 旧システムのキャッチアップにDevin Wiki / Devin Searchを活用

課題:
テスト作成・実装・レビューなど、あらゆる工程で「既存仕様を確認する」作業が必要だが、都度旧システムのコードを読み漁るのが大変。また、キャッチアップした仕様をメンバー間で共有する手間も大きく、認識の差異も生まれやすい。

Devinの活用方法:

  1. まずDevin Wikiを参照して機能の仕様、ロジック、関連テーブル等を把握
  2. 不明点があればDevin Searchを使用して調査
  3. チームメイトと議論する際は、Devin Searchの調査結果を共有

2. 軽微な修正・リファクタ作業をDevinに丸投げ

課題:
開発を進める中で以下のような「ちょっとした修正」を見つけることがよくあるが、メインタスクの合間で対応するのはストレスで、放置しがち。

  • タイポ
  • 軽微なバグ
  • コード規約違反の記述
  • リファクタしたい実装

Devinの活用方法:
修正作業をDevinに丸投げして、PR作成まで行ってもらう → レビュー後マージ

これにより、人間の工数や心理的負担を削減しつつ、コードの品質を高められると考えています。

3. ClineとDevinの使い分け

現状では、以下のような使い分けを想定しています:

  • 複雑なタスク:人間 × Devin Wiki × Clineで効率を上げる
  • 簡易なタスク:Devinに丸投げ

セキュリティ面での懸念と対応方針

おおよそここに書いてある通りです。
Security at Cognition

懸念

  • 学習用データ保持のリスク: 解約後に削除されるとはいえ、モデル改善目的でソースコード断片や業務メッセージが一定期間残る可能性
  • 完全ゼロ保持モードがない: Cursor の“プライバシーモード”相当機能がなく、読み込んだファイル名やプロンプトが短期的に残存
  • 一時保存領域の扱い: 読み込まれたコードが一時保存される間に外部要因で漏えいするリスク
  • 機微情報の混入: 秘密鍵や個人データをうっかりプロンプト/コードへ含める、GitHub コメントに貼る――といったヒューマンエラー
  • 削除保証までのタイムラグ: 契約終了〜完全削除完了までの猶予期間にデータが残存する可能性

対応方針

  • アクセス除外ルールの整備: line などと同様に「このディレクトリ/ファイルは Devin に読ませない」.devinignore ルールを全リポジトリに配置
  • 機密情報をコードベースから隔離: 秘密鍵・API トークンは環境変数/シークレットストアに移動し、スキャンツールでコミット前に自動検出 ※
  • プロンプト・レビュー運用ガイド: 機微情報や個人データを含む内容をプロンプト/GitHub コメントに書かない運用・周知を徹底

導入時の注意点とベストプラクティス

1. スコープの適切な設定

AIツール全般に言えることですが、複雑な考慮が必要な実装やボリュームの大きい実装を任せることは、現時点では期待しない方が良さそうです。

AIツールに期待通りの動作をさせるには、事前に必要な情報を揃えて、実装の道筋を作ってあげる作業が必要ですが、この「事前の情報」量が大きくなるほど、精度が落ちます。

必要な事前情報:

  • 課題と解決策の提示
  • 実装内容
  • 実装方針(アーキテクチャ、使用するライブラリ、コーディング規約等)
  • 変更対象のファイル

2. セッション時間の管理

Devinのドキュメントにも記載がありますが:

1回のセッションでACUをあまり多く(10以上)消費しないようにしてください。Devinのパフォーマンスは長時間のセッションで低下します。

複雑なタスクを任せる場合は、依頼のスコープを小さくして、ステップバイステップを人間側で管理する必要があります。

3. 予算管理

Settings > Usage & Limits から、ACUの消費量を追跡し、チームの制限を設定できます。予想以上にACUを消費してしまうケースもあるため、最初は低めの制限を設定することをお勧めします。

まとめ:Devinは導入すべきか?

導入をお勧めするチーム

  • 小規模〜中規模の開発チーム(4-10名程度)
  • レガシーコードの理解に時間を取られているチーム
  • 軽微な修正作業が溜まりがちなチーム
  • 新しいツールの試験導入に前向きな組織文化

導入を慎重に検討すべきチーム

  • 高度なセキュリティ要件があるプロジェクト
  • 完全に独自のアーキテクチャを採用しているシステム
  • AIツールの学習コストを避けたいチーム

私たちの結論

この調査の結果、私たちのチームではDevinの試験導入を決定しました。

まずはCoreプランで月50-100ドル程度の予算で運用を開始し、3ヶ月程度使用して効果を測定する予定です。特に、レガシーコードの理解支援と軽微な修正作業の自動化で、どれだけ開発効率が向上するかを検証していきます。

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AI開発ツールの進歩は目覚ましく、Devinのような自律型エージェントは今後さらに発展していくと思います。完璧なツールではありませんが、適切に使い分けることで開発効率を大幅に向上させられる可能性を感じています。

同じような検討をされている方の参考になれば幸いです。実際に使ってみた結果については、また別の記事で共有したいと思います!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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