存在と時間とMermaid記法
ハイデガーの存在と時間というイケてる本を読んでいたところ、突如mermaid記法にしようと思いたちました。
いったいわれわれは「存在する」という言葉で何を意味するつもりなのか、
この問いに対して、われわれは今日何らかの答えを持っているのであろうか。断じて否。
だからこそ、『存在の意味への問い』をあらためて設定することが、肝要なのである。
それではわれわれは、今日、「存在」という言葉を了解できない困惑にだけでも
おちいっているのであろうか。断じて否。
だからこそ、あらかじめ必要なのは、この問いの意味を明らかにするなんらかの了解を、
まずもってふたたびめざめさせることである。
(ハイデガー 存在と時間Ⅰ p1)
すごいイケてることが分かると思います。
なんというか雰囲気がいいし、人智を超えている感じがします。
それこそAIに意味を説明してほしくはならないでしょうか?
しかし、ハイデガーの文章はAIに入力しても解釈できない気がするのです。
そこで知識グラフのように構造化することを考えた感じです。
これを現代語訳するとこんな感じ:
「存在」って不思議だよね、直感的に分かるのに、いざ言葉で説明しようとすると出来ない概念。
つまり「存在」っていう言葉が何を意味するのか?って聞かれると、わかんなくなってしまう。
さっきまで、直感的に「存在」ってものが分かっていたのに。
改めて「存在ってどういう意味?」と聞かれても、答えられる人はいないと、断言できる。
というのは、問い自体が正しくないから。
よく考えてみると、問い自体を正しくなければ、答えも存在しないわけである。
このようにゆっくり読むと、そんなに難しいことは言っていないのです。
現代語訳を続けましょう:
それで、その正しい問いを、『存在の意味への問い』と呼んで、考えてみようと思う。
しかし、『存在の意味への問い』の意味自体が良くわからない、すなわち了解できない。
まずはこの了解を再び目覚めさせたい。
正直、完全に理解したという手ごたえを感じます。
「存在」の意味への問いを具体的に仕上げることが、以下の論述の意図である。
あらゆる存在了解一般を可能にする地平として『時間』を学的に解釈することが、
以下の論述の差し当っての目標なのである。
そうした目標をねらうこと、そうしたもくろみのうちに含まれていて、
このもくろみによって要求されている諸研究、
およびこの目標へ至る方途、これらのことは、序論の役目を果たす解明を必要としている。
(ハイデガー 存在と時間Ⅰ p2)
いかがでしょうか。人間にもAIにも、だいぶわかりやすくなったと思います
というか、この2ページだけでも数年理解できなかったのが、嘘のように明快になった気すらします。
この先に、AIがあらゆる哲学書を解釈して、我々人間に思想をもたらしてくれる未来があるのではないでしょうか?
次は、p3「存在の意味への問いの開陳 > 存在問題の必然性、構造、および優位 > 存在への問いを表立って繰り返すことの必然性」に進みたいと思います。
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