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AfterEffectsを使って、疑似導光板を作ろう!

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アミューズメント事業部 デザイン二課のMです。
普段は遊技機系のエフェクト作成、コンポジット、オーサリングなどを担当しております。

今回は、After Effectsを使って、遊技機演出ではおなじみの「疑似導光板」の作り方をご紹介します!

遊技機エフェクト 疑似導光板

遊技機の映像において、期待度が低い場面から高い場面まで
汎用性が高い演出!
それが「疑似導光板」です!

今回のご紹介する演出の構成要素としましては、
大きく分けて2つです。

  1. それぞれの加工を加えたキャラ絵
  2. 集中線などの賑やかし

    ※本記事のサンプルで使用しているキャラクター画像はAI生成によるものです。

それぞれ加工を加えたキャラ絵を用意する

ベースのキャラ絵に対して、以下の加工した画像を用意しました。

  1. 色収差を追加したもの
  2. 画像の明るい部分に虹色を乗せたもの
  3. 主線を抽出し、白黒にしたもの
  4. 主線に虹色を加えたもの

これらの加工画像(疑似導光板の素材)を使う際
構成する枚数と明暗の差によって全体の印象を
ガラリと変えられるため非常に面白い演出だと考えています。

それぞれ加工を加えたキャラ絵を用意する①

それでは、先ほど挙げた各画像の作り方を簡単にご紹介します。

  1. 色収差を追加したもの

こちらの画像には、After Effectsの定番プラグイン
Sapphireに含まれる「S_WarpChroma」を使用しました。

通常の色収差とは異なり、
中央から外側に向かって放射状に色ズレが発生するので
画面に奥行きとスピード感が生まれるため、
今回のような勢いのある絵作りをする際によく使用しています。

それぞれ加工を加えたキャラ絵を用意する②

  1. 画像の明るい部分に虹色を乗せたもの

こちらの画像では、少し暗めのトーンの虹色にしています。
制作方法としては、After Effectsの標準エフェクト「グラデーション」を使用し、
画面左下から右上へグラデーションを作成。
その後、「コロラマ」エフェクトを適用して虹色を追加しています。

それぞれ加工を加えたキャラ絵を用意する③

  1. 主線を抽出し、白黒にしたもの

こちらの画像には、Sapphireに含まれる「S_EdgeColorize」を使用しました。
標準エフェクトの「輪郭検出」でも類似の効果は得られますが、
S_EdgeColorize」の方がより細かなパラメータ調整が可能であるため、
今回はこちらを使用しています。

なお、アニメなどで使用されるセルデータがあればもっと綺麗に加工が出来ると思います。

それぞれ加工を加えたキャラ絵を用意する④

  1. 主線に虹色を加えたもの

こちらは、③で抽出した主線(白黒データ)をベースに応用したものです。
抽出した主線に対して「グラデーション」を適用し、画面左下から右上への流れを作ります。
その後、「コロラマ」を使用して虹色に着色しました。
最後に、この虹色のラインを元の映像の上に配置し、
描画モードを「加算」にして重ねることで、
輪郭が発光しているような効果を出しています。

アニメーションを付ける

今まで作成してきた、①~④の画像を使用し、
不透明度のアニメーションで次々表示させるようにします。

この時、画像の明度が高いものと暗いものを
交互に表示すると明滅感がアップして良い感じになると思います。

今回の作例では、①~④のコンポをヌルで親子付けをし、
手前に迫ってくるようZ軸のアニメーションの追加と
エクスプレッションの「wiggle」を追加し小さく振動するようにもしています。

集中線を作成

最後に賑やかしとして集中線を作成します。

  1. ベースとなる流線の作成 まずは「フラクタルノイズ」を適用し、縦横比を調整して縦長のノイズを作ります。 「乱気流のオフセット」にキーフレームを打ち下から上へ流れるアニメーションを追加して流線の動きを作ります。

  2. 別のレイヤーで「下(白)から上(黒)」になるグラデーションを作成します。

  3. これを先ほどの流線レイヤーに描画モード「焼き込みリニア」で重ねます。こうすることで、ノイズの明度差によって線の消え方にランダムになり単調さを抑えられます。

  4. 合成した流線に「UnMult」を適用し黒を透過させた後、「ラフエッジ」エフェクトを追加します。
      幅または高さの伸縮: -100
      エッジのシャープネス: 0.9
    この設定にすることで、ボヤけたノイズのエッジが削ぎ落とされ、
    鋭くシャープなラインに変化します。

  5. 4で作成した流線に、「極座標」で円形にします。

  6. 最後に、光彩外を使用し中央からグラデーションを乗せ、コロラマで虹色をつけています。

完成!

最後に合成して完成です。
今回は、キャラのイラストの色を出すようにしていますので、
単色や少ない色数で作成すれば、より導光板っぽくなると思います!
https://youtu.be/8k9zUo-khOQ

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