AIレビューツールの最適な組み合わせを考えてみた【2025年9月】
こんにちは、mayaです!
最近、AIを活用したコードレビューツールがたくさん登場していて「どれを選べばいいんだろう?」と迷っている方も多いのではないでしょうか?
自分も同じように頭を悩ませていたのですが、最近ようやく主要なAIレビューツールの比較検討が終わったので、今日はその調査結果を共有したいと思います!
結論として僕らは 「GitHub Copilot + Codex Cloud + たまにDevin」 という組み合わせで運用することを決定しました。
「最適解」はチームの規模感や諸々の事情によって変わってくると思うので、
ぜひみなさんもこの記事を参考に、あなたのチームにマッチする組み合わせを探してみてください📣
対象読者
- AIレビューツールの導入を検討している開発チーム
- 複数のツールの使い分けを考えている方
- コスト効率を重視しつつ品質も確保したい方
筆者のステータス
- Web系エンジニア(3年目)
- AI推進チームのPM
- 普段の技術スタック:TypeScript, React, Node.js, Next.js
AIレビューツールとは?なぜ今注目されているのか
AIがコードの品質をチェックしてくれるツールのことです。
従来の静的解析ツール(ESLintやPrettierなど)とは違い、コンテキストを理解した「まるで人間のレビューアーのような」指摘をしてくれるのが特徴です。
なぜ今注目されているの?
最近AIレビューツールが注目されている理由は、主に以下の3つです:
- 開発スピードの向上: レビュー待ちの時間を大幅短縮
- 品質の底上げ: ケアレスミスや典型的な問題を自動検出
- 人的リソースの有効活用: 人間のレビュアーはより本質的なレビューに集中
ただし、万能ではありません。ドメインロジックやビジネス要件に関する判断は、まだまだ人間のレビュアーが必要なケースもあります。
今回比較する5つのツール
今回実際に試したのは、以下の5つのツールです:
- Claude Code Action: Anthropic製の高精度AIレビューツール
- Greptile: カスタマイズ性に優れたAIレビューツール
- Devin: プロジェクト全体を理解するAIソフトウェアエンジニア
- GitHub Copilot: Microsoft製の統合開発支援ツール
- Codex Cloud: OpenAI製の汎用的なレビューツール
それぞれ特色が違うのでどれか一つに絞る必要はないと思います。むしろ、使い分けこそが重要です。
各ツールの使用感と特徴
実際に数週間かけて各ツールを試した結果をまとめます。正直な感想をそのまま書きますので、参考にしていただければ!
Codex Cloud|★★★★★
Codex Cloud
良かった点:
- ChatGPTプランに含まれていて追加料金なし
- レビュー精度はClaudeやGreptileと同程度
- PR差分以外も考慮してくれている
- コスト効率が非常に良い
気になった点:
- 全チームで使うとレートリミットが心配
- カスタム指示の効果は未検証
- まだ新しいサービスで情報が少ない
使ってみた感想:
「コスパ最強」でした。品質も悪くないし、追加料金もかからないし、これが使えるなら他のツールいらないかも?と思ったくらいです。ただし、レートリミットは要検証ですね。
公式では「クラウド タスク:限られた時間内での寛大な制限」としか説明されていないので、大規模に使用するとなると、意外とすぐにリミットが来るかも
Claude Code Action|★★★☆☆
Claude Code Action
良かった点:
- 指摘の妥当性・正確性が非常に高い
- サジェスチョン機能で修正案まで提示してくれる
- GitHub統合がスムーズ
- セキュリティ関連の指摘も的確
気になった点:
- 料金が従量課金で予測しづらい
- 大量のPRで使うとコストが跳ね上がる可能性
- カスタム指示の柔軟性はやや限定的
使ってみた感想:
品質面では文句なしです。「これは人間のレビュアーが指摘するのと同レベルだな」と感じる場面が多々ありました。ただし、コスト面を考えると全PRで使うのは厳しそう...という印象です。
Greptile|★★★☆☆
Greptile
良かった点:
- Custom Context機能でルール違反を高精度検出
- サジェスチョン機能あり
- コーディング規約の準拠チェックが優秀
- アクティブ開発者数での料金計算でコスト予測しやすい
気になった点:
- Claude Code Actionと比べるとやや精度が劣る印象
- カスタマイズ設定に手間がかかる
- 深いドメイン理解は期待できない
使ってみた感想:
「実装ガイドライン特化」という感じです。コーディング規約やベストプラクティスの違反は確実に見つけてくれますが、ビジネスロジックの妥当性判断は苦手そうでした。
Devin|★★★☆☆
Devin
良かった点:
- プロジェクト全体のコンテキストを理解している
- ドメインロジックに対する深い洞察
- 柔軟な指示に対応
- アーキテクチャ観点でのレビューが得意
気になった点:
- サジェスチョン機能がない(まとめコメント形式)
- レビュー専用ツールではない
- 1PR当たりのコストがやや高め
使ってみた感想:
「AI上級エンジニアによるレビュー」という感じでした。他のツールでは見つからないような本質的な問題を指摘してくれる反面、細かいコードスタイルの指摘は苦手でした。
GitHub Copilot|★★☆☆☆
Github Copilot
良かった点:
- 基本的な品質チェックは確実
- GitHub完全統合で使い勝手が良い
- タイポや構文エラーなどのケアレスミスを確実に検出
- 既に多くのチームが導入済み
気になった点:
- 高度なロジックレビューは期待できない
- カスタムルールの適用が限定的
- レビュー以外の機能も含むため、レビュー単体のコスパは微妙
使ってみた感想:
「基本的な品質の底上げ」には最適です。申し訳ないレベルのミスを事前に検出してくれるので、人間のレビュアーの負担軽減には確実に貢献してくれました。
4つの観点での比較評価
さて、使用感をまとめたところで、より客観的に比較してみましょう。今回は以下の4つの観点で★1〜5の評価をつけてみました。
比較マトリクス
ツール名 | 💰 コスト効率 | 🎯 レビュー精度 | ⚙️ カスタマイズ性 | 📊 総合評価 |
---|---|---|---|---|
Codex Cloud | ★★★★★ 追加料金なし |
★★★★☆ 高精度 |
★★★★☆ AGENTS.mdで柔軟にカスタム |
★★★★★ 最もコスパ良好 |
Claude Code Action | ★☆☆☆☆ 従量課金で 予測困難 |
★★★★★ 高い精度 |
★★★☆☆ 基本設定のみ |
★★★☆☆ 高品質だが高コスト |
Greptile | ★★☆☆☆ 月額予測可能 だが高め |
★★★★☆ 精度良好 |
★★★★★ Custom Context優秀 |
★★★☆☆ 機能優秀だが高コスト |
Devin | ★★☆☆☆ 月額予測可能 だが高め |
★★★★☆ ドメイン理解強い |
★★★★☆ 柔軟な指示対応 |
★★★☆☆ 特化用途向け |
GitHub Copilot | ★★☆☆☆ レビュー以外 も含む |
★★★☆☆ 基本的な指摘は良好 |
★★☆☆☆ カスタム機能限定的 |
★★☆☆☆ 汎用ツールの一機能 |
各ツールの推奨用途
それぞれに得意分野があるので、用途別に使い分けると良さそうです
ツール名 | ✅ こんな時におすすめ | ❌ 避けた方が良い場面 |
---|---|---|
Claude Code Action | 重要なリリース前のチェック セキュリティ関連の変更 |
日常的な全PRレビュー コスト重視の運用 |
Greptile | コーディング規約のチェック 実装ガイドライン準拠確認 |
ドメインロジックの理解が必要 |
Devin | 新機能開発 アーキテクチャ変更の検討 |
細かいコードスタイルの指摘 |
GitHub Copilot | 基本的な品質チェック ケアレスミス防止 |
高度なロジックレビュー |
Codex Cloud | 日常的なPRレビュー コスト重視の運用 |
特定ルールの厳密な適用 |
僕たちのチームの使い分け
ひとまず、以下のような組み合わせに落ち着きました:
日常的なレビュー:
- GitHub Copilot + Codex Cloud
要所でのレビュー:
- Devin(新機能・アーキテクチャ変更)
- Claude Code Action(重要リリース前)
この構成で、月額コストは約$1,200程度に抑えつつ、品質も満足できるレベルを維持できそうです
チーム規模別の運用コスト試算
実際にいくらかかるのか、具体的なコスト試算をしてみました。参考価格として捉えていただければと思います
前提条件
- 中規模開発チーム(15-25名想定)
- 月間PR数: 400-600件程度
コスト試算表(月額)
ツール名 | 料金体系 | 小規模チーム (5名) |
中規模チーム (20名) |
大規模チーム (50名) |
---|---|---|---|---|
GitHub Copilot | $39/ユーザー | $195 | $780 | $1,950 |
Greptile | $30/アクティブユーザー | $150 (全員) |
$300 (10名のみ) |
$600 (20名のみ) |
Devin | 従量課金 ($2/ACU) |
$100 (月25ACU) |
$300 (月150ACU) |
$600 (月300ACU) |
Codex Cloud | ChatGPTプラン内 | $0 (追加料金なし) |
$0 (追加料金なし) |
$0 (追加料金なし) |
Claude Code Action | 従量課金 | $50 (局所的使用) |
$100 (局所的使用) |
$200 (局所的使用) |
コスト削減のポイント
- Codex Cloudを最大活用: 追加料金なしの高品質レビュー
- Devinは局所的使用: 重要なPRやドメインレビューのみ
- 段階的スケールアップ: チーム成長に合わせて導入
まとめ
AIレビューツールを実際に比較検討してみて感じたのは、各ツールにはそれぞれ得意分野があり、コストと品質のバランスを取りながら使い分けることが重要だと思います。
また、AIレビューツール市場はまだまだ発展途上で新しいツールも次々と登場しています。完璧な解を探すよりも、現時点でのベストな組み合わせを見つけて継続的に改善していくのが良さそうですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が皆さんのAIレビューツール選択の参考になれば嬉しいです。もし「こんな使い方もあるよ!」や「料金間違ってるよ!」といった情報があれば、ぜひコメントで教えていただけると助かります🙋♂️
Discussion