解説:`Python × 公開経済データで学ぶ マクロ経済学 入門:30年分のGDPと政府支出推移を日本と米国で比較`(Qiita 記事)読
解説:Python × 公開経済データで学ぶ マクロ経済学 入門:30年分のGDPと政府支出推移を日本と米国で比較(Qiita 記事)読み解きメモ
いい記事です — 要点ごとに丁寧に噛み砕いて解説します。元記事のコード・トラブルシューティング・結果解釈まで一緒に追っています。原稿は以下を参照しています。(Qiita)
1) 目的と全体像(この記事で何をするか)
- 目的:公開データ(主に World Bank API)を Python (
wbdata,pandas) で取得し、過去30年の GDP と政府支出(G)を国別に取得・比較することでマクロ経済の基本(支出面)を学ぶ。(Qiita) - 手順の流れ:GDP の支出アプローチの確認 →
wbdataによるデータ取得(指標 ID の扱い) → エラー対応の紹介 → 年次データを整形する関数の提示 → 日本と米国の比較と解釈。(Qiita)
2) 基本:GDP(支出アプローチ)の復習と最初の関数
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支出アプローチの式は
\text{GDP} = C + I + G + (X - M) (C=消費、I=投資、G=政府支出、X=輸出、M=輸入)。記事はまずこの概念を示し、単純な
calculate_gdp()関数で計算する例を載せています。これにより「各項目を集めれば理論上 GDP が再現できる」ことを確認できます。(Qiita)
3) World Bank API(wbdata)の使い方と注意点
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wbdataを使えば指標(indicator)を ID で指定して API から直接 DataFrame を得られます。記事はインストールとサンプルコード(指標辞書 →wbdata.get_dataframe())を示しています。(Qiita) -
重要な変更点(記事が強調している):
- 以前の
data_dateといった引数指定でエラーになる場合がある(TypeError: unexpected keyworddata_date)。wbdata.get_dataframe()の正しい引数名はdateで、期間は(start_date, end_date)というタプルで渡すのが安全、freq='Y'(年次)やparse_dates=Trueなどのオプションも有用。記事はこの誤り→修正の流れを詳述しています。(Qiita)
- 以前の
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指標 ID に注意:
- World Bank の指標 ID は変更・アーカイブされることがあるため、エラー
Indicator was not foundが出たらwbdata.search_indicators("キーワード")で確認するのが推奨(記事で検索例を掲載)。記事は使える指標の具体例(NY.GDP.MKTP.CD:GDP、NE.CON.GOVT.CD:政府消費支出、など)を示しています。(Qiita)
- World Bank の指標 ID は変更・アーカイブされることがあるため、エラー
4) トラブルシューティング(記事の具体例)
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発生した典型エラー:
5) 実際の関数:get_gdp_and_gov_spending() の構造(記事の実装)
- 設計:引数
country_code="JP"、start_year・end_yearを受け、NY.GDP.MKTP.CD(GDP)とNE.CON.GOVT.CD(政府支出)を年次で取得して整形したpd.DataFrameを返す。戻りデータはYear,GDP,Gov_Spendingの列。コードスニペットと使用例が載っています。(Qiita)
(記事の関数抜粋の流れ:日付タプルで取得 → reset_index() → date を Year に変換 → 年昇順にソート → 返す。)(Qiita)
6) 記事が示した実際の取得結果とその読み方
記事では 日本と米国 の過去30年(1993–2022)の数値例を示しています。主なポイント(記事の数値に基づき解説)を整理します。(Qiita)
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2022年 日本(World Bank の出力の一行):
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Consumption =
2.365528e+12USD(約 2.365 兆ドル) -
Investment =
1.141299e+12USD -
Gov_Spending =
9.192579e+11USD(約 0.919 兆ドル) -
Exports =
9.184084e+11USD -
Imports =
1.076978e+12USD -
GDP (official) =
4.262463e+12USD(約 4.262 兆ドル)。(Qiita) -
支出アプローチの確認:
C + I + G + (X - M)を足すと公表 GDP と一致することを記事は示しています(=データの整合性確認)。(Qiita)
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この記事に基づき計算して整理(小さめの補足計算):
- 家計消費の GDP に対する比率:
→ 約 55.5%。2.365528/4.262463 \approx 0.55497 - 純輸出(X − M)=
9.184084e11 − 1.076978e12 = -1.5857e11USD → 約 −158.6 億ドル(= −158.6 billion USD)(つまり輸入超過で GDP をマイナスに寄与)。 - (記事本文内の単位表記に若干の桁表記揺れが見られますが、上の数値は記事の生データに基づいて私が算出したものです。)(数値のもと:記事の出力)。(Qiita)
- 家計消費の GDP に対する比率:
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30年推移の要点(記事のまとめ):
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日本:1993 年の GDP ≒
4.53694e+12→ 2022 年4.262463e+12(ほぼ横ばい〜微減;記事は約 −6% と表現)。政府支出は増加傾向(危機時にジャンプ)。(Qiita) -
米国:1993 年
6.858559e+12→ 2022 年2.600689e+13(約 3.8 倍、+279% 前後の増加)。政府支出も増加したが GDP 成長が大きく、相対比は比較的安定。(Qiita)
(記事が示したパーセンテージ/増減は上記データに基づくもので、たとえば日本 GDP は約 −6.05%、米国 GDP は約 +279% 程度という計算になります。)(Qiita)
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日本:1993 年の GDP ≒
7) 記事の「学びどころ」と実務的な示唆
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データ取得の鉄則:API を叩くときは 引数名や指標 ID の変更 に注意。ドキュメント(
wbdataの readthedocs)を参照し、search_indicators()を活用するのが実務的。(Qiita) - データ検算の重要性:取得値が公式統計と一致するか(=整合性)を常に確認する習慣は必須(記事でも支出アプローチで“公表 GDP と一致”を確認)。(Qiita)
- 政策・景気の読み方:G(政府支出)の増減や、C(消費)の比率、NX(純輸出)が正負いずれか、これらの変化で「何が景気のドライバーか」を読み取れる(記事は特に G に注目)。(Qiita)
8) 記事が提案する拡張(そのまますぐ実装できるもの)
- GDP 構成比のグラフ(円グラフ・スタック棒)や時系列グラフ化。(Qiita)
- 複数国同時比較(日本・米国・中国・ドイツ など)や、GDP に占める政府支出比率 の推移表示。(Qiita)
- 為替(USD→JPY)や物価調整(名目 → 実質 GDP)を入れてより精緻な比較にする。(Qiita)
9) まとめ(要点だけ)
- 記事は「Python で公開マクロデータを取り、実際に検算して解釈する」までの一連の流れを実践的に示している。API の使い方(
date=、指標 ID の扱い)、よくあるエラーとその直し方、そして得られたデータの読み方までカバーしています。実務あるいは学習の導入として非常に良い教材です。(Qiita)
もしよければ次のどれを一緒に実行しましょうか?(すぐ作ります)
- この記事の
get_gdp_and_gov_spending()をベースに政府支出比率 (G/GDP) を計算して時系列グラフ化。 - 複数国(JP, US, CN, DE)を並べた比較プロット(相対値やインデックス化)。
- 取得コードを Colab ノートブック向けに整形して実行可能な状態でお渡しする(コードセル付き)。
やりたいものを番号で教えてください — すぐコードと出力(図表)を作ります。
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