AIを活用したイラスト制作の研究開発
こんにちは!
株式会社マトリックス ゲーム事業部 デザイン一課 入社2年目のRNです!
今回は、AIを活用したイラスト制作の研究開発について、デザイナー視点のお話を紹介します。
AI研究の背景
早速ですが、皆さん生成AI活用していますか?
SNSでも新しいものが次々と出てきてワクワクしますよね。
そんな生成AIですが、弊社でももちろん研究を進めています!
今回は、ゲーム開発の中で「AIの活用術を模索する!」をテーマに
暑中見舞いのイラストを生成AIを活用して作ることにしました。
AIの強みや弱みを見つけて、新たな制作手法や効率化を目指します。
本ブログでは、制作の中でどこにAIを活用したのか。
実際の制作フローを公開します。
制作フロー
AIを活用した暑中見舞いイラスト制作のフローを簡単にご紹介。
コンセプトを決める(ChatGPT)
夏&ゲーム会社を表現するコンセプトを考えるにあたりChatGPTを活用してアイデア出しを行いました。
出力されたアイデアを基に下記のコンセプトを掲げました。
「ゲームキャラクターが夏のクエストを受けるシーン」
提示されたアイデア
ラフイメージを作る(Stable Diffusion)
初期ラフを画像生成系AIのStable Diffusionで生成し、アイデアを具現化していきました。
ある程度のイメージが自分の中にあったので、簡単なラフを描いてAIに綺麗にしてもらい、
イメージを膨らませていくことにしました(※Img2Imgを利用)。
手書きのラフ
ラフを元にAIでイメージ作成
構図を決める
最初はAIを使って複数の構図案を生成し、その中から最適なものを選ぼうとしました。
ですがAIだとなかなか「意図のある」構図にならなかったため、
今回は自分たちで意図が伝わるようなポーズや構図を考え、AIで出力していきました。
背景を作る
背景を制作する際は、背景と配置物(クエストボード、キャラクター)を別々に制作して最後に合成する方が調整が効きやすいのでお勧めです。
クエストボードなど細かい部分は自分で描き足しを行い、プロンプトだけでは難しい部分を補って理想に近いものに仕上げていきました。
キャラを作る
ポーズを指定し多様なデザインのバリエーションを作成します。
AIが出力する大量のデザイン案を元に、取捨選択を行い、描き加えたり調整したりしながらキャラを制作していきました。
全体での出力
すべての要素を統合し、最終的なイメージに近づけていきます。
絵柄を合わせるためにStable Diffusionの拡張機能を駆使しつつも細部は自分で描きながら一枚絵として違和感が無いように合成していきます。
統合した後は微調整が効きにくくなるので、できる限り完成に近い状態で統合することをお勧めします。
(今回はこの後の調整でかなり苦労しました...)
パーツ分けが難しいのは現段階のAIの弱点だなと感じました。
調整
目線や腕の角度の調節、キャラクターに冒険者要素やファンタジー感を出す等々、細部の調節をしていきました。
このあたりからは、AIには少し描かせる程度で、ほとんど自分で描き、調整をひたすら繰り返し完成に近づけていきました。
AIの強みとは
時間短縮
ラフイメージや構図の生成が迅速に行えるため、アイデアの具現化をスムーズに進めることができるのはAIの最大の強みでした。
ゲームの企画書など、イメージがあった方が分かり易い場面に大いに活用できるなと感じています。
キャラや背景もある程度のところまでは、AIが出してくれるので大幅な時間短縮になります。
アイデア出し
短時間で大量に生成が行えて、その中でも面白いものやAIならではの独創的なデザインも多くあったので、新しいアイデアにつながるヒントになりました。
また、自分が他の作業をしている間に、AIが協力をしてくれるので作業効率は倍増しますね。
まとめ
今回の研究を通じて、現状のAIの可能性と課題を実感しました。
AIはツールとして非常に有用であり、効率化や多様なアイデアを得るには大いに役立ちます。
しかし、手動での調整やクリエイティブな判断が必要な場面も多く、まだまだAIと人間の協働が必要だと感じています。
今後もさらに研究を進めて、新たな可能性を探求していきたいと思います。
本内容が読者の皆さんにもAI技術を活用する際の参考になれば幸いです。
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