📈

統計検定準1級:受験記とオススメ勉強法

2024/10/30に公開

2024年5月、統計検定準1級に合格しました。89点で最優秀成績賞を受賞しました。

試験勉強の計画を立てる際に、たくさんの受験記を参考にさせていただきました。私も自分の経験をシェアしたいと考え、この記事を書きました。

この記事では私の受験記と、私が改めて試験を受けるならこうするというオススメ勉強法を分けて記載します。

一例としてこれから受験される方の参考になれば幸いです。

バックグラウンド

私は理系の学生でしたが、大学を卒業してから10年以上が経過しています。数学が得意な学生ではありませんでした。

仕事ではデータを整備する仕事をしていましたが、あまり統計を使う機会には恵まれませんでした。世の中のデータサイエンスに対する注目が高まってきたことから統計の勉強を開始し、2017年に統計検定2級を取得しました。その後は趣味として細々と、大学受験から教養レベルの数学の勉強を断続的に続けていました。

2024年2月から本格的に統計検定準1級の勉強を始めました。コンスタントに統計の勉強をしていたわけではなかったので、この時点では統計のことはかなり忘れてしまっていました。例えば2級レベルの必須知識である、分散の定義も忘れていました。

受験記

勉強の進め方

試験勉強はまず準1級の過去問演習から始めました。しかし基礎が欠けていた私にはかなり難しく、1年分を解いたところで挫折しました。

基礎固めが必要と考え、『統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)』(東京大学教養学部統計学教室 編、東京大学出版会)をざっと通読しました。この本は試験勉強を通して、何度も読み返しました。色々な方が勧めてますが、分かりやすくとても良い本です。

その後、『統計学実践ワークブック』(日本統計学会 編、学術図書出版社)の例・例題を解きました。ワークブックは3か月かけて2周しました。

ワークブックの重要性は様々な記事で言及されていますが、私の意見では過去問演習ほど重要でないと考えます。理由は、試験で出題されない範囲があること(参考:統計検定準1級の出題傾向 - 雷電風雨のエンジニア)と、本文の説明が難しいことからです。私は試験に挑むタイミングでも、恥ずかしながら本文の説明は半分も理解できていませんでした。ただし、広大な試験範囲のガイドとしては有用です。

ワークブックと並行して、準1級で試験範囲に加わった分野(実験計画法や多変量解析)について、書籍で勉強しました。試験に合格することが目的であれば、ブログやYouTubeなどでベースとなる知識を補って、過去問の問題演習を中心に勉強することで十分と考えます。

書籍派の方向けに、オススメの本を紹介します。どれも分かりやすく、素早く体系的な知識を身につけることができました。

ワークブックを2周しても、依然として例・例題の正解率は5割程度でした。力試しに過去問を解いてみたら、思っていたよりも正解できたので、その後は過去問演習を中心に行いました。
過去問は6年分を2周しました。論述問題はレベルが高かったので解いていません。

過去問演習は資格勉強の王道ですが、統計検定準1級についても有効でした。本番の問題でも、かなり似ている問題が出たように記憶しています。

過去問演習を1周半し終わったタイミングでテストセンターにて受験し、合格できました。

ワークブックと過去問演習の履歴管理に使用していたGoogle Sheetsのファイルを公開します。スケジュール感や正解率の推移など、参考になれば幸いです。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Lx7FA4Y_BVdxLB9Io6mH8Q90nczFkzIYfiqaD2i4a20/edit?gid=817742720#gid=817742720

問題演習の解説サイト

ワークブック・過去問の解説は簡素なため、問題演習に際しては下記のYouTube、ブログの解答を見ながら学習を進めました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

オススメ勉強法

自分の経験を振り返り、これから統計検定準1級を受験する方に、下記の流れで勉強することを提案します。

  1. 公式の統計検定準1級範囲表の大項目を見て、どういった分野があるかを把握する。
  2. 統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)を通読する。統計検定2級レベルの知識がある方は飛ばしても問題なし。
  3. 統計学実践ワークブックの例の解説を読む。分野ごとにどのような問題が出るかを知る。この時点では問題が解けなくて問題ない。解説が理解できなくとも問題ない。
  4. 過去問を解く。解き方が分からなかったらすぐに解説にあたり、解き方を理解する。2~3周する。何回か解いているうちに正解率は上がっていくので、最初は解けなくても大丈夫。
GitHubで編集を提案

Discussion