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Planetary Computer 最初の一歩

2022/05/30に公開

Planetary Computer とは?

Planetary Computer とは Microsoft が提供するサービスの 1 つで、科学者、開発者、政策立案者が地球規模の環境モニタリング機能を利用できるように、地球環境データのカタログや検索する API、カタログや API を利用するコンピューティングリソースから成り立っています。完全なプラットフォームとして提供するというより、企業や組織が地球環境目標の進展に役立てるデータやその周りの仕組みを提供するという位置づけになります。

例えば、Conservation Science Partner の Analytics Lab チームは、Planetary Computer を使用して米国全土の森林の変化、生息地のコネクティビティ、人間の土地利用の影響を監視し、様々なプロジェクトパートナーや利害関係者に、保全に関してより良い意思決定を行うために必要なデータをほぼリアルタイムで提供しています。その他の利用例については以下のサイトを参照してください。

https://www.microsoft.com/ja-jp/ai/ai-for-earth-partners?activetab=pivot_1%3Aprimaryr3

Planetary Computer はどこから使えるの?

Planetary Computer は以下のサイトで公開しています。
https://planetarycomputer.microsoft.com/

サインアップしないでもカタログの参照や API の利用は可能なのですが、利用できるデータに制限がありますので、サインアップして利用いただくことをお勧めします。こちらは無料で利用可能です。

サインアップするには、上記のサイトの上部にある「Hub」リンク → 「request access」リンクをたどるとサインアップ画面に行きますので、

以下の情報を入力し、「You have read and agree to our terms of use」をチェックして「Submit」ボタンをクリックしてください。なお、terms of use はきちんと読んでおくことをお勧めします。Submit したらだいたい一晩くらいで許可のメールが来ると思います。

  • Email
    • サインアップに使うEメールアドレスを入力してください。
  • Name
    • あなたの名前を入力してください。
  • Affiliated Organization
    • 官公庁もしくは関連団体に所属しているのであればその名前を記入頂いてもいいですし、「Personal」でもかまいません。
  • Sector
    • 所属部門が選択肢に出てきていればそれを選択頂いてもいいですし、「Not speficied」を選択頂いてもかまいません。
  • Primary programming languages
    • API を利用する際に主に使う言語を選択してください。
  • Country
    • あなたの所属している国を選んでください。
  • What datasets are you interested in?
    • Data Catalog をみて、興味のあるデータセットを書いてください。
    • 例:Landsat Collection 2 Level-2
  • What is your area of study?
    • どんなことをしたいかを簡単に入力してください。
    • 例:I would like to analyze surface temperature by using Landsat Collection dataset.

どのようなカタログが使えるの?

2022 年 5 月現在で提供済みのカタログをいくつかご紹介します。

  • Landsat Collection 2 Level-2
    • 米国の気象・地球観測衛星であるランドサット 4 号、5 号、7 号、8 号、9 号が観測したデータを元にした大気補正済みの地表面反射率データと地表面温度データ。
    • 1982 年 8 月 22 日から現在までのデータを提供。
    • 地上分解能はランドサットの号や観測するスペクトルで異なり、30m、60m、100m、120m。
    • https://planetarycomputer.microsoft.com/dataset/landsat-c2-l2
  • Sentinel-2 Level-2A
    • 欧州の気象・地球観測衛星であるセンチネル 2 号 (2A/2B) が観測したデータを元にした 13 種類のスペクトル帯の全地球画像データ。
    • 2015 年 5 月 27 日から現在までのデータを提供。
    • 地上分解能は観測するスペクトルで異なり、10m、20m、60m。
    • https://planetarycomputer.microsoft.com/dataset/sentinel-2-l2a
  • 10 meter Land Cover
  • ALOS World 3D-30m

これ以外にも様々なカタログを提供しています。詳細は以下のサイトを参照してください。
https://planetarycomputer.microsoft.com/catalog

カタログから情報を取得する方法は?

サインアップした後に Hub リンクをクリックすると開発環境が立ち上がります。開発環境には Quickstart や Tutorial 及び関連技術情報へのリンクが用意されています。こちらを動かしてみて、提供されているカタログからどのように情報を取得できるのかを確認するのがよいと思います。

例えば、Landsat Collection 2 Level-2 カタログのデータの検索方法を確認するためには、Quickstart の Reading Data from the STAC API (ファイル名:reading-stac.ipynb) が用意されています。

カタログで提供されているデータを簡単に見る方法は?

API を使うのが敷居が高いという方もいらっしゃるかと思います。カタログのページからはカタログの中身を参照するエクスプローラーが事前に用意されていますので、まずはこれを見て各カタログにはどのようなデータが用意されているのかを確認するのが良いと思います。エクスプローラーは、「Launch in Explorer」ボタンから開くことができます。


今回は Planetary Computer を利用する最初の一歩ということで簡単にカタログを見るところまでの記事としましたが、今後 Quickstart や Tutorial を動かしてみた記事も上げていきたいと思います。

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