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エンジニアにとっての技術ブログは医師にとっての論文な気がする

2022/09/10に公開

現役のお医者様には怒られそうなタイトルですが、同じ知識を扱う仕事の大先輩から知恵を拝借しよう..という主旨の記事です。結論としてはタイトルそのまま「エンジニアにとっての技術ブログは医師にとっての論文みたいなモンだからもっと楽しく書いてみよう」という内容です。エンジニアのアウトプットについて異業種の先輩方からヒントを頂こうと思います。

論文のすすめ

日本大学医学部の高山忠利氏が書かれた記事です。『臨床』という言葉をそのまま『コーディング』に置き換えても全く違和感なく読める記事です。

論文のすすめ

良く耳にする「論文などは二の次で臨床を一生懸命すべきだ」という意見は正論である。なぜなら、外科医にとって最大の命題は、手術を成功させ患者さんに社会復帰して頂く点にあるからだ。しかし、臨床と論文とは本当に二律背反の事象であろうか?

筆者は「臨床経験を増幅するため」に論文を書いており、「どんな些細な情報でもどんな雑誌でも構わないので、英文論文にしておく意義は極めて重要である」と主張しています。

40代になっても「英語論文」を書き続ける医師…そのワケは?

『生涯論文!忙しい臨床医でもできる英語論文アクセプトまでの道のり』という本まで出版されている、内科医の谷本哲也氏が書かれた記事です。生涯論文!というのは、私たちでいう生涯Qiita!生涯zenn!みたいなモンでしょうか..

40代になっても「英語論文」を書き続ける医師…そのワケは?

論文を書くことは体力・気力・時間の面でも大変な作業であることは認めながらも、論文を書くことが「最強の生涯学習である」と書かれています。(SNSなどを通じたアウトプットの方法は色々ありますが、最も質を担保できるのが論文だからだそうです。)また論文を通じて新たな人間関係ができるなど、エンジニアライフを充実させるヒントも見つかるかもしれません。

論文発表における秘められた話を語る

聖路加国際病院の水野篤氏が書いた記事です。今回ご紹介する中で最も読むのをオススメしたい記事です。筆者は本業の傍らとんでもない量の論文を書かれており、そこでの経験を通じてこれまでのキャリアを振り返っています。

論文発表における秘められた話を語る

私はあと2年で古稀を迎える。最近自分の現役の引き際を考えることがある。その1つの目安として論文を書く意欲がなくなる時である。それは自分の果たす役割を冷静、客観的に評価して、自分の考えを相手に伝えることができなくなり、自分の存在価値がなくなるからである。

「論文が書けなくなったら私は終わりだ」という、徹底して自己批判を忘れない姿勢を持っていたからこそ43年間でこれだけたくさんの論文を書かれたのではないでしょうか。

1. なぜ論文にしなければならないか:書かなければ何も残らない

「論文に書かなければ、何も残らない」という言葉が象徴するように、知識をシェアするという観点からこちらの記事は書かれています。

1. なぜ論文にしなければならないか:書かなければ何も残らない

「自分のためにブログを書く」という段階から1つ視座を上げた時に、エラーやバグとの格闘の記録は必ず他の人の役に立ちます。良い知見はみんなでシェアしよう!というまさに私たちの専売特許であるオープンソースな考え方を提唱されている記事です。

最後に..

最後に技術ブログにまつわる私自身の感想をあれこれ書いてみます。

色々な人の話を聞いてモチベーションを上げよう

技術ブログを書くことは中々に骨が折れる作業です。私も今まで何度もブログを開設しましたが挫折を繰り返してきました。書き続けるのがしんどくなった時は他の人が書いたブログを読んで元気をもらっています。「アウトプットはこんなに素晴らしいんだ!」と自分を励ましている次第です。アウトプットに関する本は本屋さんに行けばたくさんありますが、異業種の先輩方(今回はお医者様)から学ぶ機会は珍しいです。お医者様も日々の仕事と並行して苦労しながら論文を書いているんだな..と感じました。

アウトプットの向き不向きはある

今回は技術ブログ(=論文?)に限った話となりましたが、アウトプットの方法は何でも構いません。Gitでコードを書いたり、勉強会でライトニングトークをしたり、個人開発をしたり、YouTubeを撮ってみたり、後輩に自分の経験を説明してみたり..エンジニアが知識を形にする方法はたくさんあります。そして人によってアウトプットの向き不向きはあると思います。

文章で考えを形にするのが好きな人もいれば、コーディングに夢中な人もいます。プレゼンがすごく得意なエンジニアも入れば、後輩に教えるのが上手な方もいます。ある程度仕事をしていると自分の好きなアウトプットの方法がわかってきますし、それは意外と自分の仕事観・人生観につながる深いモノなのかもしれません。

知識は発信してナンボ

エンジニアという言葉の語源には「知識によって課題を解決する」という意味が込められているそうです。知識を使った課題解決という点で、今回お話ししたITエンジニアと医師はすごく似ています。保育士や建築士,営業など、ほとんどの仕事が専門スキルによってお客さまの課題を解決してお金を得ているのではないでしょうか。そして知識は目に見えないので、何らかの形にする必要があると感じています。待っていても仕事は中々やってこない昨今、自分から何らかの形でアピールするのも1つアリではないかと思います。

本業を相対化する

誤解して欲しくないのが、医者もITエンジニアもお客さんの課題を解決してナンボです。論文・ブログを書くことが最も重要!という訳でもないと思います。私も普段の業務で十分なインプットアウトプットができればブログを書かなかったかもしれません。

しかし本業を相対化する点でブログは1つ有効な手段だと思います。本業でずっと自分のスキルを磨き続けるのも1つありですが、長年1つの仕事をしていると達成感と一緒に疲労感も襲ってきます。そんな時に箸休めとして別の仕事があるのはすごく良いリフレッシュになります。本業とは全く別の世界線で仕事を持っていると気持ちのバランスが取れます。本業を相対化しながら、本業とアウトプットの両輪で技術を磨いていけるのが充実したエンジニアライフの1つの形なのかもしれません。。(それ以上に技術ブログを書き続けるのはしんどいので、ポエム系の記事を時々挟むと良い箸休めになる気がします。)

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