🫵

遊技機映像でよく使われる、流線を作成してみよう!

2024/12/25に公開

アミューズメント事業部 デザインニ課 のAです。
普段は、遊技機映像の開発において、
主にエフェクトの制作を担当しておりAfter Effects(AE)を使用し、さまざまな映像表現や、
エフェクトを作成する日々を送っています。

今回は、AEを用いたシンプルな映像を紹介致します

遊技機EF映像

遊技機映像では、主にAEを用いて映像の方を作成しております。

私は会社に入社してから初めてAEを触り始めたのですが、最初にAEを使って作成した映像は、
流線背景などの比較的シンプルなものでした。

今回のテーマは、その「流線背景」です。初心者の方でも取り組みやすい内容を意識して、
制作の流れを簡単にご説明できればと思います。
AEをこれから始める方や、映像制作や遊技機業界に興味がある方に少しでも参考になれば
幸いです。

グラデーションの作り方

「流線」と言っても、さまざまなスタイルがありますが、
今回は遊技機でよく使われるグラデーション系の流線背景について解説します。

作り方は人それぞれですが、私が制作する際に特に気をつけているポイントは以下の3つです。

〇まずは綺麗なグラデーションを意識する
滑らかに繋がるような美しいグラデーションを作成することが大切です。

〇複数のレイヤー(コンポ)を使用して調整しやすくする
一つのレイヤーだけで完結させず、分割して構成することで、後から細かい調整がしやすく
なります。

〇徐々に密度を上げていく
シンプルなベースから少しずつディテールを追加し、全体の密度感を調整していきます。

今回の流線背景の制作フローとしては、以下の手順で進めました。

グラデーション → 細い流線 → 粒子やオブジェクトという順序で徐々に構築していくことで、
遊技機特有の華やかな映像表現を作り上げています。

色の付け方

「色」に関してお話しします。
もちろんケースバイケースではありますが、グラデーションを作成する際に、
最初から色をつけることもあります。
ただし、遊技機業界では特に色のパターンを求められることが多いため、
この方法には注意が必要です。

例えば、グラデーションに最初から色をつけてしまうと、
後から別の色パターンが必要になった場合、すべてのデータに対して新たな色のバリエーションを
作成しなければならないという手間が発生することがあります。
そのため、私はまず色をつけない形でベースのグラデーションを作成し、その後必要に応じて色を
追加する方法を採用しています。

もちろん、グラデーションを作成しながら同時に色をつけていく方が、
細かな色味の調整が可能になり、クオリティが高まるという利点もあります。
そのため用途に応じて方法を選ぶのが良いでしょう。

今回の場合は、上記で作成したグラデーションの流線に、
無料プラグイン「VC Color Vibrance」を使用して色をつけました。
その後、さらにグロー効果を追加して仕上げています。
このように柔軟な方法を使うことで、効率的に色のパターンを増やすことができます。

ループの作り方

「動き(ループ)」についてお話しします。
流線のような映像を制作する際には、ループ形式で作成することが一般的です。
ループ化されていない映像だと、演出の尺に合わせて長尺の映像を作成する必要があり、
その結果、データ容量が肥大化してしまう可能性があります。
そのため、こういったループ映像は、一般的に2秒〜3秒程度の短い尺で作成することが多いです。

流線ループの作り方は人それぞれですが、よく使われる方法として以下の2つを挙げます。
それぞれの特徴とデメリットについても説明します。

〇クロスフェードを用いる
非常に一般的な方法で、映像の透明度(Opacity)を使って
「フェードイン→フェードアウト」を繰り返し、クロスフェードで繋げることでループを
作ります。

デメリット:
映像が明滅したり、不自然に見える場合がある尺の長さによっては、急に映像が現れるように
感じられることもある

〇スライドインアウト
映像を途中で分割し、スライドインとスライドアウトを繋ぎ合わせる形でループを作成します。
自然なループが可能です。

デメリット:
スピード調整が難しいため、繋ぎ目が不自然になる場合があり調整に手間がかかる

「クロスフェード」と「スライドインアウト」を使い分けループを作成しました。
下記の画像例は、それぞれの構成やキーフレームの配置を示しています。
これらの方法を状況に応じて使い分けることで、効率的で見栄えの良いループ映像を作成する
ことができます。

流線背景まとめ

最後に、今回作成した流線背景を用いた映像をご紹介します。

キャラクターと文字を載せるだけで、
遊技機のカットインのような雰囲気が出ているかと思います。

私自身、遊技機業界に約20年携わってきましたが、年々映像のクオリティが向上していると
実感しています。
今回取り上げた「流線」は基礎的な内容でしたが、他の映像演出にも応用できる要素があるかと
思います。

ゲームやアニメといったさまざまなIPを活用した遊技機映像が増え、多方面から影響を受ける
業界だと感じています。
今回の内容はシンプルでしたが、少しでも参考になれば幸いです。

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