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書籍「Bluetooth無線化講座」私見

2024/04/23に公開

なんと、また技術評論社様から新刊「Bluetooth無線化講座」をご恵贈いただきました。ありがとうございます!

https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14037-3

2024年4月24日紙版発売
2024年4月24日電子版発売

Bluetoothの基礎知識とノウハウが凝縮

著者の所属しているムセンコネクトは、300件以上のBluetooth開発プロジェクトに関わり、Bluetoothモジュールビジネスでは延べ1000社以上のカスタマーサポートしているそうです。物凄い量ですね。相当な苦労があるんじゃないかと。
そんな経験豊富なムセンコネクトのメンバーの手によって、Bluetoothで知っておくべき基礎知識ノウハウをまとめたものが本書です。

章立て

書籍の目次はこちらにあります。
全部で5つの章で構成されています。
書籍の章立てタイトルを無視して(オイオイ)わたしなりの意訳はこちら。

第1章はBluetoothの超入門です。
Bluetoothの特徴と歴史、通信概念に始まり、周波数、通信速度、通信距離、消費電力とプロファイル、ペアリングが解説されています。(本文中に明記されていますが)初心者にはあまり必要のないことを除いて重要な部分だけを厳選して書いてあり、図やグラフ、表で丁寧に解説されているので読みやすいです。

第2章は電波法とBluetooth認証です。
技適、技適マーク、特例制度といった電波法に関することと、Bluetooth SIGに対するBluetooth認証が解説されています。特にBluetooth認証の解説は秀逸と思います。「こういうときはどうなの?」に対してBluetooth SIGに問い合わせまでして確認した回答が書いてあります。

第3章はBluetoothモジュール選定です。
一般的に市販のBluetoothモジュールを採用することで技適やBluetooth認証の工数や費用を抑えますが、モジュールによって効果がさまざまです。本章では、モジュールによってのメリット、デメリットと、チェックするべきポイントがまとめられています。

第4章はBluetooth開発の注意点です。
どちらをセントラル、ペリフェラルにするかや、モジュールとマイコンの結線、BLEアプリの状態遷移といった、開発時に注意すべきポイントがまとめられています。

第5章は実測データです。
通信速度、通信距離、消費電力などを実測した結果がまとめられています。

まとめ

開発者向けのバリバリなBluetooth技術解説本...ではなくて、自社製品にBluetooth機能を加えるときの知識、ノウハウの本でした。

  • わたしの思う読者対象はプロダクトマネージャシステム設計者
    (ハードやソフトの実担当者よりも、もうちょっと前段階の人)
  • Bluetooth認証を知りたい人は必読
  • 経験に裏打ちされたノウハウ
    (「こういうときはどうなの?」問答)

個人的には、実測データのグラフや表が楽しかったです。(第1章、第5章)

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