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ORACLE MASTER Silver DBA 取得に必要な知識のまとめ~データベースツール編~

2024/05/17に公開

はじめに

本記事はORACLE MASTER Silver DBA取得に必要な知識の個人的まとめになります。

ORACLE MASTERとは

Oracle Databaseの管理スキルを証明するOracle社の資格です。

Bronze, Silver, Gold, Platinumの4ランクあります。

DBCA(Database Configuration Assistant)

操作 説明
データベースの作成 テンプレートをもとにデータベースを新規に作成する。標準構成と拡張構成の2種類がある
既存データベースの構成変更 作成済みのデータベースの構成を変更する。
・データベースのオプションの追加・削除
・専用サーバー構成または共有サーバー構成を選択
データベースの削除 データベースを削除する
テンプレートの管理 テンプレートの作成または削除が可能
PDBの管理 PDBの作成、切断、削除、構成変更が可能。PDBはマルチテナントアーキテクチャにおける論理的なデータベースである

DBACの起動は dbca コマンドを実行します。

また、テンプレートに含めた既存のデータベースをシードデータベースと呼びます。

拡張構成の選択項目

設定項目 説明
デプロイメントタイプ データベースを作成するために使用するデータベース・テンプレートを指定する
データベース識別情報 グローバルデータベース名とインスタンスSIDを指定する。
併せて、コンテナ・データベースとして作成するかどうかを指定する
記憶域オプション データベースファイルをどの記憶域に配置するかを指定する。「ファイルシステム」または「」自動ストレージ管理」のいずれかを選択できる。
また、OMF(Oracle Managed Files)を使用するかを指定できる
高速リカバリ 高速リカバリ領域の場所及びサイズを指定する。併せて、アーカイブログモードにするかどうかを指定する
ネットワーク構成 リモート接続に使用するリスナーを選択する。リスナーを新規に作成することも可能
Oracle Data Vault構成 オプション機能であるOracle Data Vault、Oracle Label Securityを使用するかを指定する
構成オプション Oracleでーたべすで使用する各種メモリ領域のサイズ、データブロックのサイズ、軌道プロセスの最大数、キャラクタセット、地域設定、接続モード、サンプルスキーマを導入するかを指定する
管理オプション EM Expressを構成するかどうか、作成したデータベースをEnterprise Manager Cloud Controlの管理対象として登録するかどうかを指定する
ユーザー資格証明 管理用ユーザー(SYS, SYSTEM)のパスワードを入力する。これらの管理用ユーザーはデータベース作成時に自動的に作成される

標準構成の選択項目

設定項目 説明
グローバルデータベース名 データベースを識別する名前。データベース名またはデータベース名.ドメイン名という形式で指定する。原則的に「データベース名=SID」
記憶域タイプ データベースファイルをどの記憶域に配置するかを指定する。
・ファイルシステム:「データベースファイルの位置」で指定したディレクトリ以下にデータベースファイルを配置する
・自動ストレージ管理:ASMディスクグループにデータベースファイルを配置する
データベースファイルの位置 記憶域タイプでファイルシステムを選択した場合はデータベースファイルを格納するディレクトリパスを指定する。自動ストレージ管理を選択した場合はASMディスクグループ名を指定する
高速リカバリ領域 バックアップ及びリカバリの領域を指定する
データベース文字セット データベースに使用するキャラクタセットを選択する
管理者パスワード 管理用ユーザー(SYS, SYSTEM)のパスワードを入力する
コンテナデータベースとして作成 これから作成するデータベースをマルチテナントコンテナデータベースをする場合に選択する

SQL *Plus

SQL *Plusはターミナルやコマンドプロンプト上で使用するコマンドラインベースのデータベース管理ツールです。

SQL *Plus起動時のコマンドの指定は以下の通りです。

コマンド指定 説明
sqlplus ユーザー名/パスワード SQL *Plusを起動し、指定されたユーザー名とパスワードでOracle Databaseに接続する
sqlplus ユーザー名 SQL *Plusを起動し、指定されたユーザー名でOracle Databaseに接続する。パスワードの入力が求められる
sqlplus SQL *Plusを起動し、Oracle Databaseに接続する。ユーザー名とパスワードの入力が求められる
sqlplus /nolog SQL *Plusを起動するだけで、Oracle Databaseには接続しない。Oracle Databaseに接続する場合はSQL *Plusコマンド CONNECT を実行する

各種コマンド

SQL *Plusの独自コマンドは以下の通りです。

コマンド 説明
@ @ に続けて指定したファイルに記載されたコマンドを実行する
COLUMN 列の表示形式を設定または確認する
CONNECT Oracle Databaseに接続する
DEFINE 置換変数(SQL *Plusユーザー変数)を設定または確認する
DESCARE 指定した表などのオブジェクトの定義を確認する
EXECUTE 1つのPL/SQL文を実行する
EXIT SQL *Plusを終了する
HOST OSコマンドを実行
SET SQL *Plusシステム変数(SET変数)を設定する
SHOW SQL *Plusシステム変数(SET変数)の値または現行のSQL *Plus環境を表示する
SHUTDOWN インスタンスを停止する
STARTUP インスタンスを起動する
UNDEFINE 置換変数(SQL *Plusユーザー変数)を削除する

SYSユーザー

Oracle Databaseを作成すると自動的に管理用ユーザー SYS および SYSTEM が作成されます。

SYS ユーザーはデータベースの起動および停止を含むすべてのコマンドを実行できる SYSDBA という特殊な管理権限を持ちます。

SYS ユーザーで接続する場合は接続コマンドに as sysdba オプションを指定する必要があります。

また、Oracle DatabaseをインストールしたOSユーザーでOSにログインしている場合は SYS ユーザーのユーザー名とパスワードの指定を省略できます。

Oracle SQL Developer

Oracle SQL DeveloperはGUIベースのデータベース管理およびプログラム開発ツールです。

主な機能は以下の通りです。

機能 説明
オブジェクトの管理 表や索引、ユーザーなどのOracle Databaseのオブジェクトの管理が可能
データの管理 Excel類似の形式で表のデータを入力および変更できる
PL/SQL開発 PL/SQLを用いたプログラムの開発を支援する。コーディング支援、デバッグ機能などがある
SQLワークシート SQL文、SQL *PlusコマンドおよびPL/SQLを実行できる
データベース管理タスク 非常に多くのデータベース管理タスクを実行できる(インスタンスの起動・停止、初期化パラメータの設定、記憶域の管理など)

Oracle Enterprise Manager Database Express

Oracle Enterprise Manager Database ExpressはWebブラウザの画面からGUI操作でOracle Databaseの管理作業が行えるツールです。

実行できる操作はパフォーマンスの監視、構成管理、診断とチューニングなどです。

また、Oracle Databaseに対して、「構成」「記憶域」「セキュリティ」「パフォーマンス」の管理作業が行えます。

ただし、起動や停止、バックアップとリカバリなどの機能はありません。

次の管理作業が実行可能です。

  • 初期化パラメータの編集
  • 表領域の管理
  • UNDO管理
  • REDOログファイルの管理
  • 管理ファイルの管理
  • ユーザーの管理
  • ロールの管理
  • ADDMによって検出されたパフォーマンスの結果と推奨事項の表示
  • AWRに取得した統計の表示
  • SQLチューニングアドバイザの実行

Oracle Enterprise Manager Cloud Control

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlは複数のサーバーに配置された複数のOracle Databaseとそれ以外の製品を統合的に管理できる管理ツールです。

Cloud Controlの構成要素は以下の通りです。

構成要素 説明
OMS(管理サービス) Webベース管理コンソールを提供するWebアプリケーション。管理サーバーで動作する
OMR(リポジトリ) Cloud Controlの管理情報やOMAが収集したデータを管理するためのOracle Database。
OMSと同一のホストに配置することも、別のホストに配置することも可能
OMA(管理エージェント) 管理対象サーバー上の管理対象ターゲットの制御及び情報を収集する。
OMSと連携して動作し、すべての管理対象サーバーにOMAを配置する必要がある
管理対象ターゲット Oracle DatabaseをはじめとするCloud Controlが管理可能な製品の総称

Cloud Controlを使用すると原則的にすべてのOracle Database管理タスクを実行できます。

おわり

データベースツール編はここまで。

次はインスタンスの詳細について説明していきます。

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