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Claude Codeのマルチセッション開発、tmux vs ccmanager どっちを選ぶ?

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はじめに

最近、Claude CodeのMAX・Proプランが登場して、気兼ねなくAIコーディングエージェントを使い倒せるようになりましたね。そこで話題になっているのが複数のClaude Codeセッションを並行稼働させる手法です。

「AIに開発を任せる」を超えて、「複数のAIが協力して開発する」時代がやってきたわけですが、実装方法として主に2つのアプローチが注目されています(個人的にしてるだけかも):

  1. tmuxを使ったマルチエージェント開発

https://qiita.com/akira_papa_AI/items/9f6c6605e925a88b9ac5

  1. ccmanagerを使った統合管理開発

https://zenn.dev/kbwok/articles/33fad69555d005

今回は、この2つの手法を実際に調査・比較して、どちらを選ぶべきかをまとめてみました。

各手法の概要

まずは、それぞれの手法がどんなものかをざっくり把握しましょう。

項目 tmuxベース ccmanagerベース
コンセプト AI組織による分業開発 Git統合型並行開発
技術基盤 tmux + 通信スクリプト ccmanager + Git Worktree
管理方法 複数画面分割 単一UI統合管理

tmuxベース:「AI会社」を作る

tmux手法は、複数の画面を分割して、それぞれで異なる役割のAI(社長、PM、エンジニア等)を稼働させます。まさに「AIの会社」を作るような感覚ですね。

社長AI → PM AI → エンジニアAI×3

各AIが専門性を持って、実際の開発チームのように協力します。

ccmanagerベース:Git統合で効率化

一方、ccmanager手法は、Git Worktreeと統合されたCLIツールで複数のClaude Codeセッションを管理します。ブランチベースの開発を効率化する感じです。

メリット・デメリット比較

実際に使う場面を想像しながら、それぞれの良い点・微妙な点を整理してみました。

tmuxベース手法

✅ メリット ❌ デメリット
• AI間の役割分担が明確
• 大規模開発での分業効果
• 組織開発のシミュレーション
• tmux操作の学習コストが高い
• 複数画面監視の認知負荷
• 環境構築の複雑性

率直な感想:面白いし革新的だけど、慣れるまでが大変そう。tmuxの操作に慣れていない人は結構しんどいかも。上流工程の要件定義時のリサーチとかペルソナ考えるとかは良さそう。細かなIssueの改版を分業して作るのは、共通部分の共有とかまだまだ課題はある。タスク分解の難易度が高そう。

ccmanagerベース手法

✅ メリット ❌ デメリット
• 既存ワークフローと共存
• 統合UIで管理が簡単
• Git操作の自動化
• AI間協調が限定的
• カスタマイズ性に制約
• 新規ツール学習が必要

率直な感想:実用的で導入しやすい。既存の開発スタイルを大きく変えずに済むのは魅力的。

どんな場面で使い分ける?

実際の開発現場で、どちらを選ぶべきかの指針をまとめました。

tmuxベース:「AI組織」開発

適用場面 具体例
大規模プロジェクト フロント・バック・インフラを分業
実験的開発 AI協調プロセスの研究
専門性重視 UI専門・ロジック専門等の明確分業

ccmanagerベース:「効率重視」開発

適用場面 具体例
個人開発 複数機能の並行開発
既存環境重視 tmuxワークフローを維持したい
Git中心開発 ブランチ戦略を重視

複数人開発ではどちらがいい?

個人的に一番気になったのがこの点です。チーム開発での使いやすさを考えると、ccmanagerベースの方が現実的だと思います。

ccmanagerが有利な理由

Git Worktreeとの親和性

  • 各開発者が独立したブランチで作業
  • マージ・競合解決が既存のGitワークフローで可能
  • コードレビュープロセスとの統合が自然

環境の独立性

  • 各開発者が自分のペースでAIを活用
  • 他メンバーの作業に干渉されない
  • 既存の開発環境を維持可能

tmuxが不利な理由

  • AIエージェント間の通信が人間の協調と重複して混乱
  • 誰がどのAIをコントロールするかの調整が必要
  • リモート作業での画面共有が困難
  • タスク分割とコード管理が複雑

選択指針

結局どちらを選ぶべきか、フローチャート形式でまとめました。
(あくまで筆者の現在の感覚です。使いこなしていくと違うのかもしれません)

あなたのプロジェクトは?

┌─ 大規模・複雑プロジェクト ─→ tmuxベース
│   ├─ フロント・バック・インフラ分業
│   ├─ UI専門・ロジック専門で分担
│   └─ チーム開発シミュレーション
│
├─ 個人・中小規模開発 ─→ ccmanagerベース
│   ├─ 複数機能の並行開発
│   ├─ ブランチ戦略重視
│   └─ 既存tmuxワークフロー維持
│
└─ 研究・実験目的 ─→ tmuxベース
    ├─ AI協調プロセス研究
    ├─ 新開発手法の検証
    └─ 組織パターン実験

個人的な結論

AI・効率化好きとしての率直な感想をまとめると:

ccmanagerベースから始めるのがおすすめです。理由は:

  1. 導入コストが低い:既存環境を大きく変えなくて済む
  2. 実用性が高い:すぐに開発効率化の恩恵を受けられる
  3. チーム開発に対応:複数人での開発でも使いやすい

tmuxベースは面白いし将来性もありますが、まずはccmanagerで複数セッション開発に慣れてから、必要に応じてtmuxベースを試すのが良さそうです。

まとめ

Claude Codeの複数セッション開発は、従来の単一AI開発からの大きな進歩です。どちらの手法も、今後のAI駆動開発の重要な基盤技術になると思います。

  • tmuxベース:AI組織シミュレーション、実験的取り組みに最適
  • ccmanagerベース:実用性重視、個人・チーム開発に最適

皆さんのプロジェクトに合った手法を選んで、AIとの協働開発を楽しんでください!

参考

以下、参考にしたGithubの一覧です。公開して下さり感謝いたします。

tmuxベース

1. Haconiwa
Kamui元木さんが開発中。tmux利用の元祖。

https://github.com/dai-motoki/haconiwa

2. nishimoto265さんのオリジナルのClaude-Code-Communication
オリジナル版のClaude-Code-Communication。

https://github.com/nishimoto265/Claude-Code-Communication

3. あきらパパさんのClaude-Code-Communication
あきらパパさんがプロンプト等を発展させたClaude-Code-Communication。

https://github.com/Akira-Papa/Claude-Code-Communication

4. nwiizoさんのccswarm
tmuxを使いつつもcmanagerに近いリスト形式でお目々に優しいTUI

https://github.com/nwiizo/ccswarm

ccmanagerベース

1. kbwoさんのオリジナルのccmanager

https://github.com/kbwo/ccmanager

2. Codex CLIも利用可能にしたccmanager
筆者自身がCodex CLIも利用したくて改版したccmanager

https://github.com/Tomatio13/ccmanager

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